曇りのち雨、最低気温2℃、最高気温11℃。

雨が降り出し、せっかくの連休に文字通り水を差す。
ついにトラヨは現れなかった。どこかで身を潜めているのか、それとも力尽きて逝ってしまったか。これまでの様子からして、明日になったらまた現れる可能性は低い。昨日の夕方、群れのサルたちが行ってしまった方向に登って行ったのを見送ったのが最後になりそうだ。

トラヨは1984年生まれ、今年で27歳になる。1984年は私が地獄谷野猿公苑に勤め始めた年だ。雪が消えて春が訪れ、初めて間近で観察した生まれたばかりのニホンザルの赤ちゃんの内の1頭だ。その後の成長もずっと見てきたことになる。当然、トラヨだけを見てきたわけではない。27年の間には数百頭のサルを見てきた。トラヨもその中の1頭にすぎない。特別の思い入れがあるわけではない。自然界では生も死も当たり前のことだから。ただ、27年の歳月を思い返すと感慨深いものがある。地獄谷にいるサルのほとんどが私が来てから生まれたサルになってしまった。