逆転裁判 映画


今回はトモフミさんのリクエストで、実写版「逆転裁判 」のレビューをしていきます。今回はかなり強めに書きます。



どんな映画?
2012年公開、監督・三池崇史。20XX年、犯罪件数の急激な増加で、通常の裁判で裁ききれなくなった。そこで、日本政府は「序審法廷制」を導入した。この制度により、裁判は3日以内で終わるものになってしまった。そんな時代、新米弁護士「成歩堂龍一」は師匠「綾里千尋」の死をきっかけに彼女が追っていた「DL6号事件」の呪いに巻き込まれていく……。



CGを駆使した演出
今作のCGを駆使した演出はそれなりにインパクトがありました。近未来的な演出といえば、「攻殻機動隊」とかにところでてくるシーンを思い浮かべますよね?今作にはそれがたくさん使われてます。

天井が開かれ、ディスプレイが降りてくる演出。そして、ディスプレイを「くらえ!」と言って、相手に投げつけるシーンなど、独特な表現がいくつもありました。原作とはまた違ったユニークさがありました。しかし、今作の魅力はこれぐらいです。



原作と全然ちがう上に、出来の悪いストーリー
まず、今作のダメなところは「ストーリーの質が悪い」ということです。映画の核とも言えるストーリーは、今作でははっきり言ってひどいです。その原因は2つに分けて言えます。

まず、原作の設定をかなり変えたからです。例えば、DL6号事件のロケーション。原作では、「密室のエレベーター」でしたが、今作では「証拠保管室」です。他にもさまざまなところが変更されてます。
原作を大きく変えることはよくありますが、今作の場合、変える必要を感じませんでした。なぜなら、原作のストーリーがよくできているからです。これを大きく変えてしまうのは、改悪に見えても仕方がないと思います

そして、ストーリーの出来が悪いからです。具体的な理由を箇条書きにしてまとめると、
  • 無理やり話をつなげたために、前半が急展開で後半が冗長
  • 全体的に無駄なシーンが多い
  • ギャグがただでさえ少ないのに、古臭い&寒い
  • 単調な展開
という感じです。これだけお粗末な展開だと、映画の中身の問題です。原作の形式が合わないなら、大きく変えれば良かったし、ギャグは自然な感じで入れてほしかったです。それをやらなかったのは怠慢だと思います。



コレジャナイ感しかないキャラ
また、キャラのコレジャナイ感がすさまじいです。中には原型をとどめていないキャラもいます。これは実写化でよくある批判の一つですが、今作の場合は特にひどかったです。

まず、主要人物については、
  • 成歩堂と御剣の一人称がプライベートでは「
  • 糸鋸刑事が中肉中背のイケメンキャラ
  • 真宵ちゃんの見た目がブスのコスプレと同じレベル
  • 千尋さんがただのオバサン
など、再現度が低い上に、設定が「変えたらマズイ」ところまで大きく変えられてました。一方、敵キャラについても、
  • 小中は情報調査会社の社長ではなく、フリーの雑誌記者。しかも、見た目は原型をとどめてなく、髪が長くてぼそぼそしゃべる不潔な男になってる。
  • 狩魔は原作では、自分に関わることの全てに「完璧」を求める完璧主義者だったが、今作では犯罪者を異常なまでに憎み裁くためなら不正も辞さない男になっていた。
など、主要人物以上にキャラが変えられてました。小中のキャラ変更は個人的には嫌でしたが、狩魔の場合はそれ以上にだったし、許せませんでした

狩魔の「悪の権化」のような性格が原作のラストを盛り上げた理由の一つであったのに、それを「歪んだ正義」の持ち主に替えられると、「コレジャナイ」と思ってしまいます。しかも、今作の終盤で狩魔は完全に追い詰められたとき、「うぐおぉぉぉぉぉ!」と叫ぶシーンがありませんでした。個人的にこのシーンが好きだったので、これをなくされたことで余計に不満が残りました



ミスマッチな世界観
それと、今作の世界観もミスマッチでダメでした。広告を見れば分かる通り、本作は近未来SFの世界観を全面に売り出しています。しかし、原作の逆転裁判は「現代」「霊媒」を軸にした(ときどき科学刑事ドラマ的な世界観です。なので、SF要素を入れたのは無理がありました

それと、映像の色彩もミスマッチでした。元々、逆転裁判の色彩は全体的に明るいです。世界観がコミカルなので、結果としてそうなります。ところが、今作はその原作の感じとは違い暗いです。これでは原作の感じと合わないし、見るに堪えない映像になってしまいます。原作の感じに合わせてほしかったです。



まとめ
原作の面白さをガン無視した別物で、ストーリーも演出もつまらないクソ映画でした。実写化は駄作が多いと言われてますが、今作はその見事な好例です。ミスキャスティング、お粗末なストーリー、ミスマッチな世界観、悪いところが多すぎて、笑えません。原作へのリスペクトが微塵もなく、原作を冒涜してる感じがしました



オマケ

C-rex流「逆転裁判」の実写化はこうしたらどうだ!
ここまでボロクソ書きました。ただ、それだけでは説得力に欠けるので、C-rex流に実写版の案を出してみます。
  1. 原作の法廷の感じと「序審法廷制」だけを残し、それ以外は完全オリジナルにする(ただし、脚本を逆転裁判のガチなファンの作家に書いてもらう)。
  2. キャストを原作のキャラに近い年齢の方を起用する(例えば、今年実写化する場合は真宵ちゃんに橋本環奈を起用)。
  3. 「勇者ヨシヒコシリーズ」の福田雄一さんを監督にする(ギャグがかなり面白くなりそうだから)。
と、まぁこんな感じです。他にも意見があれば、コメント欄で教えてください。



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