、最低気温12℃、最高気温14℃。

雨、霧、風、今日も条件が悪い。わずかに残る痕跡から足取りをたどる。糞、新しい糞があればサルたちがいた証拠。寝場所や留まっている時には糞をする。急ぎ足で移動している最中はあまり糞をしない。今日も朝までいたと思われる場所には糞がたくさんあった。そこからどこへ行ったのか。クリを食べた跡の折れた小枝、クリのイガ、クリの鬼皮、食べ残しのキノコ。点々と続く食痕が谷の奥に続いている。サルたちの声も聞こえないが、それらをたどってみるより仕方ない。
痕跡が示す方向の深く険しい谷を大きく迂回して尾根筋に出る。尾根をしばらく進むとかすかにサルたちの声がした。サルたちは尾根の更に先の谷に散らばって木の実を食べていた。こんな地形の場所では声も遠くまで届かない。
P9300016すでに11:00、なかなか動こうとしないサルたちをエサで呼んだり追い立てたりして移動を促す。サルたちは渋々動き出し尾根から谷底に向かって動き出した。この場所からサルたちと一緒に谷底に降りたらきつい場所に出てしまう。公苑まではもう一つ尾根を越えなければならない。谷の向こう側にいる職員に後を任せ、我々は安全なルートで山を下りる。
午後、やっと公苑側の尾根筋まで来たがサルたちはまたそこで動かなくなってしまった。エサで呼んだり追い立てたりしても公苑方向には向かわない。斜面を下れば公苑というところまで来て方向を変え、また山の奥へ向かってしまった。
結局、サルたちは一日中公苑には来なかった。