アメーバブログで、恋と仕事の心理学火曜日の「うまくいくコミュニケーション」は、小倉健太郎カウンセラーと吉村ひろえカウンセラー、樋掛豪カウンセラーの4人で担当しています。
【 モラハラ、パワハラを受けた時の対処法 】
モラル・ハラスメント、パワー・ハラスメントのハラスメントは、
いやがらせと訳される事もありますが、精神的な暴力です。
職場で上司や同僚など、身近な人から、そのような行為を受ける事は、
とても、辛い事だと思います。
常識的に考えると、そのような事は、あるはずの無い事です。
人の気持ちを考えなさい。
人の嫌がる事をしてはいけないと、学校教育の中で、
ずっと、言われてきたはずです。
けれど、そのような事をされてしまう事は、けっして、稀な事ではないようです。
職場の中で、自分だけ無視される。
些細な失敗で、どなられる。
仕事のやり方を頻繁に注意される。
どんなやり方をしても、非難される。
理不尽な事を言われる。
ひどい、と思っても、なかなか、本人には言えません。
辛い事を、誰にも、訴えられません。
まわりの人も、なぜか、見て見ぬふりなような気がします。
そして、毎日が憂鬱になり、何をやっても、楽しくなくなります。
仕事も、その人かまた、何か言うのではないか、攻撃されるのではないかと、
びくびくしてしまうので、ミスが増え、さらに、攻撃される事になります。
恐れてはいけない、毅然とした態度をと言われても、
暴力の前では、無理なのではないでしょうか。
殴られた時、相手に、恐怖を感じるのと同じです。
よっぽど、腕に自信が無い限り、向かって行く事はできません。
人は防衛本能があるので、自分を守るために恐怖を感じてしまうのです。
精神論では、どうにもなりません。
仲の良かった同僚にも、なかなか、打ち明けられません。
味方を作ればいいのではないかと言う意見がありますが、
それもできづらくなります。
人は、自分を責める癖を持っているので、相手の事情での攻撃でも、
暴力を振るわれるのは、自分が悪いからではないかと思ってしまいます。
ひどい目に合うのは、自分が原因、自分が悪いからと言い聞かされて、
育って来たからかもしれません。
暴力を振るわれるほど、自分は悪い事をしている。
そんな行為を受けても、仕方がないほど、だめな人間なんだと
感じるようになります。
誰かに助けを求める事は、自分は暴力を受けるほど、
だめだという事を表明するようなものなので、言う事ができません。
また、こんなダメな自分を人は軽蔑するかもしれない、
助けてなんかくれないかもしれないと心の奥で思ってしまうのです。
そして、「あなたが悪いんじゃないの」と言われる事が恐くなります。
そう言われてしまったら、居場所も生きる場所も失ってしまうように思えるからです。
真っ暗な闇に転落して行く気分になってしまうのかもしれません。
この精神的な暴力は、同じような立場で、同じように受けていない場合、
理解できにくいという事があります。
「そんな事、気にしなければ、いいんじゃないの」
「そんな事、する人には見えないよ。たまたま、機嫌が悪かったんじゃない」
そういわれる事もあるかもしれません。
そうなると、誰にもわかってもらえす、孤立感を深めて行きます。
また、職場は利害関係の場でもあります。
みんなは我慢できているのかもしれない。
自分だけが大げさに考えているのかも。
もし、自分が何か言ったら、輪を乱したとして、みんなに嫌われてしまうかも。
仲が良かった同僚でさえ、どう思われるか、恐くて、何も、言えなくなります。
同じような環境にいる同僚も、信じられなくなります。
こんな事で、悩んで、辛いと言っている自分をみんなは嫌うのではないか。
精神的なものであっても、暴力を受け続けていると、心は壊れて行きます。
数回、ひどい責められ方をしても、
また、同じような事があるのではないかと、心は怯えます。
まわりの人がなかなか助けられないのは、潜在的に、暴力を受ける事を恐がるからです。
それは、道徳の問題ではなく、生存を維持するために、
自動的に気がつかないうちに、そうしてしまうのです。
モラハラ、パワハラによって、精神的に暴力を受けると、
そうされる自分を責め、人に助けを求める事もできず、
人を疑うようになり、孤立感を深め、追いつめられて行きます。
そうなると、日々は辛いだけになり、何の希望も持てなくなります。
感情も感じなくなります。
生きる意欲も無くなります。
それでも、生活のために仕事は辞められないのかもしれません。
仕事を辞めてしまったら、生きて行くことができない。
がんばり続けて、事態が好転すれば、その体験は、忍耐を養う事になるのかもしれません。
けれど、心が壊れてしまい、体も、
そして、命さえも壊そうとしてしまったら、何もなりません。
命を壊してしまったというニュースを見るたびに心が痛みます。
私も、ずっと、以前ですが、会社でそのような体験をした事があります。
その時は、本当に辛くて、
「神様、私を連れて行って下さい。こんなに辛いのは、もう、嫌です」と祈りました。
私の心も壊れかけていたのかもしれません。
「生きるのがめんどくさい」と、よく言っていた事を思い出しました。
私は、上司に部署替えを申し出て、それを受け入れてもらい、
心の平安を取り戻しました。