柱時計の会話 239
柱時計、誰もがご存知のものだろう。
その彼〈柱時計の長針と短針)がボソボソと会話している。
「おい!長針よ。」(短針)
「なんだい。短針君」(長針)
「長針は、いいよな。いつも自由で大きく回れて楽しそうだ。」(短針)
「そんなことはないよ。これでもこれでも結構疲れるんだ。短針君の方が
ゆっくり動けていいじゃないの。」(長針)
「まぁ、僕は確かに一時間に少し動けばいいんだから、そうかもしれない
けど、君の方が目立っていいと思うよ。」(短針)
こんな会話がされていたとき、柱時計を支えている「釘」が
「君達は、両方とも目立つ存在だから、ゆっくり動こうと早く一回りしようと
いいじゃないか。」(釘)
「僕なんか誰からも見られず、動くこともできず、ただ君達を裏で支えている
だけの存在、寂しさは僕が一番だと思うよ。」(釘)
この言葉を聞いた長針と短針はハッと我に返り、あることに気がついた、つ
まり、柱時計というものは、長針も短針もそれぞれの役割があって大切であ
るが、釘がなければ時計を支えられない、長針・短針・釘、すべてが揃って
柱時計なのである、ということを!!!。
組織もしかりである。それぞれのポストに役割があり、それが目立つ場合と
目立たない存在がある。しかしながら、そのすべてが効率的に機能して組織
といえるわけだ。柱時計の話しの内容を原点に戻って考えてみよう。