2005年08月20日

素晴らしきかな

 本日がMysteryCircle Vol.5発表の日だった。
 さっそくそれぞれが創り出した世界へと足を運んでみたのだが、いろいろと思うところがあった。
 ということで、簡単な感想でも書いてみることにする。

 なお、掲載された全ての作品に対して感想を書いたわけではないことを最初に断っておく。


 松永夏馬氏
 ミステリ好きな彼らしく、物語の進み方は推理小説を思わせる節が盛りだくさんである。
 途中、主人公の探偵があれこれと、依頼人の詮索をするあたり。何事もなく終わったんだと安堵させるあたり。それに最後の大胆なひっくり返し方。
 骨格がもうすでにミステリなのは、狙ったのかそれとも自然と出来上がったのか。それは定かではないが、ひとつだけいわせてもらいたい。
 悲運の探偵に、寿司くらいは食べさせてあげたかった!

 Clown氏
 これはもう純粋に賞賛したい。誰がなんといおうが、個人的に褒めないわけにはいかない。
 どこぞの書店に平積みされてる、新人の推理小説の犯行シーンをそのまま拝借しました、で通る内容ではないか!
 最近彼と本について話すことがあったのだが、そのとき彼は奇しくも「ミステリは読まない」といっていた。
 なのに。なのにだ。
 この作品はなんなんだ、と問いたい。
 これが、作風を壊すと誓った彼の心情をそのまま映し出したものなのだろうか。
 だとしたら、これはもう壊すということではなく、新しい力を生み出したに他ならないのではないか。
 私が勝手ながらライバル視している連中の背中が見えてきそうで、若干ではあるが焦ることもある。
 いや、そこは若干ではないでしょう、と冷静に認めつつも、逆に何か嬉しく思うのは、私が書き手であるまえに読み手に徹しているからかもしれない。

 ちなみにD.Cの意味を調べてしまった。なんとはなく知っていたのだが、改めて詳しく。
 これも彼の思惑通りなんだろうか。

 シーメル女史
 今回初参加の彼女。
 実はこっそりと何回かBlogにお邪魔させてもらっているのだが、文章を書くのに慣れている感じを受けた。
 緩急のつけ方がとくに面白いなあ、と私は思ったりもする。構成力というのだろうか。
 それが冗談交じりに書かれた文にマッチしている気がしてならない。いや、こういった野暮な考察はやめにして、作品の感想に移ろう。
 主人公の心境の推移が鮮やかに描かれている点について、私は評価したい。
 物語に少しの破綻もなく、淡々とつむがれる様がなんとも心地よい。
 テーマは重いはずなのに、それを感じさせない軽いタッチも悪くない。
 次回作に期待をかけているのは、私だけではないだろう。

 魔城九龍氏
 もう一言でいって、今までのなかで一番彼らしい作品だ、と思ったのは私だけだろうか。
 彼の書く記事を読んでいる人には、わかってくれる人もいるのかもしれない。
 いちいち主人公の心持に共感してしまった。まあ、私が猫好きだということもあるのかもしれない。いや、これはもしかすると犬か? そんなことはどうでもいいのだが。
 喜びから始まって、それがいつしか悲しみの元凶となる。
 しかし最後に見えたのは淡くも暖かい光という名の希望。
 この作品が彼の中にある全てを物語っている、と言い切ってしまうのは無謀だろうか。
 少なくとも、大半を占めているのは間違いない、と私は踏んでいる。

 kazumi女史
 初回から通読させてもらっているのだが、成長ぶりが何より面白いと思った。
 こういってしまうと「何様だ!」と思われそうだが、思ってしまったものはしょうがない。
 今作を機に、彼女は化けるのではないか。そう思ってならない。
 女性らしい、というと反感を買うのかもしれないが、彼女の文章には端端にそういったものを感じざるを得ない。
 しかし。
 ”あいつら”って誰なんだろうか。どうやら今夜は眠れないようだ。

 ろくでなしブルース氏
 彼の作品も当初から読ませてもらっているのだが、私が特に好きなのはVol.3での話だったりする。
 実はBlogにも何回か邪魔しており──もっとも書き込みはしてないわけだが──どうやら最近小説を書き始めたようだ。
 彼の向上心に、私は非情に敬意を表したい。
 私は何より上を目指す姿勢が大好きだ。自他ともに、である。
 だから私は彼にはぜひにでも努力をしてもらいたい。
 もし、彼が求めるのならば、私は喜んで彼の力になるであろう。
 まあ、ここを読んでいてくれれば、の話ではあるが。

 塵子女史
 すでに、私の表現力で彼女の作品を紹介しようとするのは無理というものだ。
 これはもう読むのではなく、感じるものである。
 小説など、どれもそうではないかと思われるかもしれないが、これほど肌で感じなければならない文章がいったいこの世にいくつあるだろうか。
 いや、もうこの作品について言及するのはやめておこう。
 すればするほど、この作品の風味が損なわれてしまうようで、気が引けてしまう。
 彼女のBlogともども読んでみると、なお受けること間違いなし。
 声を出して笑う、というのはこういうことを言うのだろう。


 なにやら「解説風」な書き方をしてしまったのだが、これが私が拝見して思ったことである。
 また、紹介されていないぞ、という人がいるのだが、それは「私の趣味ではなかった」ということで「何も思うことがなかった」というわけではないので誤解なきよう。
crow0825 at 23:15│Comments(3)TrackBack(1)自論 

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1. Mystery Circle Vol.5 寸評  [ Mystery Circle ]   2005年08月21日 09:56
※下の、「Mystery Circle Vol.5」を読んでから、ここを覗いて見てね。偉そうに、寸評入れてみたいと思うよ。どうでもいいけど、「ユンピョウ」さんは、今どこで、何やっているんだろうね?あ、ちなみに、下記blogでも寸評が載っているので、合わせて見て欲しいよ。◎水掛...

この記事へのコメント

1. Posted by ろくでなしブルース   2005年09月03日 10:28
感想有難うございます。
しかし、あれですねー。
文章が上手い人は感想のまとめ方まで上手いんですね。
やたらめったら書きたい事を順番滅茶苦茶で、さらに言ってる内容が矛盾してる俺の文章とは大違いです。
全然話は変わりますが、やっぱClownさんは誰でも注目しますよね。
2. Posted by 亜季   2005年09月05日 12:37
5 vol5に参加していた亜季です。
今さらながら、作品読ませていただきました。
登場人物の個性とかがすごく出てて
このお話出て来る本屋さんに行ってみたいなと読んでてワクワクしました!
ホントに勉強になりました(^^)
3. Posted by カラス   2005年12月24日 22:23
 おっと。めちゃくちゃ遅ればせながらですが、コメントさんくす。

 ちょいと今からお二人さんのブログへとお邪魔させていただき候。

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