【心理学講座】投影とは

カウンセリングサービス清水三季央(しみずみきお)です。今回は投影をテーマにしました。

投影とは?
投影とは、自分の中にある感情や特徴を無意識的に他人や状況に見出す心のメカニズムのことです。投影を学ぶと、パートナーシップにおいて自分や相手をより深く理解し、上手に関わることができるようになります。

パートナーシップでの投影
私たちの心の中には、子供の頃に親と関わったときの多くの感情があります。パートナーシップでは、これらの感情や体験を無意識にパートナーに投影しやすいです。男性に対しては父親を、女性に対しては母親を投影することが多いですが、実際には場面によって変わることもあり、父親と母親をミックスして投影することもよくあります。

どんな投影があるの?
例えば、子供の頃に親にいくら文句を言っても親が優しくしてくれた経験があるとします。この感情をパートナーに投影すると、パートナーもいくら文句を言っても優しくしてくれるはずだと誤解してしまうことがあります。しかし、現実にはパートナーは親ではなく、対等な立場なので同じように優しくしてくれるとは限りません。結果として、パートナーに対して無意識に甘えすぎてしまい、文句を言い過ぎて嫌われ、関係が悪化してしまうことがあります。

また、子供の頃に親が非常に厳しく、よく親から自分が責められた心の傷がある場合、この感情をパートナーに投影すると、パートナーも自分を責めるだろうと誤解してしまい、パートナーの前でリラックスして心を許すことができなくなります。この状況では、パートナーとの親密な関係を築くことが難しくなり、関係が悪化してしまうことがあります。

なぜ投影するの?
投影は、現実を目の当たりにした時に感情が不安定になるなど、現実を捉えることが難しい時に起こりやすいです。言い換えれば、自分の内面にしっかり向き合っていれば、現実に向き合ってもネガティブな感情で不安定になることがなく、投影せずに現実をそのまま捉えることができます。

どうしたらいいの?
自分が投影をしていて現実を誤解していないか、内面に向き合う覚悟をして現実を改めて観察し直してみることが役立ちます。パートナーをより注意深く観察し、自分でわからない場合は、相手とコミュニケーションをとって確かめることもできますね。

例えば、子供の頃に親が優しかったケースならば、パートナーを改めて観察してみましょう。自分がパートナーに文句を言ったときにパートナーの表情にイラっとした様子を見つけるかもしれません。また、「私、時々文句を言ってしまうことがあるけど、ごめんね」とコミュニケーションしてみると、相手が「気にしてないよ」と返事をするか(本心かどうかわかりませんが)、「あれ、だいぶ嫌なんだよね」と返事をするかで、ある程度は確かめられますね。

親を投影していたので相手が優しそうに見えたけど現実は平気じゃなかったんだと気づけば「今までごめんね」とフォローしたり、今後は文句を控えるというアクションができます。

また、子供の頃に親が非常に厳しかったケースでは、パートナーの前で緊張を感じた時、パートナーが実際に厳しく接しているかどうかを観察し、自分が投影していないかを確かめられます。自分が親の影響で緊張してしまうことをパートナーとコミュニケーションすると、パートナーも厳しい目線だったことがわかる場合もありますし、パートナーが優しい気持ちでいたことがわかる場合もあります。さらに、パートナーとお互いに理解し合う時間を持つことで、リラックスしやすくなりますね。

おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。投影は無意識的にしますので日常的に意識することが大切ですね。自分で向き合えないくらいの感情があるとどうしても投影してしまうことがあります。カウンセリングやセラピーによって感情に向き合えるようになると改善します。また私からの専門的な直感や洞察によるアドバイスもできますので、ご興味がある方はぜひご相談ください。