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2011年03月31日

頑張り過ぎに注意!燃え尽き症候群にならないために。

震災などの大きな災害でショックを受けたとき、茫然として何もできなくなってしまうタイプの方もいれば、逆に「それを何とかしよう」として頑張ってしまうタイプの方がいます。

今回は後者の方のためのコラムです。

例えば、食料を買いに走ったり、知人の安否を気遣ってメールや電話をかけまくったり、情報収集をしたり、みんなの面倒をみたり、まとめ役やリーダーを買って出たりされた方がいらっしゃいますね。

普段から自立的に行動されている方が必ずしもそうなるとは限らないのですが、何とかしなきゃ、と走り回ってしまう方も少なくなかったと思うのです。


それ自体、とてもアクティブで積極的で前向きに見えるのですが、ちょっと心配なんです。
そういうときって必ずオーバーワークになります。ハートブレイクが大きければ大きいほど。
そうすると、いずれ、燃え尽き症候群というものがやってくるんです。

気力があるうちは走り続けられるのですが、あるとき、パタッと動けなくなってしまうのです。

だから、気力が続く数週間〜数ヶ月は大丈夫なことが多いんです。
その間に事態が好転してくれたらいいのですが、問題の大きさによっては長期的な問題になることも少なくありません。
そうすると、いわゆるガス欠の状態となり、動けなくなります。


実は、こうした頑張りやさんは動き回ることで、心の中にある不安や怖れ、絶望、無力感、罪悪感などの感情を見ないようにしてしまうからなんです。

不安を感じたくないからネットや本を見まくって調べますし、周りの人に相談したり、何とかしようと走り回ります。失恋の後は何かと彼に連絡を取ろうとしたり、何とか間を取り持ってくれるように知人に働きかけたりするんです。(でも、それは逆効果なんですけどね)

そうして忙しく動いている間は、その不安を感じずに済むんです。
逆に、立ち止まってしまうと、たちどころにその不安に飲み込まれてしまう怖れがあって、動き続けるしかなくなるんです。(これは「怖れを怖れる」「不安を不安がる」という心理です)

でも、だからといって不安はなくなったわけではなく、心の中に押し込まれて、溜まっていくんです。


また、災害救助やボランティアなどの“使命感”を持つ方々にも、こうした問題に陥ってしまうことも少なくありません。
「自分が何とかしてあげなきゃ」「元気な自分にできることを頑張らなきゃ」という思いは素晴らしいものなのですが、そこに意識を向け過ぎてしまうと、その一方で溜まっていく不安や怖れ、無力感に疲労感などの感情がやはり同じように心の中に溜まってしまう可能性もあるのです。


では、どうしたらいいのでしょう?

頑張って動き回ることは必ずしも悪いわけではありません。
でも、オーバーワークになるということは、その分だけ周りが見えなくなってしまうんです。不安や無力感を感じないように動いているとしたらなおさらですね。

だから、ちょっと意識的にやらないと難しいんですが、周りの人の声や心により耳を傾けることが大切になってきます。

オーバーワークをしているとき、あなたの身近な人が何らかの忠告をしてくれます。
「ちょっと頑張りすぎじゃない?」
「なんか疲れてるように見える」
「もうちょっと休んだほうがいいよ」
「そんなに頑張らなくても大丈夫よ」
というように。

でも、そういう声を聞くと、
「いや、大丈夫、大丈夫。こう見えても自分は、元気だから」
「ちゃんと寝てるし大丈夫。今が頑張り時だと思うから」
「今動かないと後悔しそうだから、できることはやっておきたいんだ」
「そんなこと言っても休めないじゃないか。やるしかないんだよ」
「じゃあ、どうすればいいんだよ?誰がやるんだよ」
などと“反発”したくなるんです。

時には
「あなたは私の気持ちを分かってくれない」
と突き放してしまうこともあります。


頑張ってる分、自分で気合を入れてる分、そういう声が耳に届かなくなってしまうのです。

そのときはカチンときたり、分かってないなー、と思ったり、でも・・・と反発してしまっても構いません。
頑張ってるときなんてそんなもんです。

また、周りの人みんなが頑張って苦しい気持ちを共有してるときに、自分ひとりだけが楽をするわけにはいかない、と思ってしまうこともあるでしょう。
でも、それは共倒れのリスクも高まると思うのです。


だから、後で思い返して欲しいんです。一人になったときにでも。

それらは、あなたのことを大切に思ってくれている人からのメッセージです。
あなたのことをちゃんと理解してくれていないように感じたかもしれないけれど、でも、あなたのことを思ってくれているからこそ、出た言葉です。
それを受け取ってあげるんです。

言葉、というよりも、その気持ちを。

そして、少し、その気持ちに甘えてみてください。
心がほっこり温かくなるまで。
それが心にとってはいい休息に、オアシスに、なります。

そうすると、また、頑張れるんです。
そうすると、可能性は広がるんです。

そして、気付いてください。
もし、あなたが燃え尽きて倒れてしまったとしたら、あなたのことを大切に思う人が、とても悲しみ、傷つくであろうということを。

自分を大切に、というのは、あなたを思ってくれる人の気持ちを大切にすることでもあるのです。


もし、それでも頑張らなきゃいけないんだ・・・という場合もあるでしょう。
特に今の被災地ではそういう方の方が圧倒的に多いかと思います。

そのためにオススメしたいことは、不安や怖れ、無力感を隠さないことなんです。
強がらずに、その感情をできるだけ素直に認め、誰かに話をしてみてください。

自衛隊でもメンタルヘルスのために夜、車座になって、隊員同士がその日の経験を話す時間を設けていると伺います。
そこに専門のセラピストが1名でも入れば尚、良いと思うのですが、でも、素晴らしいことだと思います。

そうして、不安や怖れなど、心の内を素直に吐きだし、共有し、そして、軽くすると、再びあなたの心にやる気や使命感が蘇ってくるでしょう。

そうなれば大丈夫。また1日、頑張れると思うのです。