2015年の旅行は全8回のうち7回が「おトクなきっぷ」を利用した。大人の休日倶楽部パス、北陸フリーきっぷ、青春18きっぷ、秋の乗り放題パスだ。

2015年は旅の年間計画を立てたのが新たな試みだった。すべてが予定通りとはいかなかったが、それでも有効性は確認できたので来年も続けたい。そこで2015年「おトクなきっぷ」の旅をふり返って2016年の計画の参考にしたい。まず「大人の休日倶楽部」の旅から。

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(大人の休日倶楽部のおトクなきっぷ4枚)

「大人の休日倶楽部パス」と会員限定「北陸フリーきっぷ」で旅した。

●第1回「大人の休日倶楽部パス(東日本・北海道)」
釧路までは昨年と同じルート。去年は釧路湿原を散策したが、今年は網走、旭川と進んで、札幌を経由して戻った。観光なし。完全な乗り鉄の旅だった。これでJR北海道の主だった特急列車はスーパー宗谷を残すのみとなった。

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※路線図は「旅と鉄道」2015年11月号の綴込付録を使用させてもらいました。

2012年から「大人の休日倶楽部パス」で北海道を旅していたが、今年ほど雨にあった年はない。釧網本線の快速しれとこに乗車した時は、雨こそ降らなかったが完全なくもり空だった。それでもオホーツク海と知床半島を望む車窓の景色で、遠くまで来たと旅情をさそい、いまでも鮮明に覚えている(天気が残念→写真が暗い)。

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さて「大人の休日倶楽部パス(東日本・北海道)」の値段は25,000円だった。このパスを使わないときの交通費(想定運賃・料金)は66,992円(運賃:35,942円、特急料金:31,050円)だから、おトク度は2.7倍となる。なお、運賃は自宅〜新横浜、東京〜釧路〜網走、網走〜旭川〜東京〜八王子〜自宅と3つに分けて購入した場合だ。ちなみに1日毎にきっぷを細切れに購入すると合計額が48,680円にもなる。

●第2回「大人の休日倶楽部パス(東日本)」
東北新幹線で青森まで北上し、青森からは日本海側を在来線の特急列車で直江津まで南下した。

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東北新幹線が開業したことにより東北本線の通常特急列車は廃止されたが、日本海側は健在だ。この旅では「つがる」「いなほ」「しらゆき」に乗車できた。車窓から日本海を堪能するのが目的だったが、皮肉にも一番印象に残ったのは新潟のばかうけ展望台からの眺めだった。

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「大人の休日倶楽部パス(東日本)」の15,000円に対して、想定運賃・料金は36,902円(運賃:22,682円、特急料金:14,220円)だからおトク度は2.5倍だった。

●「北陸フリーきっぷ」(前半)
北陸新幹線が3月14日に金沢まで開業しためずらしさもあって5月に乗車した。前半は福井県、石川県の一の宮巡拝。気比神宮、若狭彦神社・若狭姫神社、白山比弯声辧気多大社に参拝した。金沢ではもちろん兼六園と金沢城址も見物した。

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もっとも印象的だったのは神さびていた若狭姫神社・若狭彦神社だった。檜皮葺の屋根に苔が生え、そこに千年杉が覆いかぶさっている若狭姫神社の光景は強烈だった。

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兼六園と金沢城址ももちろんよかったが、帰りの北陸新幹線の車窓から立山連峰が望めたことが印象的だった。

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さて「北陸フリーきっぷ」の22,000円(都区内発)に対して、想定運賃・料金は38,130円(運賃:21,050円、特急料金:17,080円)でおトク度は1.7倍と、「大人の休日倶楽部パス」に比べ落ちる。

●「北陸フリーきっぷ」(後半)
前半は福井県、石川県の一の宮を巡拝したので、後半は富山県の一の宮。といっても越中国は4社も一の宮を名乗っているので、もっとも交通の便がよい射水神社だけに参拝した。氷見線を完乗した。さらにフリーエリア外に出て、岐阜県(飛騨国)一の宮の水無神社にも参拝した。

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もっとも印象に残ったのはフリーエリア外の高山。飛騨の里では合掌造りの他に立山連峰まで見ることができた。

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この旅の想定運賃・料金は33,730円(運賃:17,360円、特急料金:16,370円)と、おトク度は1.5倍と下がった。フリーエリア外に出たのが原因だ。

ということで、「大人の休日倶楽部パス」のパフォーマンスは絶大だ。一方、「北陸フリーきっぷ」はまずまずという感じだった。もちろん損はしないが、使い方次第ではその程度にもなる。いずれにしても「大人の休日倶楽部パス」との差は大きい。

ところで、「大人の休日倶楽部パス(東日本・北陸)」→「北陸フリーきっぷ」は何を意図しているのだろうか?まずは北陸新幹線に乗車させる狙いがあるのはきっぷの名称からしてわかる。ではきっぷの値段17,000円→22,000円(都区内発)の設定は?

フリーエリアの西端が福井から小浜まで拡大されている。福井〜小浜の片道は3,120円(内自由席1,180円)だから往復で6,240円となる。17,000円+6,240円=23,240円だから小浜まで行けば「北陸フリーきっぷ」は「大人の休日倶楽部パス(東日本・北陸)」に対してもペイできる値段だといえる(か?)。

自分は神奈川に住んでいるから都区内までの移動費用を重視していない。だから「ペイできる値段だ」といえる。これが極端な例として青森に住んでいる人はどうだろうか?大宮までの移動に片道16,620円(内特急指定席6,470円)もかかる。往復で33,240円だ。ここから「北陸フリーきっぷ」の大宮発(21,000円)を使うことになる。合計金額はなんと、54,240円だ!

これが「大人の休日倶楽部パス(東日本・北陸)」ならこのきっぷの値段17,000円とフリーエリア外(福井〜小浜)の運賃6,240円(特急料金込み)を加えて23,240円で済んでいたはずだ。「大人の休日倶楽部パス(東日本・北陸)」→「北陸フリーきっぷ」のパフォーマンス低下がいかに大きいかわかる。

「北陸フリーきっぷ」は北陸新幹線開業のプレミアムを最大限に意識したきっぷといえる。こういう場合、賢い人なら1年待って旅しただろう。が、昨年は秋から旅行ができない事態に陥ったこともあり、その分を取り戻そうとしたのが2回の「北陸フリーきっぷ」の旅だった。→賢くなかった。

この「北陸フリーきっぷ」のパターンが踏襲されれば、来年の北海道新幹線開業でも「大人の休日倶楽部パス(東日本・北海道)」がなくなり、会員限定「北海道フリーきっぷ」になるかもしれない。その際は賢く振る舞いたい。つまり1年待つつもりで「大人の休日倶楽部パス(東日本)」の旅に切り替える心づもりでいる。

ということで2016年にも「大人の休日倶楽部パス(東日本・北海道)」が存続すれば北海道旅行(スーパー宗谷に乗車)、「北海道フリーきっぷ」なら「大人の休日倶楽部パス(東日本)」で北東北の旅にしようと思っている。いずれにしても2016年度の「大人の休日倶楽部パス」は2月23日頃発表になる。

※コンビニの雑誌コーナーに「新幹線・特急乗り放題パスで楽しむ50歳からの鉄道旅行」があった。「50歳から」という文言でピントきたが、はたして「大人の休日倶楽部」の利用方法だった(7章以外は)。
新幹線・特急乗り放題パスで楽しむ50歳からの鉄道旅行 (だいわ文庫)