今回は癒着をテーマにしました。
このような問題がありますか?
・パートナーの感情を自分のものとして捉える
パートナーが抱えるストレスや不安を自分自身の感情として受け入れてしまい、共鳴するようにストレスを感じてしまうことがあります。これにより、実際にはパートナーの問題であるにもかかわらず、自分自身が過度に反応し、気分も悪くなり、トラブルとなるコミュニケーションになることもあり、関係が悪化してしまう原因になります。
例えば、相手がイライラして黙っているので、こちらはイライラを感じとり「怒ってる?」と相手へ伝えたところ、相手が「怒ってないよ!」と怒って伝えてきたためトラブルとなるなど。
・家族の期待に応えすぎてしまう
家族からの期待に過度に応えようとすることで、自分自身の欲求や目標が犠牲になることがあります。これにより、家族の問題に囚われ、自立が妨げられ、個人の成長や自己実現が阻害されることがあります。
例えば、親がお前に結婚ができるはずがないというので恋愛や結婚がうまくいかない。または親が親の好みのお見合いを紹介してくるので自分の好みの人と関われないなど。
・他人の問題を自分の責任と捉える
友人や同僚が抱える問題を自分自身の責任として捉え、解決しようとすることも癒着の一形態です。このような状態では、自分自身のエネルギーが他人の問題に費やされ、自己の問題に取り組む余裕がなくなってしまいます。
例えば、パートナーの世話ばかりして自分の時間を楽しむ前に疲れてしまう。ブラックな職場で上司や部下のサポートに疲れ切ってしまいパートナーシップの問題が解決しないなど。
これらの問題の背景には癒着という心理的な問題が影響している可能性があります。
癒着とは?
癒着とは、他者や周囲の感情や問題が自分の感情や問題と混ざり合ってしまい、混乱してしまう状態を指します。この状態では、自分の感情や行動が他人に依存してしまい、自分自身の問題が不明瞭になるため、自分自身やパートナーシップの問題を解決できず幸福を感じにくくなることがあります。
なぜなの?
なぜ癒着という問題に陥ってしまうのでしょうか。癒着の背景には、幼少期の親子関係が深く影響していることが多いです。特に、過干渉や過度の期待を持つ親との関係では、子供が親の期待に応えようとするあまり、自分自身の感情や欲求を抑圧しやすくなります。このような状況が続くと、健全に自分を肯定する心理を持ちにくくなり、「自分が悪い」「自分はダメだ」などといったネガティブな感情を抱きやすくなります。この影響により成長後も他人との関係において、同様の癒着のパターンが繰り返されることが多いです。
その結果、パートナーや周囲の人々のネガティブな感情と共鳴しやすくなり感情のみならず思考も混乱しやすくなり、行動やコミュニケーションで問題が起こったり問題が解決できず、癒着の問題に陥りやすくなります。
どうしたらいいの?
癒着を解決するためにはどうしたらよいのでしょうか?具体的な方法をいくつかご紹介します。
・自分の問題と他人の問題を区別する
自分や他人、周囲の問題について考えて、ノートなどへ自分の問題のみを書き出してみましょう。この作業を通じて、何が自分の問題であるかを確認することができます。
・ネガティブな感情は相手のせいなのか理解する
癒着の問題がある時に相手の感情の影響を受けているようでいて実は自分の感情もネガティブである場合が多いです。言いかえれば自分の感情がネガティブでないとしたら相手や周囲の感情がネガティブでもあまり影響を受けにくくなります。
自分自身も自分が悪いという罪悪感や自分がダメだという無価値感、不安感などをもっているため1の自分の問題を解決しにくいと理解できると、この理解により相手や周囲の感情の影響を防いで、1の自分の問題を解決することへ集中しやすくなります。
カウンセリングではご自身の罪悪感や無価値感、不安感などのネガティブな感情を軽減して自然なポジティブな感情へ変えていくことができます。その結果、相手や周囲の感情の影響を受けにくくなり、ご自身の問題をクリアしたり、幸福感を感じやすくすることができます。
おわりに
癒着は、他人の感情や問題を自分のものと混同してしまうことで、自分自身の問題解決や幸福感を損なう原因となります。自分の問題を明確にし、それに取り組むことで、癒着から解放されることが可能です。このコラムで紹介した方法を参考に、自分自身の人生に対するコントロール感を取り戻し、より幸福な生活を手に入れるための一歩を踏み出してみてください。あなたの幸せなパートナーシップを祈っています。
コメント