あすなろの木(一歩一歩進む)

おもに障碍と雇用について、感じたことをメモしています。(2011年まで民間企業で知的に障碍のある人の雇用担当でした)息抜きでは有りませんが、最近読んだ本・CD等も紹介しています。(2006年2月7日、初記事掲載)

第12回企業向けセミナー(東京都教育委員会)

毎年のように当ブログでお知らせいている企業セミナーも第12回を迎えるという、1年に一回開催されてきたので12年の月日が経過しているということだ。
当初は、障害のある特別支援学校(当初は養護学校の名称だった)生徒の情報がきわめて少なく多くの企業関係者が出席するイベントだったが、同様なセミナーなどの情報発信が関係機関で数多く開催されるようになり、昨年から東京都は、教育委員会、産業労働局、福祉保健局などのが合同で雇用フェアを開催されるようになってきた。

第12回を機に、教育委員会では年一回開催していたセミナーを都内各校が地域ごとに特色を生かし、生徒の授業を直接見ることができるようにと地域の学校を会場に、6回に分けて開催することにしたようだ。
「地域と連携した都立特別支援学校生徒の雇用の拡大」と銘打ち、企業セミナーを開催することが8月24日発表された。
詳細は、東京都教育委員会のHPで確認いただくとして概要をお伝えしたい。

主な内容
〇学校案内:都立特別支援学校のご説明
〇見学:校内見学(実際に学習しているところを見学できる)
〇質疑応答:障害者雇用や実習受け入れなどに対する質疑応答

日程
‘時:平成28年9月26日(月)10:00〜12:00
・会場:東京都立板橋特別支援学校(アクセス:都営地下鉄三田線高島平駅から徒歩約6分・板橋区高島平9−23−22)
・定員:30名(参加費無料)

日時:平成28年9月29日(木)9:30〜12:00
・会場:東京都立羽村特別支援学校(アクセス:JR青梅線羽村駅からバス利用、バス停から徒歩約4分・羽村市五ノ神319−1)
・定員:30名

F時:平成28年10月18日(火)9:30〜12:00
・会場:東京都立青鳥特別支援学校(アクセス:JR山手線他渋谷駅からバス利用、バス停から徒歩約3分、世田谷区池尻1−1−4)
・定員:50名

て時:平成28年11月10日(木)13:20〜16:30
・会場:東京都立江東特別支援学校(アクセス:東京メトロ東西線東陽町駅から徒歩約8分、江東区東陽4−11−45)
・定員:50名

テ時:平成28年11月15日(火)9:45〜12:30
・会場:東京都立立川ろう学校(アクセス:JR中央線国立駅からバス利用、バス停から徒歩約3分、立川市栄町1−15−7)
・定員:30名

ζ時:平成28年11月30日(水)9:30〜12:00
・会場:東京都立多摩桜の丘学園(アクセス:京王線・小田急線永山駅からバス利用、バス停から徒歩約1分、多摩市聖ヶ丘1−17−1)
・定員:30名


参加をお勧めしたい方:東京都特別支援学校での教育内容、就業に向けた学習内容、インターンシップ受け入れのノウハウ、就業支援体制、定着支援体制などに関心を持たれている企業の皆様。

・申し込み:先着順に定員に達し次第締め切る(一企業複数名参加希望があり定員を超過した場合参加人数の調整が行われるとのこと)上記HP掲載の「申込書」で東京都特別支援教育推進室までFAX(03−5228−3459)で申し込む。(参加費:無料)


約12年前の知的障害特別支援学校生徒の企業就労は、確か30%を切る状況ではなかっただろうか?
東京都という企業数の圧倒的な数、障害者雇用をめぐる法的整備(除外率の引き下げ、納付金対象規模の引き下げ、法定雇用率の引き上げ)、障害者自立支援法の制定、就労支援機関の充実、企業における障害者雇用経験の積み重ねやCSR意識の向上など環境は障害者全体の就労を底上げしてきたことは間違いない。

それだけではなく、就労率及び絶対数でも全国で群を抜いた企業就労を挙げている東京都特別支援学校が、企業の要請にいかに向き合い、指導要領の変化に対応してPC操作に関する授業を増やし、卒業生の企業就労100%を目指す特別支援学校を6校開校するなどの手を打ってきたのか、さらに一昨年度から足立特別支援学校に、今年度港特別支援学校にも職能開発科を設置するなど前に向かっている姿がどのように表現されるのか興味のあるところだ。

あわせて、企業の障害者雇用担当者には東京都の各学校の進路指導教員、特別支援教育推進室、都内を6ブロックに分けて各学校が地域ごとに進路情報を交換・共有するブロック制度、東京都の委嘱した就労支援アドバイザーの活動など生徒の就労支援体制がどれだけ企業にメリットがあるか確認する良い機会だとおもうので是非参加をお勧めしたい。


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高卒就職情報Web提供サービス‐全国高等学校便覧


当ブログのアクセスを見ると、特別支援学校の就職数などのワードによる検索が散見される。
特別支援学校に限らず、厚生労働省職業安定部では毎年高等学校から全国ハローワークに報告された学校(設置学科毎)ごとの「卒業生数(男女別)」「各年度3月末就職者数(県内県外・男女別)」「翌年度卒業予定者数(男女別)」を公表(掲載)している。

掲載内容の最新データ(平成27年度3月卒業)から公立の特別支援学校の数値を見てみると、首都圏では東京都(千葉県所在の都立高校数値修正)において「卒業生数=1,772名」「就職者数=701名」就職率39.6%、神奈川県では、「卒業生数=1,283名」「就職者数=412名」就職率32.1%、千葉県では、「卒業生953名」「就職者数=378名」就職率39.7%、埼玉県では、「卒業生数=1,091名」「就職者数=335名」就職率30.7%となっていることが分かる。

首都圏での東京都の割合が高い(卒業生の34.8%、就職者の38.4%)ことが目立っている。
就職率では、千葉県が東京都を上回っていることは特筆に値する何か特別な支援体制がとられているのだろうか?

保護者にとっては、学校別の就職率を見て頂くと障害程度の割合など単純比較は難しいのだろうが、学校ごとの就職環境が推察でき中学からの進学さらには高等部卒業後の進路考える際の参考になるのではないだろうか?

高校(障害のある)生徒の新卒採用を考えている企業担当者にとっては、どの学校とコンンタクトをとるかの指針ともなりそうだ。

全国都道府県の高校(ハローワークが特別支援学校高等部卒業生も高校あつかいとしていることから特別支援学校高等部も含まれている)の数値も掲載されているので興味のある方は「高卒就職情報Web提供サービス‐全国高等学校便覧」をご覧いただきたい。

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首都圏で最低賃金25円引き上げの答申

平成27年7月28日に、中央最低賃金審議会で最低賃金の目安が答申され同日発表されたことをうけ、
首都圏では東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の地方最低賃金審議会がともに8月5日各労働局長あてに答申を行った。

東京都は、25円アップの932円、埼玉県は25円アップの845円、千葉県は25円アップの842円、神奈川県は25円アップの930円との内容になっている。
首都圏では奇しくも同一引き上げ額となった。

今後この答申を参考に検討がされ各労働局長が決定する運びとなる。
例年だとこの時期に答申がされ順調に進めば、10月1日から適用となると思われる(過去の実績から個人的な意見)

10月更新の多い契約社員(パート社員)で最低賃金を割り込む恐れがある対象者の契約書(労働条件通知書)の給与額改定ができるため10月1日適用は、事務上有りがたいのではないだろうか?
私のように4月の給与改定で最低賃金アップを低く見積もっていた企業は割り込まないかチェックが必要だろう。

さらに従業員501名以上企業では、短時間労働者の社会保険加入義務も重なり大きなコストアップ要因となる、価格・料金アップでの転嫁しにくい状況下人件費比率の高い業種では厳しい対応が求められることだろう。
賃金アップが消費拡大につながることを狙っての大幅アップだが期待される効果が少しでも出てくれれば良いのだが生活不安を抱える中でどれだけが支出増にむかうのだろうか?

海外生産拡大行動が進展しないことを望むだけである。

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18歳からの格差論 井出栄策

頑張るための土台をみんなの税でささえ、競い合いの勝者に拍手を送り、敗者に思いやりを持てる社会を思い浮かべて本書を書いたとまえがきで筆者は言う。

格差拡大(貧困化の拡大)、高齢化進展、ブラック企業など低所得層の生活が脅かされてきていることは、多くの人が認めるところだろう?
しかし、国際的な調査によると私たち(日本国民)はOECD加盟国や発展途上国を含めた中で下位に甘んじており、「明らかに格差を小さくすることに関心の薄い社会を生きている」と指摘している。

その原因を、「税への抵抗が強い社会は、誰かのための負担をきらう冷たい社会」というフレーズで我々に投げかけてくる。
他の人たちに無関心で、自己責任を振りかざす自己中心に生きる人にとって税負担はつらくて仕方がなくなるだろうという。
これは、低所得者が社会保険加入を拒む事に通じることかもしれない。

そして、我が国が先進国のなかでも「小さな政府」(自己責任を基本とする)で、財政が大きくなく(予算規模に含まれる国債関連費用を除く)公務員の数も少ない政府だと指摘し、労働人口に占める公務員の占める割合は先進国で最低水準であり「小さくて効率的な政府(行政)」だという。

それなのに、みんなが将来を悲観するほどの借金を抱えているのは「あまりにも税金が安すぎる」からだと断言してしまう。
「貧しい人への支出再分配効果」「税金による再分配効果」ともに低く、自分が苦しい中でもっと貧しい人にはあきらめてもらう「冷たい社会」「人間を信頼しない社会」ができあっているとする。

再分配に対する中間所得層の反発、「先進国の中でも税金の負担が少ない事による」最低限の生活をまもるべき公共サービスが受けられない「ゆがんだ自己責任論」、高齢者の意見が通りやすく、非正規労働の是正・子育て、教育など比較的若年層に対する政策(予算措置)が進まない「必要性の罠」などが所得層間、世代間、政府批判などが現在の社会を作っているとする。

日本経済の特質とされる「勤勉さに裏打ちされた勤労国家」は、成長期には勤労層の貯蓄が再投資されプラスに作用したが、低成長・デフレ傾向の現在では自らの賃金を縮小する方向に進んでいると指摘する。
成長に頼る道筋ではなく、成長に頼らないで格差を是正するには「全員が受益者となり、全員で負担を分かち合う」方法があると提言する。
すなわち、「必要の政治:人間に共通して必要なサービスを所得の多寡にかかわらず提供する」が求められているとする。

我が国が「小さな政府」でありながら「租税抵抗」の強い国民を育ててしまった過去から学び、「必要の政治」によって支出を増やし「租税抵抗」を弱め結果的に「財政再建」を実現する「税金=くらしのための分かち合い」を求めるべきではとする。

著者が主張するように「税負担が増えれば個人的な負担が減る」ような抜本的な施策を「未来の日本を見据えて」行う政府がいま求められているのだろう。
共感は多いにしたいのだが実行できるかには「消費税増税を選挙の論点から外す」類の現実の政治を見ている限り疑念を持たざるを得ない。

内容は極めて論理的ではあるが、田淵正敏氏の温かみ溢れるイラストレーションが読者の読み続けようとする意欲を後押ししてくれる。


18歳からの格差論
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東京都立知的障害特別支援学校高等部卒業生企業就労の推移

近年法定雇用率の2%への引き上げ、平成30年以降に実施される精神障害者の雇用率算定基礎算入によるさらなる引き上げやCSRへの取り組み推進などが影響しているのだろうか、企業からの実習受け入れ(将来の雇用)の要望が多く寄せられているという。
実習受け入れの要請を受け実習生を募集しても、応募がないという3年前までは考えられない状況が珍しくなくなっているという。

私が会社で知的障害者の実習を受け入れた11年前には「御社しか実習を受け入れてくれる会社がないぜひお願いします」と進路指導の先生が頭を下げて依頼された記憶があるが、企業の受けいれ姿勢の変化、何よりも実習を通して就職した従業員の頑張りが企業・社会
に認められ、生徒のできること・やりたいことに少しでも近い実習先(就労先)を選べるように変化してきてるということのようだ。

では、実際に企業就労の状況はどのように進展してきたのか数値を挙げてみたい。(公立学校基本調査との照合はしていないので了承下さい)

数値は、卒業年度(平成13年度卒業生は平成14年4月以降の就職)、卒業生数、企業就労者数、企業就労率の順で掲載

平成13年度   700名 210名 30.0%
平成14年度   701名 209名 29.8%
平成15年度   771名 226名 29.3%
平成16年度   785名 237名 30.2%
平成17年度   903名 298名 33.0%
平成18年度   955名 308名 32.2%
平成19年度   891名 314名 35.2%
平成20年度   918名 368名 40.1%
平成21年度 1,137名 453名 39.8%(永福学園1期卒)
平成22年度 1,155名 449名 38.9%
平成23年度 1,254名 524名 41.8%
平成24年度 1,402名 604名 43.1%(南大沢学園1期卒)
平成25年度 1,452名 628名 43.3%
平成26年度 1,479名 656名 44.4%

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手話でアルディージャを応援しよう!!(サッカー/2016年)

過去にも新聞で読んだ記憶はあるが今年も継続して実施されるという。
概要を紹介しよう。

スローガン:「サッカー応援も、ノーマライゼーション! 手話で応援しよう!」
日時:2016年9月25日(日)受付14:00〜15:45
試合会場:NACK5スタジアム大宮 キックオフ:17:00
大宮アルディージャVSサガン鳥栖 
ポイント:オレンジの「愛してるぜ!Tシャツ」を着て、手話で応援に参加できる人を募集する。障害のある人もない人も、スポーツは一緒に楽しめます。

応援者定員:1500名(応募多数の場合は抽選:結果は全員に通知、9月初旬予定)
応募先:〒330−0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町2−292−1 毎日興業(株)手話応援実行委員会事務局(問い合わせ先:048−642−1238)
応募方法:往復はがきに、代表者氏名・住所・電話番号・FAX番号・メールアドレス・参加人数(代表者1名につき10名まで)を記載し郵送する。
応募締切:2016年8月31日(水)まで(当日消印有効)

経緯(埼玉新聞掲載記事を引用):手話応援は2010年から毎年1回、アルディージャのホームゲームで開催している。回を重ねるごとに協力団体や参加者が増え、一般のサポーターと一緒に、大宮ろう学園の生徒や親なども観戦を楽しんだ。生徒たちからは「サッカーが好きになった」という声も聞くという。
最後に参加者全員で、手話を交えて応援歌を熱唱するのだがその様子はユーチューブにも投稿されているようだ。

主催の実行委員会とともに、協力団体、埼玉県を初めとする後援団体も多く今年も盛大な応援光景が見られることだろう。

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中小企業のための障害者雇用支援フェア(東京都)

東京都のHPに表題(副題:障害者雇用に取り組む企業の方へ)のイベントが東京都主催・東京労働局共催で会場規模を拡大して開催される。
教育委員会・産業労働局・福祉保健局の三局(窓口は産業労働局のようだが)が協力しているうえ、国の機関も一堂に会した東京都における障害者雇用の現状を全体的に俯瞰できる内容になっているので参考になるのではないだろうか(制度の複雑さも感じてしまうかもしれない)。
特別支援学校生徒による実演も予定されているので、学校見学希望はあるけれど日程が合わない方などはアクセスの比較的便利な今回の機会でご覧いただくこともできるのではないだろうか。
詳細は東京都のHPをご覧いただくとして簡単に内容を紹介する。

1.開催日時:平成28年7月29日(金)10:00〜16:30(受付9:30から)
2.会場:新宿NSビルB1 NSイベントホール(大ホール・中ホール)(新宿区西新宿2−4−1)
3.対象者:中小企業の経営者や人事担当者等
4.内容
(1)支援機関紹介コーナー:国(ハローワーク等)や東京都(教育委員会・産業労働局・福祉保健局、障害者就業・生活支援センター等)のブースにおける、障害者雇用にかかる支援制度の紹介・相談等

(2)企業紹介コーナー:障害者雇用に積極的な企業の取組紹介

(3)障害者雇用支援セミナー(大会場および小会場)
第一部:基調講演:(大会場で開催され参加は事前申し込み制となっている)
時間:10:10から11:10
「中小企業における障害者雇用の進め方」:眞保智子氏(法政大学 教授)

第二部:パネルデスカッション「中小企業における障害者雇用の取り組み:(大会場で開催され参加は事前申し込み制となっている)
時間:13:00から14:00
「パネリスト」
・朝日土地建物(株) 総務部 北見泰子氏
・(株)AJIOKA 登壇者未発表
「コーディネーター」
・眞保智子氏(法政大学 教授)


〇セミナー申込み方法:上記HPにリンクされている専用申込フォームおよびファックスにて先着順に受け付け
〇定員:午前・午後各500名
〇参加費:無料

小会場(事前申し込み不要)

(4)ミニセミナー(各機関による)
・国や東京都の各支援機関による各種支援制度の紹介等のミニセミナー

(5)デモコーナー:特別支援学校生徒によるデモ(清掃やカフェ接客等)
   時間:カフェ、11:00〜16:00 ビルクリーニング、ベッドメイク、事務:。隠院В械亜腺隠押В械悪■隠機В娃亜腺隠供В娃
   場所:中ホール

(6)展示:視覚障害者用就労支援機器(拡大読書器等)

(7)パラリンピックコーナー

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アート村作品展(2016年)

 
株式会社パソナハートフルのアーティスト社員が、「日本の百名山と羽田空港」をテーマに創作した作品を展示する催しが昨年に引き続き同じ場所で今日から開催されている。
何回かこのブログでも取り上げてきた注目の作品展である。

概要を紹介する

日時:2016年7月1日(金)から7月14日(木)午前10:00から17:00まで
会場:羽田空港 第2旅客ターミナル5階「展望デッキ通路 星屑のステージ
入場無料
アクセス:京浜急行 羽田空港国内線ターミナル駅 徒歩約3分
     東京モノレール 羽田空港第2ビル駅 徒歩約3分
その他:会場では、アーティスト作品をモチーフにした商品(ポストカード、シューズキーパーなど)の販売会も開催しています。
すばらしい作品ぞろいです是非一度ご覧ください。

出展アーティスト社員:同社に在籍する18名の内今回展示されるのは下記の14名の作品

岩本悠介・岡田大・加藤文博・佐竹未有希・関谷裕輔・田中正博・中垣真琴・能村卓人・早田龍輝・本田彩乃・松澤弥香・南俊一郎・森田守・森永翔

問い合わせ先:株式会社パソナハートフル アート村(03−6734−1094)

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下流老人 藤田孝典

下流老人とは文字通り、普通に暮らすことのできない、下流の生活を強いられている老人を意味する著者による造語だ。

本書では、我が国を貧困による衰退が避けられないとしている。
その最大の原因となるのが、憲法で定める最低限の生活もままならない高齢者の貧困であるとしている。
団塊の世代が、すでに年金受給者となっている現在は過去の家制度が果たしてきた家族による相互扶助が、核家族化や後継世帯収入の低所得化などにより、期待出来なくなっていることがさらに困窮化に拍車をかけている。

個人的な考え方だが「自分だけは将来にわたって健康であろうから老後に向けた自衛の為の貯蓄を、子ども達に財産を残すのは良くない自分たちが楽しむために使うべき」との楽観的な言い換えればごくまともな生活態度が、本書でも指摘されている「高齢になり病気などにより買い物など生活維持に影響ができ来たとき、経済的な理由により特養ホームに入ることを希望してもすぐには入れなく、有料老人ホーム入所には経済的に余裕がなくては入れない事態を招いてしまうのではないだろうか?

上記のような事態を、祖父や父に抱えてしまった人が、将来に不安を抱き消費を抑えて少しでも蓄えようとするのはごく自然な生存のための行動であろう。

社会保障を受ける権利があることは、自明であるが「ありとあらゆることを国に求める姿勢に応える」財源にも限りがあることも自明である。

社会保障に多くの割合を割くためには、著者は否定的な「国会議員を初めとする市町村に至るまでの議員歳費の削減」「議会対応の職員の激務ぶりと無縁な職員への効率的な勤務導入による人員削減」や「住民自らが出来ることはやる」など行政支出の削減.消費税の導入、原子力発電の当面継続使用などを強力に進める必要を感じる。

著者は、生活保護費の削減に反対し最低賃金のアップを主張しているが「日本経済のグローバル化はすでに進展しており」海外の低賃金との労働コスト競争により生産性の低い高齢者や障害のある人などの職場が失われる可能性も考慮しなければならないのではないだろうか?

確かに私が関わっている知的に障害のある人の生活にとって重要な意味を持つ「障害基礎年金」にお阿いては、「認定基準の厳格化」と言う名のもとに過去に受給できていた人と同等な人が受給できなくなった、障害基礎年金の更新が「最低賃金に近い賃金で働いている人」でも拒否された、と言う声を昨年から多く聞くようになってきた。
もしも「生活保護水準を超える生活を長年している」ことにより障害基礎年金を取り上げるようなことがあれば、それは障害基礎年金受給権利を取り上げるだけでなく、「社会保険制度の担い手」を生活保護へと追いやってしまう危険性を秘めているように感じている。

国の経営も基本は「入るを計り、出を制する」ところに有るはずである。
限界集落を持つ町村では、合併してサービスレベルを薄くするなどして対応しているのだろうか?たぶん血のにじむような努力を重ねているのではないか?
地方自治体や国は、コスト削減をこのようなところから学んではいかがだろうか?
予算制度の欠点(使い切るために無駄遣いをする)も切り込まなければならないだろう。
入る面では、企業や富裕層からの税収増だけでなく寄付に対しての優遇措置や理解促進をもっと進める必要があるのではないだろうか?

駅頭などで善意に頼った募金活動よりももっと寄付したメリットがはっきりした制度の構築も必要なのではないだろうか?
団塊世代の高齢者である自分としては、「こんなことある」と身につまされながら読了した一冊だった。



下流老人 一億総老後崩壊の衝撃
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発達障害者と自動車運転 梅永雄二 編著

地域によっては、通勤や買い物に欠かせない自動車運転だが、障害のない人にとっても簡単とは言えない運転免許取得だが発達障害者(軽度の知的障害者を含む)にとってはさらに高いハードルとなっている。

東京都都立特別支援学校就業技術科の生徒がフォークリフトの特別教育を受講する際に、多くの生徒が運転については興味をもって「まるで遊園地のゴーカートを運転するかのように」取り組んでいるのを見ると本書まえがきでADHDの人はミスが多いなど困難の度合いが大きいのにもかかわらず、運転することへのモチベーションが維持できるよう時間をかけて丁寧に講習を受けることで技能面では心配が少ないのではないのかと思う。

一方、LDなどの人が学科に取り組むのは運転技能の際に発揮されるモチベーションを期待することが難しそうに思われる。

本書では、発達障害者の抱える様々な困難さを成育歴や知能検査の結果なども含めたアセスメントを参考に日常生活に抱える困難なども把握して支援することで運転免許取得ができ自動車の運転ができるようになるとしている。

発達障害者の自動車運転教習を積極的に行っている鹿沼自動車教習所で、2011年9月〜2015年12月までの間発達障害者72名が受講し、67名が免許を取得した。
受講者の平均IQは77.5となっており一定の割合で知的障害者が含まれていることを窺わせる。
平均教習時間・段階毎の平均乗り越し回数・段階毎の技能検定回数・平均本試験得点・平均受験回数などのデータも掲載されており苦労していることが想像できる。

本書では、本人・家族編では「教習所に通っている人」「学科教習の内容・レベル」「通所」「技能教習」「免許取得後」などについての疑問に答えている。
教習所・教習者編では、教習を行う側での「発達障害の人への教え方やコツ」「教習に場面別の配慮方法」「学科が苦手な生徒への対応法」「何度伝えても忘れてしまう想いが伝わらない場合の良い方法」「人づきあいが苦手な人への接し方」などにも触れている。

事例として「ASD・LDのケース」「障害告知がされていないケース」「ASD・軽度知的障害のケース」「知的障害ボーダーラインのケース」「ASDの2つのケース」の6つがとりあげられている。

本書は当初「運転免許取得マニュアル」の刊行を目指していたようだが、予想通り一人一人異なった特性をもつ人に共通のマニュアルを作ることは極めて困難だったようだ。
発達障害者の抱える困難は、自分の苦手を根本的には克服できないことにありそこに適切な支援が必要でともにゴールを目指すことになるのだろう。
そういった意味で、本書で採り上げられている事例及び教習所での対応は、就労場面でも役に立つのではないだろうか?

地域によっては就労に際して必須の資格である運転免許取得には本書のように困難さがあり、データに表れているように費用も平均的に高くなっていそうである。
本書は、栃木県での事例を取り上げているが障害者の運転免許取得助成は身体障害者のみのようだ。

障害者枠での就労での賃金が最低賃金をベースにしている現状では運転免許取得は家族の負担抜きでは経済的に困難なのではないだろうか?
財政上難しいだろうが、東京都のように知的障害者の運転免許取得にも助成を行うことが地方にこそ必要なのでなないかと思う。


発達障害者と自動車運転―免許の取得と教習のためのQ&A
  • 梅永雄二_::_栗村健一_::_森下高博
  • エンパワメント研究所
  • 1296円
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