2018年05月24日
二人の姉 5
ぼくははっきり言って奥手だったと思う。
精通現象のことも、それが実際に僕の身に起こるまで知らなかった。
病気になったのかと思った。
お姉さんはそれがどういうことなのか詳しく教えてくれた。
今度もぼくは、ぼくと先生がしたことがそんなにいけないことなのかどうか判らなかった。
お姉さんも、そういう人たちやそういう行為についてはあまりよく知らなかったみたいだけど、それでも詳しく教えてくれた。
ただ、お姉さんが知っていることは真実じゃなかった。
つまり、ぼくと加藤先生の間に何があったか、正確には知らなかった。
お姉さんは、そして、学校の先生たちも、ぼくは1回あの先生に悪戯されただけだと思っているけど、そうじゃない。
先生と関係を持ったのは、10回以上ある。
ぼくは先生に恋していたわけじゃないけど、嫌いじゃなかった。
嫌だったのは、日曜日に女装で街を歩いていたことを黙っていてやるから、って半ば脅されたみたいに関係を迫られたことだった。
でもぼくは、ぼくが先生のペニスを舐めてあげたり、体の中に受け入れてあげることを、どうしてかわからないけど、そんなに深刻に思っていなかった。
変なことだったとは思うけど。
それはぼくが女の子じゃないから、こんなことしても「純潔」を失うって言うほどのものじゃないと思ったからかも知れない。
ただ、初めて先生のペニスを受け入れたときはすごく痛かった。
涙が出た。でも、2回目はもう大丈夫で、それどころか先生に辱められているのにぼくのペニスも大きくなっていて、先生を受け入れながら射精してしまったりした。
保険資料室のベッドだけじゃなく、先生の家にも行って関係した。
もちろん誘われたからだけど。
「女の子の格好をして家においで」
と言われて、ぼくは仕方なく女装して先生の家に行った。
そして抱かれた。先生にそうやって関係を強いられるのは、やっぱりちょっと屈辱的だったけど、なぜだかぼくはそれで興奮していた。
すごく淫らな気持ちになっていた。
ああいうこと自体が嫌だったんじゃないと思う。
それに、男の人に抱かれるのは、女の子になるのには必要なのかな?
なんて思っていたりして、ぼくは結構あっけらかんとしていたんだ。
先生は、ぼくが先生に責められてイっちゃうのを見て、
「お前も良い気持ちなんだろう?」
って、言った。
そういうのはすごく嫌だった。でも、女装で街を歩くことが言いふらされるのはもっと嫌だった。
先生の口からそれが出ると言うことは、つまり学校で問題になるって言うことで、そんな風に事が表面化するのはもっと嫌だった。
でも、その行為自体は嫌いじゃなかったみたい。とっても複雑だ。
プールの更衣室で、先生に犯されてぼくが泣いていたのは、水をかけられたからだった。
寒いのに、女子の水着を着せられて頭から水をかけられて、おもちゃにされているみたいですごく惨めだった。でも先生が後ろから入ってきたとき、ぼくの体は反応していた。
それもまた惨めで、何かの感情が体の中で振動した感じで、涙が出て止まらなかった。
「先生、やめて、嫌、嫌」
って叫んだ。そこを、目撃されたんだよね。
問題が発覚して、その晩ぼくは先生の携帯に電話をした。
先生は、覚悟を決めていたみたいだった。
そこで、ぼくは提案した。
何もなかったことにしようって。
ぼくは先生からされたことを黙っているから、先生も何も話さないで。
ぼくは先生のことを恨んでないって言うから、先生もあれは1回だけの事だとだけ言って、って。
先生も、反省していたんだろう。
そうすると約束してくれて、実際そうしてくれた。
ぼくは、退学とかの処分を受けずに済んだ。
先生は、クビになってしまったけど、公式には自主的な退職ということになった。
つまり、学校は事を表面化させたくなかったので、ぼくにもおとなしくしているように求めてきたというわけ。
でもぼくは、男に対して性欲が湧いたりすることはないと思った。
というか、ぼくはもともと性欲が少ない方なんだと思う。
精通現象が起こるまで、「オナニー」と言うことも知らなかった
したことなんかもちろんなかった。
だいたい精通現象が起こったのが中学3年になるころだったんだから、男の子としての発育はとても遅かったんじゃないだろうか。
精通現象があった後、ぼくもオナニーをするようになった。
そして、ぼくがオナニーをしているとき思い浮かべるのは、「綺麗になったぼく自身」の姿だった。
いちばんいいのは、綺麗に女装して鏡にその自分の姿を映してするオナニーだ。
ぼくの小さなペニスが大きくなるのは、女の子になるとき、女の子の下着を身につけて、ストッキングを穿いて鏡を見るとき、ぼくのペニスはむくむくとしてくる。
ぼくはいったい何に対して性欲を感じているのか、良くわからなかった。
お姉さんにそう言うことまで(先生とのことは黙っていたけど)話すと、お姉さんは言った。
「女の子の下着を身につけて興奮するのは、やっぱり『女』っていうものがケイちゃんの性欲の対象だからだと思うよ。だからあなたはホモなんかじゃないの。ホモって言うのは、『男』に性欲を感じる人のことなんだもの。だから、あなたはホモになっても幸せにはならない。男なんかとあんなことしても、幸せじゃないのよ。」
ぼくは納得した。
そして、お姉さんは、自分の性体験まであからさまに話してくれた。
とってもオープンに。お姉さんは言った。
「わたしがケイちゃんのしたことを知ってて、ケイちゃんがわたしのしたこと知らないなんて、アンフェアじゃない!」
お姉さんはぼくのことをすごく思ってくれているんだとわかって、嬉しかった。ぼくはお姉さんの胸の中に飛び込んで言った。
「ぼく、お姉さん大好き」
そして、なんだか涙が出てきてしまった。お姉さんの胸で少しだけ泣いた。