November 15, 2009
スペル (ネタバレ全開映画日記)

満足度 ★★★★ スプラッター度 ★
ワケのわからん邦題をつけるのは、いい加減にやめてくれないか?
本作の原題は「DRAG ME TO HELL」、このままの方がよっぽど気が効いている。あのエンディングで画面がフェイドアウトして、タイトルがバーン!!と現れた時、このタイトルがいかにピッタリだったかを観客は知るのだ。あそこで邦題が現れても、「だから何?」という感じになってしまうだろう。
ホラーのエンディングは、救いようのないほどよろしい。その意味では、本作のエンディングは満足のゆくものだった。ソフトランディングすると見せかけて、突然ジェットコースター状態に突入し、口あんぐりのままエンドクレジット、ホラーはこうでなくっちゃあいけません。
満足度評価は、ほとんどエンディングに対してのもの。実を言うと、途中はあんまりパッとしなかった。やたらに大きな音で驚かせるという、古典的な手法には新鮮味がないし、ストーリーの核となる部分をCGに頼るというのは、あまりに安直過ぎて好きではない。
ホラーは極力実写で、というのが基本中の基本だと思うのだ。映画も所詮は「虚」の世界であるが、CGを多用すると本当にペラペラの嘘になってしまう。同じ嘘でもありそうな嘘をついてほしいと思うのは、わがままだろうか?
ヒロインを演じるアリソン・ローマンは、どことなくキルステン・ダンストに似た雰囲気。サム・ライミ監督は、こういうタイプが好みなのかもしれない。ゲロを吐かれたり、ウジ虫の雨を浴びたり、泥水に沈められたりと、体を張った熱演は、観ていて気の毒になるほど。よく頑張った大賞を進呈したい。
アリソンは、一見平凡そうに見えて、実は非常に印象に残る女優だ。「マッチスティック・メン」では、実年齢は22歳なのに14歳になりきり、見事なまでの女詐欺師ぶりを演じてくれたし、「悲しみが乾くまで」では、出番こそ少なかったものの、物語の重要なターニング・ポイントを支える大きな役割を果たしてくれた。彼女をヒロインに起用したのは正解だろう。
それに比べて、ヒロインを支える恋人役のジャスティン・ロングは、コメディアン出身だから仕方ないとはいえ、シリアス感に欠けていて、どうして彼がこのキャストに?という疑問を抱かざるを得なかった。「ジーパーズ・クリーパーズ」でのおバカな弟のイメージがなかなか払拭できなかったせいかもしれない。
大雑把さがウリのアメリカン・ホラーだから、ツッコミどころは多い。
(女性一人で墓が掘り起こせるのか?とか、○○と××を間違えるか?穴が開いてるからわかるだろ、とか・・・)
しかし、終わりよければすべて良し、いさぎよいまでのバッド・エンドに、すがすがしい気持ちで劇場を後にした。
November 10, 2009
SAW6 (ネタバレ全開映画日記)
満足度 ★★☆ スプラッター度 ★★★☆
11月に入ってから、ずっと祭りをしていた。山崎秋のパン祭りではない。秋のSAW祭りだ。来たるべき「SAW6」解禁に備えて、「1」から「5」までを毎晩1話ずつ復習していたのだ。こうして、万全の体制で上映日を迎えた。
先週観た[●REC]2のペラペラなパンフレットとは違って、こちらのパンフレットは内容充実、表紙にも細工がしてある。「6」のサークルの部分に座らされた6人の男女がグルグル回せる仕掛けだ。
これを見て真っ先に思い浮かべたのは、レッド・ツェッペリンのサード・アルバム。ジャケットに何個か窓が開けてあり、中の円盤を回すと絵柄が変わるようになっていた。
公開2日目、土曜日の午後だというのに、観客はたったの18人。全国展開しているシネコンチェーンだからこそ、こんな寂しい状況でも成り立っているわけで、これが個人の会社だったら、とっくに潰れているに違いない。我々客にとっては、空いてて嬉しいのだが、日本の映画界の将来を考えると暗い気持ちになってしまう。
上映5分前になって、前列にチャラ男が3人座ってきた。せっかくの週末に若いモンが男3人でホラー観るしかないらしい。映画が好きで来てるんじゃないことは態度を見ればわかる。他に行く所がなかったのなら、せめて静かにしといてくれ、と祈っていたが、イヤな予感は的中した。
席に着くなり、真ん中のヒョロ男が開口一番「これ、字幕?」だと。飲んでたコーラを吹きそうになった。この期におよんでそんなこと訊くか? ココリコ田中がジグソーの吹き替えしてるとでも思ったのか?(そりゃ、ファイナル・デッドサーキットだよ!)
ともかく、今回は劣悪な環境のもとでの鑑賞となった。
話には聞いていたが、本編が始まる前に「SAW集編」と名付けられたダイジェストが流れる。しかし、あまりにストーリーを端折りすぎてて、かえって混乱してしまいそうだ。はっきり言ってありがた迷惑。やっぱり事前に各自で復習しておくべきだと思う。
前回に引き続き今回も「ホラー史上最もオーラのない主役」ホフマンに付き合わなくてはならない。現役を退いて締まりのない体になったメキシコのサッカー選手みたいな冴えないキャラの彼を、早く主役の座から降ろして欲しいと願いながら観ていたが、やっとその時が来そうな展開になったので、溜飲の下がる思いがした。
次回からはジルが主役なのだ。ジル萌え〜の私には、この上なく嬉しい展開だ。彼女の、どことなく昭和の香りを感じさせるところに惹かれる。今年亡くなったファラ・フォーセットに雰囲気が似てるしね。
最初はノコギリ2本、チェーン2本で始まったこのシリーズも、回を重ねるごとにゲームの仕掛けがどんどん巨大化して、今回はほとんど現実離れしたものになってしまった。「人間ロシアン・ルーレット」とか「バック・ドラフトの撮影セットもどき」なんて、「ホラー界のノッポさん」ことジグソーが亡くなってしまった今、誰がこんな大掛かりな仕掛けを作れるというのか? 現役警官が日曜大工でやれるレベルではないぞ。
だいいち、これほど大勢の人間を拉致って来るだけでも大変だろう。それに、いい加減被検者がネタ切れになりゃしないか?ジグソーと生前に関わっていて生きていることに感謝していない人、という条件を満たす人が、そんなにたくさん居るはずがない。ストーリー的にもう手詰まりだってことを早く認めたらどうか?
にもかかわらず、製作側はまだやる気満々で、次回作「7」から3Dにするらしい。3Dにしたら字幕を入れづらいから、吹き替えになるという恐ろしい噂もある。3Dは構わないが、吹き替えだけはやめてくれ! 百歩譲って吹き替えを受け入れるとしても、ジグソーの声はせめて三国連太郎にしてくれ!
さらに言うと、すでに「9」まで作ることも決まっているらしい。
釣りバカ日誌か! (三国連太郎つながり)
「SAW6」というより、「SAW3〜5ビギニング」というタイトルの方がよかったんじゃないかな? 期待していた分、かなり萎えた。
November 03, 2009
[●REC]2 (ネタバレ全開映画日記)
満足度 ★★★★☆ スプラッター度★★★
Angelaに早く逢いたい、という気持ちを抑えきれなかった。
彼女のフルネームはAngela Vidal、スペイン人なので「アンヘラ」と読む。昨年公開され大いに楽しませてくれたスパニッシュ・ホラームービー[●REC]のヒロインだ。待ちに待ったその続編がとうとう日本にもやってきた。
と喜んだのも束の間、中四国では上映予定なし、という悲しい現実に思いっきり凹まされる。DVDが出るまで待つか、なんて悠長なことは言ってられない。どこか近県で最も早く上映する施設はないか調べてみると、尼崎のMOVIXが見つかった。岡山から尼崎まで150km、映画一本観るためにドライブするのも悪くはない距離だ。
カーナビの目的地を尼崎に設定したら、「目的地の周辺では車上狙いや空き巣が多発しております。充分ご注意ください。」とアナウンスされた。すごいぞ尼崎!カーナビにそこまでアナウンスさせるか。しかも、市外局番「06」だし。兵庫県ちゃうんか?どないやねん?
「あの惨劇の続きを観る勇気があるか」って?
もちろんありますとも! 観る気満々ですぜ!
録画マークがゾンビの赤眼になってる。グッジョブ!
日曜日の午後だというのに観客は30人余り。半数はカップルなんだけど、これカップルで観に行く映画か?オジサンには理解できない。もしかしたら男の方に何か下心があるのかもしれないと思ったりもしたが、連れの女性で悲鳴あげたり顔を隠したりしている人は一人も居らず、上映終了して客電が灯いた時もお互い満足そうに顔を見合わせたりしていたので、おそらくホラー/スプラッター好きのカップルだったのだろうと思う。だとすれば、ホラー界の将来は少しだけ明るい。
物語は前回のエンディング場面から始まる。そうそう、アンヘラがあの化け物に引きずられてブラックアウトで終わったよな〜、と前回の恐怖を呼び起こしてくれる。彼女はあのままゾンビ化してしまったのか?それとも無事に生き延びているのか?ゾンビ化した醜いアンヘラなんて本当は見たくない、それでもやっぱり観てみたい、とワクワクしながら彼女の登場を待った。
今回もP.O.V.(point of view)、つまり当事者目線撮影なので、臨場感たっぷりに楽しめた。前回はテレビカメラ1台のみという状況だったので制限があったが、今回はSWAT隊員4人のそれぞれのヘルメットカメラに加えて、興味本位で下水道からアパートに忍び込む若者のビデオカメラの映像も差し挟まれるので、観ている者を飽きさせない工夫も出来ていた。
後半もかなり遅くなってから、やっとアンヘラが登場。おお〜!醜くはないぞ!思わず拍手したくなるのを必死にこらえた。ほどなく、前作で彼女を最後まで守り、力尽きてゾンビ化してしまった消防士のマヌーも登場。久しぶりだなマヌー、元気だったか?・・・なわけないか、ゾンビだし。
遠路ドライブした甲斐があり、満足のゆく出来だったと思う。ただ、途中から「エクソシスト」みたいになってしまったのは残念だった。悪魔による憑依が原因なら、少女の血液を命懸けで探しに行ったSWAT隊員は、まるっきり浮かばれませんぜ。
ま、いいか、アンヘラに逢えたんだし。
あのエンディングなら、来年また続編を作る気満々だ。そうか、次回は悪魔が野に放たれるわけだ。P.O.V.で撮っただけの「28週後」みたいにならないことを祈りたい。まあ、どう転んでもアンヘラが主役なのは間違いないから許すけど。
■■
実は1年前から独学でスペイン語を勉強していて、この映画でヒアリング能力を試してみたが、あまりに早すぎてほとんど聞き取れなかった(恥)。それでも、ところどころわかる単語が出てくるだけでも結構楽しめた。たとえば…
¡Vamos!
アパートに突入したSWAT隊員のチーフが頻繁に使う。「行くぞ!」、「始めよう!」、「やれ!」、何でもこれ。
英語の"Let's 〜"に相当する便利なフレーズ。
ホンダのバンの名前はこれに由来するらしい。
¿Qué es esto?
下水道からアパートに忍び込んだ女の子が現場を見て、「何なの、これは!」と何度も叫ぶ。早口なので、「ケッセースト!」に聞こえるが、おそらくこう言っていたはずだ。英語の"What is this?"と同じ。
¡Sangre!
現場責任者の神父に課せられた任務は、事件の発端となった少女の血液サンプルを持ち帰ることだった。だから、エンディングで"Sangre! Sangre!"(血を!血を!)と歌われている。
ちなみに、アンジェラ・アキの「アキ」をスペイン語表記すると、"Aquí"となって、「ここに」という意味になる。つまり、「アンヘラ、ここに。」
October 26, 2009
湖のほとりで (ネタバレ全開映画日記)
満足度 ★★★★
イタリア映画を観るのは久しぶりだ。この映画は、何が何でも劇場で観なければと思っていた。午前中の仕事を終え、昼食抜きでシネマクレール丸の内に飛び込んだ。
シネマクレールというのは、岡山にあるミニシアターで、シネコンが見向きもしないような地味な作品を密かに上映してくれる、岡山映画界の良心、いわばホテル・ルワンダのような存在だ。
(ちなみに、来月封切られる「あの日、欲望の大地で」も、当地のシネコンでは上映されず、シネマクレールのみでの上映となっている。地方都市のシネコンほど存在価値の無いものはない。)
湖のほとりにある北イタリアの静かな村。誰からも慕われていた美しい娘アンナが、ある日湖畔で死体となって発見される。
イントロダクションは、「ツインピークス」を想起させる。
1990年代初頭、「世界で最も美しい死体」というキャッチコピーで一世を風靡したローラ・パーマーの物語だ。
しかし、今回の犠牲者アンナの死体は、ローラよりももっと美しい。まるで眠っているかのように湖畔を向いて横たわり、苦しんだ様子は全くなく、むしろ死を受け入れて安堵したような表情を見せている。
その様子から、顔見知りの、しかもアンナと愛し合っていた者の犯行ではないかという疑いのもと、町から初老の警部が捜査責任者として送られてくる。
物語は警部の視点で静かに進行する。印象的なのは、この警部がラストシーンまで笑顔を見せないことだ。もちろん、事件を解決しなくてはならないという責務からでもあるが、自身も「とても笑ってられない重大な悩み」を抱えているのだ。
彼の奥さんは若年性認知症で入院している。治る見込みはなく、健忘症状はかなり進行していて、娘の居ることさえ忘れてしまっている。娘を悲しませたくないので、少しずつ良くなってるよ、という見え透いた嘘でごまかしているが、娘はとっくに察知していて、それで父娘の関係もギクシャクしている。(なぜ娘が母親を病院に見に行かないのかという疑問はあるが、そこは眼をつぶっておこう)
湖の向こうにアルプスの山々を抱いた村の情景はとても美しい。そして、その美しさを損なわせない、抑制をきかせた演出が、とても素晴らしいと思った。
大袈裟に泣き叫ばなくても哀しみは伝わるし、大声で怒鳴らなくても怒りは表現できるのだ。
そしてもうひとつ、セリフに無駄がなく、ウィットが効いているところも特筆すべき点だろう。
たとえば、女性検事との会話はこんな風だ。
「警部さん、奥さんはいらっしゃって?」
「いますよ。」 (別居してるけど)
「きれいな方?」
「まあね。」 (認知症だけど)
「そんなに頑固で、よく結婚できましたね。」
「昔はそんなじゃなかったんだ。」
事件が解決した時、警部は娘さんを病院に連れて行き、お母さんの現実を見せる。病状はさらに進行し、もはや娘どころか夫が居たことすら忘れてしまっていて、入院患者の男性と仲睦まじく寄り添いながら歩いている。その姿を見て、二人はむしろ安堵の表情を見せる。家族である自分たちを忘れてしまったのは哀しいけれど、愛する男性が見つかって今が幸せならばそれでいい、そんなところだろうか?
家族とは喜びだけでなく哀しみも共有してくれる存在である、ということに気付いた警部は、このラストシーンで初めて笑顔を見せるのだ。
きわめて地味だが、味わい深い名作だった。
October 20, 2009
No puedo mas.
全国53公演という長い長いANSWERツアーが終わって、はや1ヶ月以上が過ぎ、ファンの関心は年末の武道館ライブへと移っていることだろう。
私は武道館ライブには何の関心もないので、遅ればせながらANSWERツアーについて感じたことをまとめてみた。
今回のツアー、6公演分のチケットをおさえていたが、都合により岡山と広島の2公演だけしか行けなかった。これまでならば、心満たされない気持ちでやりきれなくなっていたはずだが、なぜか今回は、「もういいや、2回で満腹。」という気持ちになった。
ひとつひとつのパフォーマンスには何の不満もなかった。むしろ、プロのパフォーマーとして余裕すら出てきたアンジェラの熱演を目の当たりにして、心から喜ばしく思った。なのに、ライブが終わって家路に着きながら、「なんか違うなぁ…」というわだかまりを消すことができなかった。
先週、知人から蕎麦粉をいただいたので、久しぶりに自宅で蕎麦を打ってみた。蕎麦打ちは座禅にも通ずるところがあって、作業の途中で邪念が入ると、同じ材料を使っていても同じものができるとは限らない。だから、一切の邪念を捨てて無心で蕎麦を打つのは、心のもやもやを解消するのにとてもいいのだ。
できあがった蕎麦を食べながら、ふとアンジェラのライブのことを思った。ライブと蕎麦打ちとは似ているなと。
蕎麦は通常、2割程度の「つなぎ」を混ぜて打つ。もちろん蕎麦粉10割でも打てないことはないが、つなぎ粉がないと、パサパサして非常に打ちにくいし、茹で上がった後の食感もあまり良くないからである。この蕎麦粉とつなぎ粉との関係がライブに似ていると思ったのだ。
つまり、ひとつひとつのパフォーマンスが蕎麦粉で、合間のトークがつなぎ粉なのではないかと。いくら良い蕎麦粉を使っていても、つなぎの量が多すぎたり、加水量を間違えたりすると、できあがった蕎麦はとんでもないものになる。美味い蕎麦は、つなぎが適量で、角が立っているのだ。(蕎麦粉を)挽きたて、(蕎麦を)打ちたて、茹でたて、つまり「三たて」が美味い蕎麦の三要素と言われている。
で、今回のツアーを蕎麦にたとえると…
蕎麦粉は素晴らしかったが、つなぎが多過ぎ、茹で過ぎで、風味は良いが食感がイマイチという、残念な蕎麦だった。せっかくの良い材料を調理の過程で台無しにしてしまったと言わざるを得ない。
美味い蕎麦なら毎日でも食べられるが、つなぎの多すぎる蕎麦は、食べるとおなかの中で膨れてしまって、すぐに満腹になってしまう。今回のツアーが2回だけで満腹になったのは、それが原因だと思う。
アンジェラが喋り好きなのは充分わかっている。デビュー直後のライブでも、「あんたはステージで喋り過ぎ!ってよく怒られる。」と言っていたから、彼女自身もそれが問題なのは自覚しているはずだ。当時、そういう愛ある忠告をしていたと思われるあの方と袂を分かってしまった今、ブレーキをかける役割の人は居なくなってしまったようだ。
彼女が今のままでいいと思っているのなら、こう訊いてみたい。
サラ・マクラクランが客席に居ても、
同じ様なライブをするのかい? と。
今年は土曜日になったから、年末の武道館ライブに行けなくはないが、わざわざ出かけなくても、あとでDVDをMCとばしながら鑑賞すれば充分だ。今はそんな気持ちになっている。 ■■
ところで、4thアルバムはどうなるんだろう?
西川 進先生に復活願って、いっそロック色の強いアルバムなんてどうかな?70年代ロックのカバーなど散りばめると、なおよろしいが。そして、ジャケットはこんな風に・・・
タイトルはスペイン語。レストランでウェイターに、「何かまだ召し上がりますか?」と訊かれた際、「いや、もうけっこうです。」と答える時に用いるフレーズだ。
No puedo → I can't
más → more の意味。
September 09, 2009
Room 1408
先週末は東京JAZZ2009でメロディ・ガルドーを聴くはずだったのに、急な用事で行けなくなってしまった。悔しいから、これまで見逃していた映画のDVDをレンタルしてきて、立て続けに観てやった。
「1408号室」、「ダーク・ウォーター」、「28週後」、「ドリームキャッチャー」、「ホステル2」、「ミラーズ」のホラー6本立て。せっかくなので、極私的レビューを。
基本ネタバレです! 観てない方は注意!
1408号室
スティーヴン・キング原作でホテルが舞台といえば、「シャイニング」を思い起こさずにはいられない。「シャイニング」は豪雪に閉ざされてしまう山の上のホテルだったが、今度はニューヨークのど真ん中にある少しくたびれたホテルが舞台。
「1時間以上もったヤツは居ないから、泊まるのはやめておけ。」という支配人の忠告を無視して、その呪われた部屋に泊まる三流作家の男が主人公。根がヘタレなこの男は、部屋に住む邪悪なものからの波状攻撃を受け、意外に早くギブアップ。しかし、「わかった、出て行くから。」と言った時は既に遅く、出たくても出られなくなっているという仕掛けだ。
主演であるジョン・キューザックの熱演は認めるが、この人ホラーには向かないなあ、というのが正直な感想だ。基本的に「コメディ顔」なので、情けなさは伝わってくるけど、怖さが全然伝わってこない。これはミスキャストだと思うけどなあ。
「アイデンティティ」も、あの顔のおかげで全然怖くなかったもの。
部屋のデジタル時計が突然60分タイマーに変貌するあたりは、なかなか上手い演出だ。ただし、ちょっと「SAW」シリーズみたいになってしまった感は否めない。もちろん、ナルト模様の頬っぺした腹話術人形は出て来ないんだけど。
そして、このデジタル時計から突如大音量で聞こえてくるカーペンターズの曲、これには結構ビビらされた。なにせ、唄ってるカレンは、拒食症でガイコツのように痩せ細り、もうあの世に逝ってらっしゃるんだから。しかも、曲のタイトルが『We've Only Just Begun』で、「ふふ・・・ ゲームはまだ始まったばかりよ。覚悟はよくって?」と言っているように聞こえる。
しかしまあ、『Old Fashioned Love Song』と双璧をなすポール・ウィリアムズの美メロソングをこんなところで使うなんて、なんとも迷惑なことをしてくれたもんだ。今度からこの曲を聴くたびに、あのシーンを思い浮かべてしまうじゃないか。
部屋からの攻撃は、どんどんパワーアップしてゆき、雪が降ったり嵐の海になったり。
あのな・・・ こりゃ 「ジュマンジ」 か!
途中、まさかの夢オチ?があり、かなり萎える。いちおう、もう少し話は続くが、不完全燃焼なままのエンディングだった。最後にまた奥さんが部屋の壁を壊し… を期待したのに。
ダーク・ウォーター
ジャパニーズ・ホラーのリメイク。ジェニファー・コネリー主演ということでセレクトしたが、本当の主演は「黒い水」かもしれない。奇をてらったコケ脅しや、ありがちなグロ描写は一切なく、ストーリーをきちっと丁寧に描いており、きわめて質の高い作品になっている。
監督が「モーターサイクル・ダイアリーズ」のウォルター・サレスとわかって納得。全編に流れる格調高い音楽も、アンジェロ・バダラメンティとわかって、さらに納得。「ツインピークス」を髣髴とさせるダークな雰囲気をうまく出している。
怪しいビルの管理人を演じていた人が、「ユージュアル・サスペクツ」のコバヤシ弁護士だったのは笑えた。
28週後
前作「28日後」の続編で、感染すると人間を瞬時にして凶暴に変えてしまうレイジ(RAGE)ウィルスによりイギリスが滅んでしまい、アメリカ軍を主体としたNATO軍の管理下に置かれているという設定。
ウェンブリー・スタジアムが草ボウボウになっているところなど、けっこうディーテイルに凝っているところは好感が持てる。しかし、NATO軍が実にいい加減な仕事ぶりで、ある一家の身勝手な行動を見過ごしてしまい、せっかく沈静化しはじめていた感染を再び拡大させてしまうところなど、あまりにもあり得ない話の連続で、こりゃもしかしたらアメリカ軍を笑いものにしたかっただけじゃないのかなって思ってしまった。
人類を救うため自らすすんで犠牲になった人々は、徹底的に報われない。このフラストレーション溜まりまくりのストーリ展開にもウンザリする。
さらに、いずれ続編を作るよっていう魂胆がアリアリのエンディング。案の定、2年後に「28ヶ月後」という続編が公開されるらしい。じゃ、そのまた次は「28年後」なんだな? たのむからもうそれで終わりにしてくれ。
とまあ、どうしようもなくトホホな映画だったが、たった4人で世界を滅ぼす(ある意味すごいな)迷惑な一家の長女を演じている、イモジェン・プーツという女優さんの妖艶な美しさだけが光っていた。彼女、これからが楽しみだ。
ドリームキャッチャー
スティーヴン・キング原作、ローレンス・カスダン監督作品ということで、かなり期待して観たが、思いっきり萎えてしまった。カスダンさん、これ本気でつくったの?タイトルに何の意味があったの?モーガン・フリーマンさん、こんなヒドい役を演ってしまって、これまでのキャリアを失ってしまわないの?など、いろいろ心配になるほど。
なんかもう、これまでのキング作品をごちゃ混ぜにして(「シャイニング」、「スタンド・バイ・ミー」、「グリーンマイル」、「IT」)、マニアならわかるだろ?みたいな、投げやりな作品だった。安っぽいCGと子供だましのクリーチャーは、もう勘弁してくださいな。
ただ、「SAW」シリーズの熱血漢、マシュー刑事が意外な役で出ていたのだけが面白かった。エンドクレジットを見るまで気が付かなくて、ふと名前を見つけた時はかなり驚いた。
ホステル2
東欧のどこかに、金さえ払えば殺人をゲームとして楽しむことができるという殺人クラブがあって、ヒッチハイクの若者が餌食になる、というホラーの続編。
前半エロ、後半グロという、ある意味スプラッター・ホラーの王道を踏まえていた前作に比べ、今回はエロ少なめ、グロ多めの好ましい構成。しかし、やたら説明じみたシーンが多く、殺人クラブの全容が明らかにされ過ぎて、ちょっと興覚めだった。ああいうものは秘密のままにしておいた方が、より恐怖を煽ってくれるんじゃないの?
「当エリート・ハンティング・クラブは、全世界にネットワークがございまして、「獲物」が入荷いたしますとすぐにお手持ちの端末にアップされ、世界中どこにいらっしゃってもお気軽に入札できます。」
みたいにいちいち説明いらん! 惚れてまうやろ〜!
ミラーズ
今度はコリアン・ホラーのリメイクらしい。「ハイテンション」で、フランスにも良質のスプラッター・ホラーがあることを証明してくれた、アレクサンドル・アジャ監督の作品なので、期待度はかなり高かった。
「ダーク・ウォーター」の原作が日本人で監督がブラジル人、この作品の原作が韓国人で監督がフランス人、どうもハリウッドは相当行き詰っているらしい。
ま、それはいいとして、主演がキーファー・サザーランドっていう時点で失敗してない? 最初はくたびれた中年オヤジだったのに、鏡の悪魔に気付いた途端、ジャック・バウアーに豹変。悪魔から逃れて静かに余生を送っている老婆を銃で脅し、自分の家族と引き換えに犠牲にするという、ブーイング必至な展開。好感度↓↓は避けられませんぞ。その代償かどうか、最後は大バチがあたるんだけど、このあざといエンディングもちょっと引っかかる。
「バタフライ・エフェクト」でいろんな人生を演じ分けていたエイミー・スマートが、顎アイ〜ンの悲惨な死に方をするが、これも「SAW」でアマンダに仕掛けられていたトラップのパクリっぽくて、アジャ監督の好感度↓↓も避けられませぬ。ハリウッドとは距離を置いた方がいいんじゃない?
August 04, 2009
Angela Aki Concert Tour 2009 ANSWER ( Hiroshima, July 26th. )
一夜明け、前日のアンジー岡山公演の興奮も冷めやらぬまま、私と東京のM-Bさん、京都のMさんは、名古屋のN.K.さんの車に同乗させてもらい、一路広島を目指した。
年齢も性別も職業も居住地もまったく異なる4人が、アンジーという鍵(key)で繋がって、Final Destinationに向かっている。アンジーが居なければ、おそらく出会うことなどなかっただろうと思うと、この不思議な縁に感謝せずにはいられなかった。
昨晩のオフ会に続き、車中ではアンジーの話題で大いに盛り上がる。と言っても、その時聴いていたのはDuffyなんですけどね(苦笑)
皆それぞれにアンジーに対する熱い想いがあり、彼女の「音楽」の良き理解者であることが再確認できて、実に有意義な時間だった。
出発時はまだ小雨であったのに、車中の音楽がBen Foldsになった頃から雨足が強くなってきた。そして、高速道路を降りた途端、バケツをひっくり返したようなドシャ降りになってしまった。私以外の3人は武道館公演を経験している。彼らが口を揃えて言うに、「最初の武道館公演を思い出した。」と。やはりまだアンジーの雨女伝説は健在であったようだ。
インターチェンジで地元広島のYさんと落ち合い、ひとまず名物のお好み焼きを食べに行く。Yさんの車に先導され、車一台がやっと通れるような超狭い路地に案内される。どう見ても店などなさそうな住宅街の中にその店はあった。
良く磨きこまれた鉄板の後ろには、奥田民生のサイン入りポスターとともに、先ごろ麻生首相に造反したN川元幹事長と店主が一緒に写っている写真も貼ってある。えっとディープな店ぢゃの。
牛玉そばダブルをオーダー。
イカ天を追加するのを忘れてしまったのが悔やまれる。
店を出ると、いつの間にか車中の音楽はアンジーに換わっていた。依然として外は大雨。予定の市内観光は中止して、ライブ会場である厚生年金会館のカフェでお茶しながら、まったり開演時間を待つことになった。
カフェで使われているコースターを見て、全員が驚嘆の声を上げた。
このキャラって、あのコーナーのアレじゃないか。楽屋でも気付いて騒ぎになっていたに違いない。
雨が小止みになった時を逃さず、楽屋口のツアートラックを見に行く。表と裏とで違う画になっている。


広島厚生年金会館は、見るからに音のよさそうなホール。実際、ライブが始まると、それが間違いじゃないことが確認できた。
開演前から、手拍子したり、「アンジー!」と呼びかけたり、かなりテンションの高い広島のファンたち。個人的には、開演前に騒ぐのは好きじゃないが、結果的には、これがアンジーに火を付けたようだ。この夜の彼女は1曲目から異常なテンションで、そのまま終演まで神がかり的なパフォーマンスを観せてくれた。「今日のライブは、このツアーで3本の指に入るくらい素晴らしいライブだった。」と語ったのは、決して社交辞令ではなかったと思う。
それだけに、前日の岡山とセットリストもMCも、まったく一緒だったというのが、もったいないような気がした。もちろん、同じ曲でも出来の良し悪しがあるから、セットリストが同じでも楽しめないことはないが、「今日はコンディションがいいから、普段は演らない曲を演ってみようか!」みたいな、ライブならではのノリがあってもよかったのではないかと思う。
■■
岡山公演との違いを箇条書きにしてみると・・・
1)広島の方が「ダリア」で泣いている人が多かった。
これは、広島の人が涙もろいということではなくて、それだけアンジーのパフォーマンスが情感のこもった素晴らしいものだったということだ。
2)Perfumeネタが、岡山より一言だけ長かった。
もう少しふくらませてもよかったのになあ。たとえば、沖山さんがヴォコーダーで「ポリリズム」のサワリを演るとか。
3)場違いな人が一人居た。
アンジーが、「厚生年金会館で演奏するのは2回目?、いや3回目だったかな?」と、フロアに向かって訊いた時、「2回目!」と答えていた男のTシャツの背中には、大きく「VAN HALEN」の文字が。
おにいさん、そりゃないだろ。
4)沖山さんの眼鏡は、かつて仕事で広島を訪れた時に、商店街の眼鏡店で買ったということがわかった。
5)沖山さんは、これまで何度も広島を訪れているのに、まだ一度も宮島に行ったことがないということもわかった。
これについては、アンジーが、「え〜!信じられない。私なんか、もう10回以上行ってるのに。」と突っ込んでいた。
6)関西弁では、「大きい」が「おっきい」となり(”お”にアクセント)、沖山さんのニックネームと同じになることがわかった。
フロアからは以上で〜す。
July 27, 2009
Angela Aki Concert Tour 2009 ANSWER ( Okayama, July 25th. )
昨年10月のFCライブ以来、実に9ヶ月ぶりとなるアンジーのライブだった。ツアーが始まってもう3ヶ月以上にもなろうかというのに、訳あって今まで参加できずにいたのだ。
彼女にとっても久しぶりとなる、第二のふるさとでのライブ、何としても行かなくてはならなかった。
そんな私と気持ちを同じくする同志たちが、東京から、名古屋から、京都から、神戸から、そして徳島から、続々と集結してくれるのが嬉しかった。
実は、前回の岡山でのライブ、某ビッグネームと日程がカブッてしまい、ショボいホールで演らなくてはならなかったので、次こそは音の良いシンフォニーホールで、というのは悲願だった。
その思いがやっと叶ったこの日、ホールを前にして鼓動が高鳴るのを抑えきれなかった。
アンジーも同じ気持ちであったに違いない。
ステージ上にはアーチ型のライティング・セットが組まれている。
それを見て、思わずRAINBOWの電飾を連想してしまったのは、私だけではあるまい。
これまでのアンジーのライブに比べ、オーディエンスの年齢層がググッと下がり、小学生や幼児の比率多し。ピアノ教室の発表会か?と、心の中で突っ込みを入れる。
(すみませんね、ピュアなハートを失ってて・・・)
Black Glasses をイントロダクションとしてメンバーが登場。
たしかに
すぐに場内はオールスタンディングに。これはもうお約束かな。
Knockin' On Heaven's Door
沖山さんと村石さんのコーラスが素晴らしい!
アンジーもこの唄を完全に自分のものにしており、ディランのテイストなど微塵も感じられなくなっているのは見事だ。
CDはほとんど聴かないが、これはまったく別物と言っていい。
Final Destination
このドライブ感がたまらない。
またまたコーラス隊がいい仕事をしてくれている。
HOME
ここで唐突にこの曲。ほんとに唐突過ぎて、声を上げそうになった。
パフォーマンスそのものは秀逸で、これまで何度となく聴いてきた、どの「HOME」よりもグレードアップしていたのに、流れとしてしっくりこなかったなあ、というのが正直な感想。
心地良過ぎたのか、まわりの子供たち、ここで何人か寝てしまう。
アンジーが登場してすぐ、お約束として、「私のライブ、今日が初めての人?」とオーディエンスに訊ねる。この日は初見の人が半分くらいいて、アンジーのふるさとなのにそんなに?と、私はかなり落胆したのだが、ライブ後のオフ会で皆が言うには、他の会場では7割〜8割の人が初見らしく、岡山はまだ少ない方だと。
それを聞いて少し溜飲を下げたが、いずれにしてもまだまだアンジーのライブに初めて足を運ぶ人はたくさん居るわけで、「HOME」をここで演るのは、そういう人たちに対する名刺替わりなんだろう、そう思うことにした。
Hey Jude
恒例のあのコーナー、今回はこの曲がテーマだ。
アンジーが絶対にやめる気はないと言うから、あのコーナーのことを否定するつもりはないけど、尺が長過ぎると、それまでのパフォーマンスの余韻が薄れてしまうし、子供たちも置いていかれてむずかり始めていたので、もちっと尺を短くお願いしますね、次からは。
Again
前のコーナーでやや沈滞した空気を一気に吹き飛ばしてくれる爽やかなナンバー。
・・・なんて、大貫憲章みたいなことを言ってみたりして。
黄昏
ステージ上にアップライトベースが置いてあればこの曲、なければ「リフレクション」ということのようだ。今回は入場してすぐにアップライトベースが見えたので、アンジーには悪いが、内心ホッとしていた。オーディエンスが夏休み仕様だったので、「リフレクション」の方が盛り上がるだろうが、やはりここは「黄昏」でなきゃダメだ(きっぱり)。
レクイエム
曲に入る前の、「いつの日が人生最後の日になるかわからないから・・・」というアンジーの言葉が、ズシッと胸に突き刺さる。
パフォーマンスは、もう「すごい」なんていう陳腐な言葉では表現できないくらいのスケール。アンジーにしか創れない世界、演奏者も観客も一緒にトランス状態に陥ってしまう。これほどのパフォーマンスを観せられるミュージシャンが、我が国に何人いるだろう?
今回アンジーのライブに来てくれた人たちにお願いしたい。感想を訊かれたら、「トークが面白かった」とか、「見た目と中身のギャップが大きくて驚いた」とか、そんなどうでもいいことは伝えなくていいから、「レクイエムって曲、絶対にライブで聴いてみて。」と答えてほしい。
Rain
嵐が過ぎ去り、しとしと雨に変わって、空から一筋の光明が差し込んできたような、そんな感じにさせてくれる、最適の選曲だった。
ダリア
「Rain」と同じ、アンジー自身が体験した哀しい恋愛体験に基づいた唄である、という前振りの段階で、すでに何人もがハンカチで眼を押さえている。そして、唄いはじめると、あちこちですすり泣きが聞こえるようになった。せつない歌詞を情感たっぷりに唄い上げるアンジー。唄い終わった後も、うつむいて手で顔を覆ったまま動こうとしない。泣いていたのだ。
レクイエム〜Rain〜ダリアの3曲が今回のハイライトだろう。
この3曲だけでも、ライブに足を運んだ価値は充分にあった。
サクラ色
ワシントンD.C.時代の辛い思い出を時間が解決してくれて、やっと過去と冷静に向き合えるようになった今の自分がある、という意味でこの位置にセットされたのだろう。この曲が入るとしたら、ここしかない。
しかし、タイアップとは恐ろしいもので、この曲を聴いても、私は小学校の入学式しか眼に浮かばない。武道館に一度も行けていないから、それはもう仕方が無いんですけどね。
あえて非難を覚悟で極私的意見を述べさせてもらえば、ここは「Our Story」を選んでほしかった。
ANSWERツアーなのに、アルバムで最も光っているこの曲、そしてアンジーのピアニストとしての力量が最も良く発揮されているこの曲を、なぜ一度も演らないのか、それがとても不思議だ。本編で演らないなら、アンコールの2曲目、最後のシメでもよかったのに。
ま、あくまでも極私的意見ということで、スルーしてください。
ファイター
村石さんの「カッ・・・ カッ・・・」というスネアワークが非常に効果的な名曲。沖山さんのウネるようなベースも、いいスパイスになっている。この曲もライブで聴かなきゃ本当の良さはわからない。
ANSWER
今回はこの唄の「足してそれを2で割ると」に引っ掛け、ライブで訪れる先々の名物を「ご当地方程式」という形で唄うのが、お約束になっているようだ。
今回は岡山ということで、吉備団子と後楽園だった。
手紙〜拝啓 十五の君へ〜
先ほどまでイビキかいて寝ていた子供たち、トークについて行けなくて退屈そうにしていた子供たちも、ようやく自分たちの出番が来た、とばかり唄いはじめる。そして、その家族の様子をビデオカメラが追っている。
まさか、またDVD出す気じゃ・・・? それとも、またドキュメンタリー放送? など、いろんな大人の事情が頭の中を駆け巡り、集中できなかった。
(Encore)
今すぐKiss Me
つい先ごろ、リンドバーグ活動再開のニュースがあったばかりなので、このコーナーはこれしかないだろう。何か仕掛けてくるかなと思ったが、そのまま唄っておしまいだった。
自分にも似たようなタイトルの曲があるんだから、いっそ合体させて、「今すぐKiss Me Good-Bye」にすれば面白かったのに。
♪いますぐ きぃ〜〜〜っすみぃ ぐうっばぁ〜〜〜い♪
なんて、どうよ?
This Love
この曲でファンが一気に拡大したのだから、最後のシメはやはりこれに落ち着くのだろう。しかし、蒸し返すようだが、ここを「Our Story」にすれば、驚嘆と賞賛の嵐の中で終われたんじゃないかと、今でも私はそう思っている。これまでにこだわるより、これからにこだわったエンディングにした方が、次のステージにつながると思うから。
楽しい時間は、いつもあっという間に終わってしまう。
外に出ると、でかいツアートラックが停まっていた。
これこそが、押しも押されぬビッグネームになった証だ。
アンジェラ・アキというアーティストにとって、CDに収められた音源は、単なる模範解答のようなものだと思う。ライブに足を運べば、良い答えはもっと他にたくさんあることがわかる。しかも、ライブを重ねるたびに、その答えはどんどん良くなってゆくのだ。
アンジー自身も言っている。「私はライブでCDの再現をしようとは思わない。ライブでしかできないこと、このメンバーでしかできないことをします。」、と。
その通りだ。これだけ意識の高いアーティストは滅多に居ない。
今回強く感じたのは、アンジーに良い意味での余裕が出てきたな、ということだった。自信がなければ余裕は生まれてこないから、これは確固たる自信が定着していることの証なのだ。ますます「プロ度」の上がった彼女を見て、本当に嬉しくなった。
■■
さて、ライブが終われば、もうひとつの楽しみが待っている。田町の「卜伝(ぼくでん)」に移動してプチ・オフ会だ。美味しい韓国料理を食べながら、あーでもないこーでもないと与太話に花が咲く。内容は過激すぎてここには書けないので、ご想像にお任せします。

明日は私を含めた4人で広島に突撃だぁ!
July 04, 2009
MJ
いや〜 3ヶ月近くも記事を更新していないと、アップの仕方を
あやうく忘れるところだった(汗)
ところで… 巷じゃ 先ごろ亡くなったMJの話題でもちきりだ。
これまでほとんど罪人扱いしていたマスコミが、手のひら返すように
今度は賞賛するもんだから、録画予約してた番組を再生してみると
MJの追悼番組に変わってたりして、もういい加減うんざり。
ちなみに… 私は、MJが「I Want You Back」や「ベンのテーマ」を
唄ってた頃からリアルに知っているが(あの頃が一番輝いていた
ような気がする)、ソロになってからの彼には何の思い入れもない。
大正年間より脈々と続く、自作オーディオマニアのバイブル。
置き場所がなくなって、家族から疎んじられている可哀想なヤツ。
そういえば、土曜夜に放映されている「MR. BRAIN」のテーマが、
VAN HALENの「JUMP」なんだけど、この曲が収められている
アルバム『1984』とMJとの関係を思い出した。
VAN HALENは、『1984』のあと、4枚のアルバムで連続して
全米No.1を獲得しているが、『1984』は「JUMP」のメガヒットが
あったにもかかわらず、どうしても1位になれなかった。
なぜなら、前々年にリリースされたMJの『TRILLER』が当時まだ
1位をキープし続けていたからだ。
皮肉なことに、『TRILLER』の中の「Beat It」で印象的なギターを
弾いているのは、VAN HALENのギタリストであるエディー・ヴァン・
ヘイレンだったのだ。
しかも彼は、アルバムのプロモーション・ツアーにも参加している。
たとえエディが参加しなくても『TRILLER』は1位になっただろうが、
VAN HALENのファンにとっては、ちょっと悔しいエピソード、そんな
ことを思い出しながら、今回の「MR. BRAIN」を観た。
■■
April 13, 2009
KAZUMI WATANABE@PIT INN
久々の東京出張は日曜日1日東京国際フォーラムでお勉強。
しかし、お勉強だけで終わっちゃつまらないので、土曜の夜は
新宿ピットインで渡辺香津美さんのライブを楽しんだ。
何せ共演者たちがスゴいのだ。
本田雅人(Sax)に則竹裕之(Ds) って、まんまT-SQUAREだよ!
ライブの前に新宿御苑前のピッツェリアで腹ごしらえ。
http://gourmet.gyao.jp/0004100128/
ここんちのピッツァはローマ風で美味、サイドメニューも渋い。
それに、何よりスタッフのホスピタリティに感心させられる。
「もてなす」という客商売の基本をよくわかってらっしゃるのだ。
一人だけお父さんと一緒に来ている高校生っぽい若者がいて、
ZILZIANのTシャツを着ていたから、ドラムやってんだろうな、
則竹さんのプレイを観に来てんだろうな、そんな感じだった。
しばらく振りに見る渡辺香津美さん、すっかり恰幅良くなられて、
ビジュアル的には少し引いてしまったけど、プレイの方はさすが、
円熟度を増して、まさにヴァーチュオーゾの貫禄だ。
一方、本田さんと則竹さん、20年前とほとんど容貌が変わっていないのに驚いたというか、感心したというか。プレイももちろん文句なく素晴らしい。
ひとつの楽器を極めた人っていうのは、本当に凄い。
世界に誇れるスーパープレイヤーを、こんなに目近で観ることが
できて、忘れられない夜になった。
ところで、T-SQUAREといえば有名なのはこの曲なんだろうけど、 本田−則竹のご両人が本領を発揮しているのは、やっぱりこれ。 6月の神戸チキンジョージでの本田さんのライブ、絶対に行こう。




















