買収監査三日目です。突然、蓮谷社長が話しかけてきます。
何故か私には好意的な表情です。
私も個人的には、技術者然としていて、筋を通すタイプの蓮谷社長みたいな方は好きです。
社長室で少し話をしたいといいます。
上場会社といっても社長室は質素な造りです。
創業30年以上の上場会社なのに売上は30億程度です、成長性よりも収益性を重視し堅実経営に徹してきたようです。
見方によっては、親会社に頼りすぎて親会社が斜陽になって何年も経つのに現経営陣は何の対策も打てていないようにも感じます。
蓮谷社長がぼそりと切り出します。
蓮谷社長「ライズ社とはどんな会社ですか?」
私「まだ創業2年を経過したばかりですが、急成長している会社です。
宝石や時計、バックなど有名ブランド品の買取販売という新しい業態を展開しています。
社員の平均年齢は20才代ではないでしょうか。」
蓮谷社長「郷原会長はどんな人ですか」
私「最近成長が著しいベンチャービジネスの起業家のひとりだと思います。
ソフトブックの得さんとか光コミュニケーションの重畑さんとかも知り合いだと思います。」
意に反して蓮谷社長は苦り切った表情になります。
蓮谷社長「そんな輩ですか・・・」
流石に、この反応はライズ社に報告する自信はありません。
(このブログは毎週、火曜日と木曜日に更新予定です。)