こんばんは、建部かずのぶです。

東日本大震災から、もうすぐ3ヶ月が過ぎようとしています。
強い余震の頻度も少なくなり、またゴールデンウィークもあったことから、日常を取り戻している方もおられるでしょう。

そのせいか、テレビや新聞でも震災に関する報道が以前よりも少なくなってきました。
人々や街が少しずつ日常生活を取り戻す一方で、目の前の景色と自分の気持ちに違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。


被災された方々は、置かれた立場によって様々な気持ちをお持ちです。
肉親や親族を亡くされた方、家や乗用車を失った方。
一方で何も失わなかったけれど、周りにそういう方がいらっしゃる人も、自分だけが助かっている事への引け目もあるかもしれません。

毎日の生活の中でもいろいろな思いが入り交じり、そう感じる自分にデリケートになってしまうことでしょう。
そのお一人お一人へのケアには、その立場に見合ったサポートが必要になりますし、そのタイミングも人それぞれです。

私が神戸に行った時にも、ボランティアの何気ない一言が被災者を傷つけてしまった、という出来事がありました。
逆に、ボランティアの言葉にホッとした、安心した、といった場面にも数多く出会いました。

人の気持ちって、分かるようで意外と分からない面があるのもまた事実だと思います。


また、自分は被災していないけど、あの震災をどこかで引きずっているのかなぁ、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
「でも周りは元気そうだし、なんだか自分だけが取り残されている感じがするんだけど・・・」
「最近どうも調子が悪いし、気分もスッキリしない。今ごろになって、どうしたんだろう・・・」

こんなとき、私たちはつい明るく振る舞って見せたり、あちこち動き回ったりして、何とか日常を取り戻そうと躍起になりがちです。
ですが、どれだけタフな人でも心の疲れを放置し続けると、イライラしたり逆に無気力になったりと、歪みとして現れることも。

「何とかしたい!」という気持ちは、心にゆとりがないと焦りや空回りになり、よけいに疲労感を生み出す結果になってしまいます。
ここでは、そんな自分を嫌悪せず、「今はこういう時期なんだな」と、意識を一旦横に置いておくことが大事ですね。


前回の「リラックスできる時間を作ってみましょう 〜気晴らしのススメ〜」では、気分をリセットするアプローチをいくつか書きました。
ですが、中には「それでも気持ちが晴れないし、なにもやる気が出なくて・・・」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

そんなときは、今のその気持ちを誰かに話してみましょう。


カウンセリングでは「話すこと」は「放すこと」と言われますが、自分の感じたことをありのまま話すことで、
イライラや緊張が緩んだり、気持ちがスッキリできる「カタルシス効果」が得られるのですね。
(カタルシスとは「浄化」の意味で、溜め込んでいた様々な感情を解放することによって心が癒される効果のことです)

重い気持ちを一人で抱えたまま何とか前に進もうとしても、何かの拍子にその重みで潰れてしまいかねません。
信頼できる誰かに話すことは、内なるものを外に出すことによって、少しずつ心がほぐれていたり、気分をリセットするアプローチなのです。

例えば、悲しみを抱えた人たちが集まって気持ちを語り合ったり、
またもっと気軽な場として、定期的に茶話会を開くことも神戸では多くみられたことです。


今回の震災の被害は、残念ながら甚大です。
その一方で、とても変な言い方ではあるのですが、気持ちを分かり合える人も多くいらっしゃるとも言えるかもしれません。

ただ、人に話したくない方や、境遇を話して同情されたくないと考える方もいらっしゃるでしょう。
感情を表出するタイミングは人それぞれですので、長い時間を掛けて見守り、いつでも迎えられる場所を作ることが必要です。

もしも、「今、そんな場所なんてないよ」と思うならば、手前味噌ではありますがカウンセリングをオススメします。
プロカウンセラーには初回無料電話もありますし、ボランティアカウンセラーは何度使っていただいてもOKです。

「最近、やる気が出なくて・・」でも、「近所のママ友が気になって・・・」でも、「ちょっとグチらせて!」でもけっこうです。
自分のことを言うのは慣れていないなぁ、と思う方は、まずは日々の出来事をカウンセラーとお話してから、というのもアリですよ。

上手に話すことよりも、自然な会話の中でも少しずつ気持ちは変わっていきますし、そのことで気晴らしにもなりますからね。
安心して自分の気持ちを話すことができる場所としてご利用いただけるなら、とてもうれしく思いますね。

話の内容に善し悪しはありません。人それぞれの思いや受け止め方、感じ方はみんな違うものです。
ただ感じたまま、思ったままを伝えること。それはたどたどしくても、上手に伝えられなくてもかまいません。

いざ話すとなると勇気も要るものですが、話をすることで気持ちが少しでも楽になったり、
余裕ができることによって状況が前に進むならば、それは大きな意味があるでしょう。


未曾有の大災害が起きても、人はいつか日常を取り戻さなければなりません。
ですが、あの極限の緊張状態から一気に戻すことは難しい作業だと思いますので、
自分なりの気晴らしを使って、焦らずに少しずつ心にゆとりを作っていきましょうね。