カテゴリ:
三重県伊勢「花野窯」前田和子と福島県会津「無一窯」鈴木幹雄・孫枝の染付磁器・色絵磁器による「青と白の器展」

会津「無一窯」(あいづ むいちがま)
 
 雪深い北会津の地で、築百年になろうかという古民家に住んで、白磁三昧・染付三昧の『ものづくり』に励む鈴木幹雄さんと鈴木孫枝さんの窯、会津「無一窯」の“青と白の器展”がぎゃらりー小川にて2008年8月18日から8月29日まで開かれています。
 この機会に鈴木さん御夫妻の人と作品をご紹介したいと思います。

 無一窯の仕事は幹雄が白磁・青白磁の器胎をつくり、孫枝が絵付けをもっぱらとする、夫婦分業・夫婦合作の器作りです。
 次に「無一窯」という窯名ですが、「本来無一物 ほんらい‐むいちもつ」を由来とします。本来無一物とは、何ものにも執着すべきものはなく、一切のものから自由自在になった心境を指す仏教語。お二人がゼロからのスタートであったこともありますが、白地に絵を付けるには、一切の雑念から離れた、無心の境地を理想としたからでもあります。事実、鈴木孫枝さんの絵には既成の描画法では決して描くことの出来無い、無垢の力があります。モティーフも実にバラエティー豊か。山野草もあれば、洋花・サボテンもあり、マンゴー・パイナップルといった果物から、果てはホッキ貝(!)まで描きます。そして、その絵は正にサプライズ。普通では思いもつかなかったような、視点と感性の存在に気付かされるのです。でもそれは、決して奇を衒ったものではありません。一所懸命に対象を見つめ、率直に、正直に描いた結果なのです。カメラが事実を語るのだとすれば、孫枝さんの絵は、孫枝さんにとっての対象の真実を見せてくれるのです。
 無一窯の器には、類稀な個性に出会う喜びがあります。

 尚、青と白の器展の記事はクラフト小川ぎゃらりー小川の公式サイトにも掲載中です。


【 作  品 】


会津「無一窯」 マンゴー変形皿 税込価格¥3,800
径14.5×高さ3cm


会津「無一窯」 フクシア&木イチゴ文八角鉢
税込価格¥12,000
25×24×高さ7cm


会津「無一窯」 ヒマワリ文染付皿 税込価格¥8,000
径23×高さ4.1cm


会津「無一窯」 色絵銀彩アワビ小皿
税込価格(1枚につき)¥2,000
9.7×6.8×高さ2cm


会津「無一窯」 石垣島のパイナップル文珈琲碗皿
税込価格¥6,000
カップ:11.2×8.3×高さ7.5cm
ソーサー:径14.5×高さ2.5cm


会津「無一窯」 コオニユリ文醤油差 税込価格¥6,000
9.5×7.5×高さ7cm


会津「無一窯」 ヒマワリ文湯呑 税込価格¥3,600
径9×高さ9cm


会津「無一窯」 ワイヤープランツ文飯碗 税込価格¥3.600
径12×高さ6.7cm


会津「無一窯」 ホッキ貝文蓋物 税込価格¥6,000
径10.5×高さ6.8cm


会津「無一窯」 ヒゴダイ文変形鉢 税込価格¥6,000
径16.5×高さ5.8cm




鈴木 幹雄 (すずき みきお) プロフィール

昭和24年 福島県三春町に生まれる
写真専門学校を卒業ののち東京にて通信社に勤務
沖縄を取材の折に壷屋焼に魅せられ読谷村に赴く
読谷村に滞在中であった浜田庄司(陶芸家 文化勲章受賞 昭和53年物故)の知遇を受けてその思想と作品に深い感銘を覚える
壷屋焼窯元にての陶芸修業を契機に30歳半ばにして陶芸家の道を志す
昭和58年 会津本郷町に移り住み会津本郷焼の陶匠 小松保男氏に師事
昭和60年 北会津村にて独立築窯
平成 4年 四人囃子の会(於 東京赤坂ぎゃらりー小川)
平成 5年 第一回 鈴木幹雄・孫枝ふたり展(於 東京赤坂ぎゃらりー小川)
以後各地にて個展・グループ展多数>


鈴木 孫枝 (すずき まごえ) プロフィール

昭和32年 沖縄県与那国島に生まれる
那覇工業高校デザイン科卒業
幹雄と結婚ののち志を同じくして陶磁器作りの道を歩み出す


★会津「無一窯」~現代陶芸家列伝★
バックナンバー vol.1 : 2006年8月



お問い合わせ、作品のご購入を御希望の方は お問い合わせフォームをご利用下さい。