子ども達

リピート癖


嫌なことがあったとき、ずっと覚えていると、ずっと嫌な気分のままですが、嫌なことを忘れることができれば、気分はすぐに変えられますからね。

小さい子どもは、ケンカしたときに「ごめんね」「いいよ」というとっても簡単なやりとりで、ケンカしていたことを忘れて仲良く遊んでいたりします。

あの能力すごいよねと思うのです。

大人になると、覚えているじゃないですか?

勤続15年。入社したときに先輩に言われたひと言を今も覚えているとか。
結婚20年。最初の結婚記念日をすっかり忘れてしまっていた旦那さんのこととか。

覚えているというよりも、年々その記憶が鮮明になってくるというか、ムクムクと今さらながらに怒りがわいてくるとかってないですか?

何でも繰り返し繰り返し練習すれば、それなりに上手になるように、繰り返し昔あったことを思い出していると、だんだんと上手に思い出せるようになってきて、そのうち「あれ?こうだったっけ?」ということも出てくるけれど、ちょっと脚色を加えたりなんかしつつ、記憶をサラッと書き換えたりなどしつつ、何度も何度も繰り返して思い出す。

そうやっているうちに、出来事としては昔起こったことだけれど、今起こっていることのように腹が立ってきたりします。

繰り返すことで忘れないんですよね。

忘れようとするよりは、他のことに集中する


なので忘れるためには、繰り返し思い出さないことが大切なのですが、「あのことは、思い出さないぞ!!」と、力んだところで、「思い出さないぞ!」と思うたびに、実際には思い出すことになるので、「思い出さないぞ!」は有効な方法ではないのです。

「彼のことは忘れるぞ!」
「あの人のあの言葉は忘れるぞ!」
「あの失敗のことは忘れるぞ!」
そう決めれば決めるほど、強く記憶に残ってしまうわけです。

じゃ、どうすれば子どものように、忘れられるのか?

子どもは、楽しいことがいっぱいなのです。

〇〇ちゃんとケンカしたことは、腹立たしいことですが、〇〇ちゃんと遊ぶことも楽しい。
まだ遊んだことがない遊具にも興味がある。
帰って食べるごはんも楽しいですし、お風呂も楽しい。
お父さん、お母さんと話すことも楽しいし、知らないことがいっぱいあるので、それらを知ること、経験することも楽しい。

とにかく何だって、楽しいのです。

目の前の楽しいに集中することで、さっきケンカしたことは、忘れていけるわけですし、楽しいことをするのに忙しいですから、繰り返し思い出している暇がない。

ということで、大人である私たちも、楽しいことや、興味があること、未経験なことにチャレンジすることなんかをやり始めると、頭の中でリピートしている暇がなくなりますので、忘れやすい状態になります。

だから、失恋から抜け出すときや、気分が落ち込んでいる時、誰かへの腹立たしさが出てくるときなどに、「楽しいことをしましょう」とか「今まで興味があったことをやりましょう」とか、「スキルアップするために資格にチャレンジしてみませんか?」なんてことを、カウンセラーからお伝えすることもあるのです。

簡単にできたら苦労しませんよね


それができたら苦労しない!!

と言われるだろうな〜とは思いますし、私自身も昔はそう思っていました。

でもね。
最初はぶつくさ文句も言いたくなるし、やる気にはまったくならないんだけれど、最初の一歩を踏み出すことができれば、後はだんだんとチャレンジしやすくなってくるものです。

その最初の一歩は、相当頑張りが必要ですけどね。

頑張りか?いや、勇気なのかもしれないし、もしかしたら勢いかもしれない。

深層心理的には、「忘れたい!」と思いつつも、実は忘れたくない、その想いを握りしめていたいと思っているのです。

だって忘れちゃったら、繰り返しリピートできなくなっちゃうわけで、そうなると自分には何もなくなるような感じがするのです。

つまり、昔の恋愛が忘れられないのだとして、その恋愛を忘れてしまったら、自分には二度と恋愛なんてものは、やってこないと感じるので、昔の恋愛であろうとなんであろうと、無いよりはましというわけで、握りしめてしまう。

だから最初は、強制的にでも、友人に協力してもらい、新しい環境に飛び出したり、何かにチャレンジしたりが必要なんですよね。

新しいことにチャレンジしたり、楽しいことを体験したりしていると、感情が忙しいのです。

「楽しいぜ!」
「おもしろいぜ!」

で、腹立たしいことなど、嫌な感情をリピートしている暇がなくなるというわけです。

あくまで理屈理論のお話しですけどね。

苦労して大変な思いをした人は、先にこっちが重要かも


「この思いを忘れてしまったら、あんなに苦労した、あんなにつらい思いをしたことがなかったことになってしまうじゃないか!」と思えば思うほど、理屈理論で理解しても、なかなか新しいこと、楽しいことにチャレンジできない。

楽しまないために、思い出しているなんて部分もあったりします。

だから、しんどい経験をした人、苦労した人、頑張った人ほど、昔を忘れられなくて今も苦しんでおられることが多いんですよね。

そんな時は、楽しいことや、興味があること、新しいことにチャレンジするよりも、「くっそーーーー!!悔しかった」「くっそーーーーー!!腹が立つ!」と安全な場所で吐きだしたり、悪口ノート作って書いてみたりって大事かもと思います。

大門昌代の出版本


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