2009年11月01日

[NO.289]アカウンタビリティ

英語で書くとaccountability。
『説明責任』と訳されます。

時代の進展につれ、政府や企業の行動が複雑かつ高度になっています。
そのことにより、国民として、消費者として、政府や企業が一体何を考え、何をしようとしているのかが見えにくくなってしまいました。

現在、企業の行動原理としてCSRが改めて見直されています。
CSRブームと呼んでもいいくらいです。

日本では2回目のブームです。
1回目は1970年代。

公害裁判がピークに達し、企業の犯罪、企業の不祥事が頻発した頃。
企業の社会的責任が問われたのです。
有吉佐和子の『複合汚染』がベストセラーになったのもこの時代です。

しかし、やがてこのブームは終息します。
2度目のオイルショックによる景気後退がきっかけです。

そして今、2度目のブームで盛り上がる。
今回は前回とは違います。

きっと定着するでしょう。
理由はいくつかあります。

1番は生活者の視点が先鋭化したことです。
2番目はグローバル化。
そして3番目はNPOやNGOなど、ときに監視機関となる市民社会組織の存在でしょうか…

国や企業は、これまでのようにストラクチャーの論理を貫くだけでは役割を果たせなくなりました。
行政サービスや商品の最終的な受益者である国民や消費者に対し、その行動うあアウトプットの意味を説明し、納得・共感してもらう必要があるのです。

どれだけの情報を持っているかで力関係が決まるというメカニズムは昔も今も同じです。
言うまでもなく、情報量が多い側がそうでない側を支配する。
これまでの政府も、大企業の戦略も、そのメカニズムで動いていました。

しかし…

それは、『お前たちは余計なことは知る必要がない』と突き放すことが許されている場合に限ります。
現代は違います。

国民は、密室政治を行う政党を否定します。
消費者は情報の秘匿や改ざんをする企業の商品を買わず、最終的に企業に退場勧告を突きつけます。

人や組織が行動する時。
そこには必ず理由がある。
その行動の真実を知ってもらうには、ちゃんと説明する責任があるということなのです。


cpiblog01422 at 12:22