CRM/WEBマーケティングよもやま話

CRMやWEBマーケティングに関する考えなどを自分の勉強も兼ねてまとめています。 出典とか調べず書いてますんで基本メモ代わり、チラ裏ですいません。 中の人は某IT企業で販促的な仕事をしています。

WEBマーケティング

外部メディアからのリード 活用できてますか?

WEB上での集客にはもはや欠かせないものになりつつある広告媒体として
情報系ポータルサイトでの掲載という分野があります。

不動産ではHOME'sやISIZE(SUUMO)など、
グルメではぐるなびなどが有名ですね。

この分野ではリクルートが先行者として特にBtoC領域で活躍が目立ちますが、BtoBでも製造業向けのイプロスなどが有名です。
(IT系もいろいろありますが、一番強いのはどこなんでしょう?)

掲載料自体が費用となるケースと資料請求(リード獲得)あたりの成果報酬式となるケースとまちまちですが、最近だと成果報酬式が一般的でしょうか。

ただ、これらの広告を利用する側として一番の問題は「リードの質」です。
車、不動産などのBtoC領域にも、ITなどのBtoB領域にもどのような媒体でも共通して言われる問題が
「WEBサイトに直接資料請求してくるリードに比べ質が悪い」
ということです。

ポータルサイトから情報を請求したという意識と、企業に資料請求して営業されることに同意したという意識が大幅にずれがあるのです。

ユーザ側とすると一括資料請求した企業から営業がかかってくることに、「たくさん資料請求した中の1社」という認識があればまだましな方で、「自分はサイトにアクセスしただけなのに営業されるのは迷惑」とまで思われるケースもままあります。

クライアント側は価値のない広告掲載ならば切ればいいのですが、出稿を止めれば質は悪くとも大量に来ていた資料請求がなくなります。
結果起きているのが、リードの量を担保するため掲載をやめることはできず、効果が薄い広告に大量に予算をつぎ込んでいる・・

WEBで集客する以上どの業界でも起こりうる状態です。


これはどのように解消すればよいでしょうか。
ひとつは媒体への掲載の予算をやめてその分の予算をリスティング広告やWEBサイトの拡充に充てる方法です。
媒体の出稿を取りやめても自社サイトへの流入を増やすことで一定の質を担保することは可能です。

自社のブランドがある程度確立できている状況か、リスティングやSEOで対策を打ちやすいニッチな領域であれば自社サイトに頼るだけでも十分な集客を確保できます。

ただし、上記に該当しない場合であれば媒体の力を借りて集客を行うしかありません。
ではどうすれば媒体で獲得したリードの質の問題を解消できるのでしょうか。

ここでご紹介したいのが、獲得したリードに対して営業だけでフォローが行うのではなく、メールやWEBサイトなどを使って効率よくフォローをする方法です。
獲得したリードを育てる仕組みをリードを育てるという意味の「リードナーチャリング」と呼びますが、この取り組みでもっともわかりやすい取り組みが「ステップメール」です。

資料獲得から起算して1日目、3日目、5日目、10日目など一定のタイミングで自動的にメールを送る仕組みを構築しておきます。
当然リードを獲得したユーザが徐々に商品や会社に対して理解を深めていくようにシナリオを組んで設計を行います。
コンテンツはメールだけで完結してもよいのですが、反響がつかみにくいためWEBに誘導してクリックのカウントを取ることで効率よくサイクルを回すことができます。

いわゆる情報商材系のステップメールと異なるのはメールの目的が「買わせる」ことにあるのではなく、あくまで顧客の「育成」にある点です。
情報を一気に詰め込みすぎずそのメール内で理解してもらう点を1つに絞り徐々に顧客に理解をさせることで顧客のマインドシェアを徐々に高めていくことで、顧客の購買意向が高まったタイミングで真っ先に相談を寄せてもらえる存在になることが目的なのです。

ステップメールではシナリオ次第でメール内で面談の設定などコンバージョンポイントまで誘導することもできますが、このような手法と従来のアプローチを併用することももちろん可能です。単に情報を伝えるだけにとどめ、クリック率やその他の反響をみながらリアルの営業手法を織り交ぜてアプローチすることで「リードの質」の問題を解消でき、媒体を効率よく活用したWEB集客を行うことができるでしょう。

デマンドジェネレーションって?

デマンドジェネレーションという言葉ご存知でしょうか?

「リードジェネレーション」とかと同じニュアンスになるようです。

海外のeloquaが言い始めた言葉
のようですが、(間違ってたらすいません)基本的には獲得したリード
を選別し、育てる仕組みで広告獲得のROIを高めるマーケティング手法です。

以前に書いたインサイドセールスの話や
続きが途中で止まっているメールマーケティングのエントリも本質的には
この方向性を志向しています。

それにしてもこの会社、サービスやシステムが気になります。
英語がもうちょっとできればなぁと最近痛感。

ちょっとづつでも勉強し始めます。

雨後のたけのこWEBマーケティング会社がこの先生き残るには?

「WEBマーケティング」を事業ドメインとする企業をここ最近目にするようになっている。
感覚値的なもので定量的なデータがあるわけではないので何とも言えないが、最近まで別の事業をやっていたのに夏の風物詩のノリで「WEBマーケティング始めました。」とばかりに事業部を立ち上げたり、従来周辺事業に力を入れていたのが触手を伸ばしてきたり。
しばらく見なかった会社のHPを見たりすると

「WEB集客『虎の巻』差し上げます」

みたいなバナーが突然出ていたり・・・。

私の周辺だけかもしれないが、にわかに盛り上がっている感がある。
そういった企業の傾向を見ていると大きくいくつかの傾向があることがわかる。
 
その辺の雨後のたけのこ系のWEBマーケティング会社を、勝手に分類してみた。

1.本業が不景気な企業系
広告関連や人材関連など、ついこの間まで景気が良かった企業が不況のあおりをモロにくらって余剰人材を何とかしようとしているケース。コンサルとかにも多いですね・・
他人の集客手伝ってる場合じゃないでしょ!というツッコミはさておき。

2.IT系の人材流出系
前のエントリでも書いたIT業界で頭打ちにあった人材がドロップアウトして立ち上げたケース。独立してやってる場合もあれば、事業部の立ち上げを任されている場合もあるような。

3.クリエイティブだけじゃダメじゃん系
不況のあおりをモロにくらっている中小WEB制作会社などがコレに相当する。
クリエイティブの話はできても、「CPA?CPC?何それ?」じゃ話になんないよねってことで、生き残るためにこれまであえて避けてきた領域に踏み込んでいるパターン。


複合的な要素がからんでいるので一概に3種のどれが当てはまるというのはないかもしれないが・・
ここまではやっている感があるのは2つの理由がある。
一つにはクライアントが広告費用の削減があり、ネット系の代理店がしきりに「費用対効果」を啓蒙したこともあって、これまで以上にシビアにROIを見ているので、単に良いサイトを作っただけじゃダメだという事。
もう一つはアクセス解析やSEOやらアフィリエイトやら、技術が進歩したけどWEBに関して「やるべき事」が増えすぎて広報担当だけでは手に負えなくなって猫の手も借りたい状況になっている事。

他にもいろんな要素がからんでいると思うが、そんな彼ら、彼女らがおそらく客先で説明できてない事が一つある(と思う)。
WEBマーケティング自体は重要だが、そのあとの仕組みをいかに作りあげるかということの方がよっぽど重要なのだという事だ。

彼らが取り組んでいるのはいわば、「限られた予算の範囲内でコンバージョンをいかに増やすのか」ということだが、湯水のようにお金を投入できるならともかく、予算も少ない中でリスティングやSEOに投入できる予算はたかが知れている。

それよりも、獲得したコンバージョンから何件成約させるのか、つまり、コンバージョンを分母とするならば、分子の数を増やして歩留りを上げることの方が(ほとんど未着手なので)よっぽど簡単で効果がある。しかも先に歩留りを上げておけば広告に投下した予算を最大限回収できる。

ECだとサンプル請求から本購入にいかに結び付けるか?営業対応をはさむ場合だといかに成約に結び付けるか?この辺をどの程度見れるのかがWEBマーケティング会社にも求められてくる。
そうなると、見るべき指標はCPC(クリック単価)でもCPA(コンバージョン単価)でもなく、最も重要な指標はCPO(成約単価)になる。
この辺までシナリオを組んで提案できるようなWEBマーケティング会社だけが今後も生き残ることができると思う。

つまり、WEBマーケティング会社の良し悪しを見分けるには、その点をどこまでフォローしているのか?という点に尽きるだろう。

顧客データベースを持つということ

現在、企業にとって個人情報を持つということはそれなりにコストもかかり、リスクのある資産になりつつある。
漏えいなどをしてしまえば社会的信用も(以前に比べるとイメージダウンは少ないが)落ちるし、クレジットカードなどの不正利用が行われれば、補償などの費用もかかってくる。何よりこれらが起きないための体制づくりがかなりのコストがかかってくる。

一方、ユーザ側からすると個人情報の取り扱いは、「信頼できるところなら」もしくは「どうしても仕方なければ」、そして「限られた情報だけ」預けてもいいという感覚だろう。
「信頼できる」とはYahoo!、楽天など名の知れたWEBサービスだったり、知名度のある企業だったりするだろうし、どうしても興味があるサイトやそこでしか販売していない商品などであれば、しかたなく登録をする。
また、預ける個人情報にも「預けていい」ものと「預けられないもの」がある。
一般的な感覚として、以下ようになるだろう。

クレジットカード>>>>会社名・職業・住所>プロバイダアドレス>フリーアドレス

一般に、自分の氏名が公開されることでのリスク・デメリットを感じることはそれほどないと思われるが、クレジットカードの番号は極力WEBに入力したくない。


■個人情報のプラットフォームが登場?

小職の完全な予想になるが、今後クラウドコンピューティングなど新しいトレンドで、外部のサービス・システム間でのデータ連携がどんどん進んでいくと思われる。

そういった流れの中で、個人情報などは今後Googleなどの大きな企業だけが保持できるものになり、将来的にはどの企業もそのプラットフォーム上から利用するようになるような気がする。

例えばOpenIDなどの発想も将来的にはそこを目指しているのだと思うが、まだ具体的にそこまで到達できていない。具体的に、次世代の「個人情報プラットフォーム」として小職が考えているものは以下のようなものになる。

・個人情報を登録しておくと共通プラットフォームを採用しているWebサイトはシングルサインオンで利用できる
・氏名・アドレスなどの個人情報についてはクライアント側に提供されるが、クレジット情報などはプラットフォーム側で決済代行を行い、EC店舗には通知されない。
・アカウント管理画面があり、管理画面上から過去登録したWebサイト・メルマガに加え、過去のクレジット決済情報などが閲覧できる
・管理画面は各登録サイトの更新情報がRSSで配信されるほか自由にカスタマイズできる
・管理画面上から変更すると登録各社に預けてある個人情報情報は自動的に変更される。

ユーザ側とすると、IDさえあれば、登録などにいちいち個人情報を書き込む必要はなく、登録画面からIDを入力するだけで、もしくは一度ログインしたら確認画面だけでシングルサインオンで個人情報を渡すかどうかを選択することができる。
また、決済についてもクレジット情報を登録するのは1事業者のみになるので、安全性が担保することができる。

企業側は預ける個人情報の正確性と信頼性を担保でき、不要なリスクを回避することができる。
当然町の商店レベルでも楽天などに参入しなくても共通プラットフォームが使えるということで、Googleの信頼性で商売ができるので、従来参入できなかった領域へのビジネスチャンスが広がる。

Googleなど個人情報を預託する側としては個人情報プラットフォームとして独占できるため、WEBサービスの中で主要なポジションを確保できる。
また企業側に登録プラットフォームを提供し、手数料収入自体がビジネスになるほか、企業側にデータ提供でのサービス例えば、企業側が独自で持っているその顧客の定性情報などと他のサービスの登録状況など分析し、個人情報を特定しない形でのユーザの購買行動予測データなどを販売したりなど新しいビジネスができる可能性がある。

逆にデメリットとしては、大本の個人情報などをGoogleに握られているので、そこを信頼できるかにかかっていると思われる。当然かなりの情報がそこに集約することになるので、ハッカーの標的にもなるだろうし、決済情報まで取り込むか取り込まないかでビジネスモデルもリスクも大きく変わってくる。

いわばこれまで多くの企業が分散して保持していたリスクを一手に引き受けることになるので、ポッと出の企業がおいそれと始められるものではないだろう。


実はこのようなモデルは、携帯だともっと以前から先に成立している。ただ、携帯だとハードが固定のため、キャリアとサービスプロバイダーの立場は完全な主従関係にならざるを得ないだろうが、PCの場合は何社かのプラットフォームが共存し、ユーザやクライアントとの良い緊張関係がある程度続くことになるのではないか。

 

NCM2009に行ってきた。

昨日は午前中に仕事をさぼってNCM2009(Next Advertising & Marketing 2009)に行ってきた。

目当ては基調講演の湯川鶴章氏の講演。
(他の展示は会場が狭かったのであまり見て回らなかった・・SNSとかあんまり興味ないし。)

講演の要旨は こちら を見ていただければと思う。

講演は結構勉強になることが多く、ためになった。
個人的に気になったのは
次世代のマーケティングとして湯川氏が次の4つをあげていた。
(1)検索連動型広告
(2)CRM
(3)360°マーケティング(モバイル・デジタルサイネージ)
(4)WEB解析・行動ターゲティング
(1)はgoogleが覇権を確立したが、(2)〜(4)はこれから手がける企業が次の覇権を握るだろうということを言っていた。
個人的には(2)と(4)はほぼ不可分な状態で、どこか1部の巨大なプレーヤーが覇権を握るのではなく、当分の間はクラウドコンピューティングというプラットフォームで群雄割拠状態になるのではないかとにらんでいます。(このブログのテーマですね)

また、NCM自体はあまり大きなイベントじゃないようですが(失礼)、講演中に Timelog からリアルタイムで講演に質問したり、湯川氏から講演中に回答があったりといろいろ面白い取り組みをしていたのが印象的だった。
私も調子に乗って突っ込みを入れてみたらあとで湯川氏からきちんと回答があったりしてちょっとびっくり。

いろいろ刺激になりました。。

WEBマーケティングとCRMの遠くて近い話。

このブログではCRMという、ちょっと近いような遠いような分野の内容を扱っていきます。
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)というと、これまでは「既存顧客との関係性を見直して満足度を高める」というセンテンスで主に用いられることが多かったと思います。コールセンターとかお客様の満足度調査とかはその代表選手ですね。
俗に言われる、
「売上の8割は2割の主要顧客が生み出している」
「新規顧客を獲得するためのコストは既存顧客を維持するコストの5倍である」
「顧客離反を5%改善させることができれば、利益率は25%以上改善する」
などなど。CRMに関する書籍や情報を目にしたことがあるなら一度は聞いたことがあるものだと思います。
 
CRM―顧客はそこにいる (Best solution)CRM―顧客はそこにいる (Best solution)
著者:村山 徹
販売元:東洋経済新報社
発売日:2001-07
おすすめ度:4.5
クチコミを見る
これらは90年代初頭に起きた「最初のCRMの流れ」が来た時にしきりに喧伝されていた内容です。
ですが、これらを論拠に
「だから既存顧客を管理し、大切にしましょう。それがCRMです。」
といった時に
「じゃあ何を、どうすればいいの?」
「本当にそれで満足度って上がるの?どうやって計測するの?」
というところで躓いてしまったのが「旧世代CRM」の限界だったと思います。
(このあたりは別途詳しく書きます。)
かたや、SEO、SEM、アクセス解析レコメンデーションなどWEB領域でいかにしてコンバージョンを獲得するかに注力して発展してきたWEBマーケティング。B2B領域でも「リードジェネレーション」とか「リード広告」など新しいキーワードが輸入され始めており、いまが「旬」の感もあるWEBマーケティング。
この2つは遠いようで実は同じ目的地を目指しています。(個人的な考え方でいうと将来的にはWEBマーケティングがCRMの概念や考え方を取り込んで、大きな1カテゴリになるのでは・・?と思っています。)志向されている方向性はほぼ同じものを目指しているのですが、いかんせんわかりにくいのが実情です(主に原因はCRMの方)。
特に「CRM」に関しては同じ用語でも文面やニュアンスにより取り扱われる意味合いが異なったり、派生的にいくつもキーワードが生まれていますのでその辺の解説も含めて書いていきたいと思います。
#自分の考えを整理することが目的なので文面などまとまっていないですが。
これからちょこちょことですが、記事を更新していきます。
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