9月9日(木) くもりのち晴れ

最低気温18℃ 最高気温22℃
サル来苑時間…不在(6日目)

最近のサルたち公苑滞在状況
8月31日(火)11:00〜17:00
9月 1日(水)…サル不在
  2日(木)…14:00〜17:00
  3日(金)9:30〜16:00
  4日(土)〜8日(水)…5日間サル不在

サルたちの行動が活発となってます。遅刻・早退は基本となり、公苑に下りて来ない日も増えています。

前回ブログから、公苑にサルたちがいたのは11日の内3日で、1/3未満の出勤率となってしまいました。

連日のサル探しが続いています。

8月31日〜9月3日くらいの辺りまでは、前回同様ブナを目標とした動きでしたが、4日以降は目的が変わってきているようで、これまで目的としていたブナ林には訪れていないようです。

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「ブナ林近くのヒノキ林」
ブナ林の近くにあるヒノキ林。ブナ林を目指したサルたちは、時折この場所にも訪れていた様子。

ヒノキ林の中は、サルたちの求めるような食べ物はないので、寝場所として時折訪れていたのでしょう。

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「4日の様子」
4日の日に訪れた時のヒノキ林の地面。地面にはたくさんのフンがあって、沢山のフンは鮮度がそれぞれ違うので、「8月の上旬から時々この場を訪れ、寝る場所としていた」痕跡でもあります。

4日は、その日の朝の物と思われる新しいフンが多く見られ、サルたちのニオイも残っていた所から「前の晩はここにいた」可能性を感じました。

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「8日の様子」
4日(土)にこの場に訪れ、サルたちを発見できず。サルたちの行きそうな場所を、範囲を広げて捜索していましたが、見つからず。

8日(水)に改めてヒノキ林を確認して見ましたが、4日と変わらぬ様子です。

雨続きで古いフンは風化して消えてしまい、新しめのフンも数日経過してカビが出ています。4日〜8日の間にこの場所に来ていない。ブナもそろそろ終わりの頃なので、このポイントを目的とするのは終わって違う場所に向かったのだろう…と、思います。

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「食べ物があってもなくても」
山の中を巡っていると、栗が大きくなってきているのも目につきます。実際栗を食べているであろうフンをサルたちはしていたので、食べ始めているのでしょう。

しかし、山の食べ物は見た目にはまだちょっと早く旬とは言えなさそう。現に、クリの群生地やヤマブドウ群生地にもサルたちが訪れている雰囲気はありません。

急斜面の谷底や、木々が密生した険しい山奥など、我々が「行けないような場所」に新しい食べ物の実りがあるのかもしれません。

逆に、なかったとしても「そろそろ頃合いかもしれない」と様子に見に行くこともあるので、実りが実際になかったとしても、様子を探りに行くという事もあります。

サルたちは、山のサルであり、昔から自然の中で生きていく中で「サムクテ、キビシクテ、タイヘン」な冬を越すために、秋の内に「エネルギート、ネツヲタクワエル」必要性を、本能的に感じています。

その為に「イロンナモノヲ、タベナクチャイケナイ」ので山の実りを探さなければいけません。

何日もサル不在が続きその行方すら分かっていません。こういった事は稀ですが、やはり「山のサルたち」なので不思議な事ではありません。

ここ10年くらいは海外のお客様に注目され、日本の中でも注目していただくようになりました。

こういった中で、「公苑のサルたちは山のサルで公苑に来ない時もある」という点も、昔より多くの方に知られるようになりました。

サルたちが公苑に来ない。しかも何日も公苑に来ていない。大丈夫だろうか?

と、心配される方もいらっしゃるかもしれません。

公苑は50数年間、同じような事をずっと続けています。サルたちが「思うようにならない」のは今に始まった事ではなく、昔から。

その内、公苑に来てくれるだろう。…と、吉報をお待ちください。

地獄谷野猿公苑は野生のニホンザルを観察していただく場所であり、公苑はサルたちにとって訪れる場所の一つにすぎません。

ご理解の程、よろしくお願い致します。




植物こらむ
第152回

ブナ


ブナ(山毛欅、橅)
ブナ科


「白神山地のブナ林」で有名なブナの木です。


豪雪地帯ではブナの極相林を見る事が出来る事から「雪の申し子」とも言われているようです。

*極相林とは...それ以上植生が変化しない安定した状態の林の事。
簡単に説明すると、(前提として、森林は長い時間をかけて植生の生え換わりが起こることで形成されます)
裸地にコケ植物などが生える
→薄く土壌が出来、一年で種をつけて世代交代をする一年生植物が育つ環境になる
→そこに地下茎や球根を持つ多年生の植物が出現
→さらに環境が整うと強い陽の光を好む陽樹が出現して高木林が形成される
→高木林の下には陽の光が届かないため陽樹の幼木は育たず、代わりに少ない陽の光でも成長する陰樹が育っていく
→陰樹が背を高くし成長すると、陽樹が減っていく
→陰樹の高木林の極相林ができる
という訳です。

こうしてみると、山や森は長い時間をかけた植生の変化によって形成されていく事が分かって面白いものですね。
ちなみに、極相林に達した場合でも木に寿命はあるので、陰樹の中で比較的緩やかに世代交代が行われていくようです。


ブナの名前の由来は、加工が困難で建築木に向かないこと、奥山に生えており搬出が困難であることから「役に立たない木」「ぶん投げる木」が転訛して「ブナ」になった説があります。使える「木」では「無い」→橅と書くようになったとも言われています。


ブナの面白い習性(?)として「早春の根開き」をご紹介します。
まだ雪の残る早春のころ、ブナの根元の雪が幹を中心にして丸く溶けている事があります。これは、陽射しで温められた幹の熱によって周りの雪が溶けているのです。

マタギはこれを「根開き」と呼び、冬眠していたクマたちが起きてくる頃の指標として、春の熊狩を始めるそうです。


サルも良く食べるブナの実については画像(添付に少しお時間下さい(汗))にてご紹介しますので、そちらもご確認くださいね。