4月25日(木)くもり後あめ

最低気温10℃最高気温15℃
サル来苑時間8:30

21日(日)8:30〜16:15
22日(月)8:30〜17:00
23日(火)8:30〜17:00
24日(水)8:30〜17:00

今週に入ると更に気温が上がるようになりました。

以前に触れたように21日に長野マラソンに出場させていただき、その後に所用で大阪の方に行っておりました。22日は、丁度大阪も暑くなった日で25℃くらいまで上がっていたと言っていました。長野に帰ってくると関西方面よりは幾分か気温が下がっているように思いました。

それでも先週までより暖かくなったものです。

長野を出てくる頃は満開だった桜も、帰ってくると散ってしまいました。

ですが、野猿公苑の駐車場のある上林エリアは五分くらい咲いている頃で、GWの最中には満開になり見ごろになるのではないかという感じです。是非そちらも楽しんでいただければと思います。

サルたちの方は先週に引き続き春の新芽を目当てにそわそわと動くようで、21日には早めに帰ってしまったようです。

例年、このシーズンはサルたちを山へ呼びに行くものですが、今シーズンはサルたちの方から自発的に公苑に来てくれます。

しかし、日中に山へ上がってしまいそうになり、公苑内で呼び戻していてもなかなか戻って来てくれません。スタッフが山に登り誘導すれば戻って来てくれますが、注意が必要です。

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「続く出産」
地獄谷野猿公苑の職員として働き、「ヒトの暦」とは別世界のような日々を過ごしていると、なかなか何日もの連休をいただくという事も少ないので、日月火…と3日間も公苑にいなかったというと、随分長い時間サルたちを見なかったような気すらしてしまいます。

その3日間の間に3頭の赤ちゃんが産まれ、本日もう1頭の赤ちゃんが産まれて、現在5頭の赤ちゃんが産まれています。

今年の赤ちゃんは、産まれたその日であってもお母さんのお腹から周りを見渡したり(恐らくは、まだ目が見えている状況ではないと思いますが)元気に動いたり、“本当に産まれたて”という感じがしませんが、見ている側としては赤ちゃんの様子が分かりやすく、見ていてかわいらしいものです。

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「またもや」
出産のトップを切ったトックリ00ですが、お腹にいる赤ちゃんが増えて2頭います。

私が不在だった3日間の間に産まれた3頭のうち1頭で、21日(日)にはこの状態だったと聞いております。恐らくは、別の母親から生まれた子がトックリ00に付いてしまっている状態なのだと思いますが、それらしいメスは見当たりません。



サルたちの出産のシーズン、では時折チョットした行き違いで赤ちゃんが“産みの親”でない母親の元に行ってしまう事があります。

例えば、数頭のメスが出産をしている状況等で、Aというサルのaという赤ちゃんが何かの拍子でお母さんのお腹から落ちてしまいます。するとaの赤ちゃんは産まれたばかりで“意識”というものすら曖昧な状態なので、とっさの本能・自己防衛として近くの物にしがみついたりします。

これがオス子供たち、そのシーズンに出産のないメスであると、Aというサルとのトラブルを避ける為にすぐに離れてしまいます(むしろ赤ちゃんの危機を救わんとする母は厄介なので避けるように逃げたりします)

ところが、同じシーズンに出産をしたBというサルのもとにa赤ちゃんがくっついてしまった場合。Bお母さんにはすでにb赤ちゃんがその胸の中にいるのですが、不意に鳴き付いてきた赤ちゃんに対してとっさの判断の中で「自分の赤ちゃんが助けを求めてきた。保護してすぐに逃げねば」という感覚になり、サッと抱き上げてしばらく走り抜けてしまいます。

そしてよくよく見ると、Bお母さんにの胸にはa赤ちゃんとb赤ちゃんがいる…という事になります。

この辺りは、そもそもサルは“日本の食物連鎖の頂点たるオオカミ(あるいは野犬)から逃げる動物”なのが関係しているのではないでしょうか。「ピンチを感じたらその場をすぐに離れる」というような反応は、通常の生活でも良く見る光景です。赤ちゃんが鳴きながら飛び付くような事は、基本的には“非常事態で赤ちゃんが逃げてきた”ということでもあり、母親としては我が子を抱えてすぐにその場を離れるのが本能なのでしょう。

サルたちの立場の中で、Aお母さんがBお母さんよりも強い場合(A>Bの場合)、Aお母さんは怒ってBお母さんを追いかけ、a赤ちゃんを奪い返しますし、Bお母さんも、「どうやらさっき抱き上げたのはa赤ちゃんらしい」と判断しさっさと手放してしまうものです。

が、この立場がAお母さんよりもBお母さんが強い場合(A<Bの場合)、Aお母さんはもはや自力では我が子a赤ちゃんを取り返すことができません。逆に取り返しに行こうとすると、「私の子に触れないで」とばかりにBお母さんに怒られ、Bお母さんも逆上した拍子なのか、更に「どちらも我が子」と頑なに離さなくなる傾向にあるようです。

このような結果1つのお母さんサルの元に2頭の赤ちゃん。もしくはそれ以上…というような事態に至る事があります。多くの場合、“アクシデントの結果”であり、どのメスにも起こりうるケースではあります。

しかし、トックリ00はこれで3度目。こうなるに至ったのは、トックリ00に何らかの要因があるのでしょうか。

1度目は育て上げ、2度目は無事に元の親の元に帰る事が出来ました。今の状況を見る限りでは「別人の子」が元に戻る気配はありません。

トックリ00のお腹の中で2つの赤ちゃんがじゃれ合いながら母親に抱き着く様は、見た目的にはかわいらしく、一生懸命にそれを育てようとするトックリ00もいじらしく映るかもしれません。

が、ニホンザルが本来「1回の出産で1頭しか産まない」のは、そもそも「1頭しか育てられないから」。

現に画像左側の赤ちゃん(トックリ00の自分の子)はあまりお乳を飲めていないようです。

そのほか、野生生活を続けていく上で2つの赤ちゃんがいる事で事故も起きやすくなるでしょうし、なによりもお腹を痛め苦しい思いをして出産した本当の母親もかわいそうなものです。

本来はこうならなかった方が良かった事です。が、こうなってしまったからにはうまく事が運ぶのを見守るばかり。

無事に育つと良いのですが。