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2011年04月04日

あなたが楽になり、笑顔になることも、一つの支援ではないでしょうか?

私たちのカウンセリングや心理学の考え方の一つにこういうアプローチがあります。

例えば、

「私のパートナーを何とか楽にしてあげたいんです」

というクライアントさんに私たちは、

「まずは、あなたが今よりもっと楽になりませんか?」

という提案をすることが多いのです。


同様に、助けたい人がいる方は、まずは自分を助けることを、あなたが誰かの笑顔が見たければ、まずはあなた自身が笑顔になることを提案するのです。


なぜでしょうか?


これは、とても理論的に説明しようとすれば、投影やアカウンタビリティと言った若干専門的な考え方があるのですが、今回は趣旨からずれるので、その説明は省かせていただきます。

※参考※
14.投影とその活用方法〜人は心の鏡〜
398-1.アカウンタビリティ(責任の概念)(1)〜アカウンタビリティとは?〜



要は、「あなたが楽になったとしたら、その分、パートナーの荷物を背負ってあげることができるのではないでしょうか?」と考えるのです。

同様に、あなたが助かったとしたら、その分、心に余裕ができるでしょうし、視野も広がるでしょう。そしたら、助けたい人を助けられる確率って高くなると思いませんか?ということでありますし、あなたが笑顔になったとしたら、その笑顔を見て、あなたの近くの人もまた笑顔になれるのではないでしょうか?ということなのです。


「被災地の方々は避難所生活を強いられ、とても辛い毎日を送っていらっしゃる・・・だから、自分も我慢して、質素に生きなければ・・・」

そう考えることは間違いではないと思います。
実際、節電はものすごく実用的に大切なことですし、そのお陰で計画停電が見送られる日も増えてきました。

また、食べ物の有り難味や電気や水などのライフラインの恩恵について、謙虚に感謝することは大切でしょう。
家族を失った方の途方もない苦しみや悲しみを思えば、家族が生きて揃っていることの奇跡に感謝することも大切ですよね。

しかし、「彼らも辛いんだから」と我慢の生活を送ることはどうでしょうか。


震災以降、こんなお話を伺うことがありました。

「被災地では苦しんでいる方がたくさんいるのに、自分ひとりの幸せを考えて、こうしてカウンセリングを受けたりする私って、すごく不謹慎と言うか、自己中心的ではないでしょうか?」

私は、その質問に対しては「いいえ、そんなことはありませんよ」ときっぱりお伝えしています。


もし、あなたが被災地の方々を見て謙虚に生きることや家族の有り難味に感謝するのであれば、それは素晴らしいことです。
でも、逆に、あなたが自分の幸せを置いといて、あなたも一緒に苦しむとしたら、それはどうでしょうか?それを彼らは望んでいるのでしょうか?むしろ、あなたが幸せになって、元気になった方が、できる支援ってたくさんあると思いませんか?
もしあなたが幸せになったとしたら、その幸せを分けに被災地に行きたいと思うと思いませんか?


もし、あなたが被災地の方々を思って、愛の気持ちから質素な生活を心がけるのであれば、それは素晴らしいことだと思います。
でも、我慢や犠牲といった、愛から生まれるものではない行為はお互いを辛くさせることはあっても、良い関係は導かないと思うのです。


だから、あなたは自分の幸せを考えて良いと思うのです。
それはわがままでも自己中でもありません。

あなたが楽になれば、その分、誰かを楽にしてあげられます。
そうすると、その誰かも、また別の誰かを楽にしてあげるでしょう。
そうした輪が広がっていけば、やがては被災地の方にも届くと思うのです。

今の自分が喜びを得ることに躊躇しなくていいと思うのです。
今の自分が素直に笑顔になることを禁止しなくていいと思うのです。

ピュアな喜びや笑顔はヴィジョンを作ります。
また、あんな風に笑いたいな、と思えるように。
だから、辛い状況の中でも笑顔で遊ぶ子供達は、将来に絶望しがちな大人たちの光になるんですよね。


誰かのために、自分が笑顔になること、楽になること。
そういう支援もあると思うのです。