「ある」に軸足を置く(3)是枝裕和監督の「万引き家族」に思ったこと

2018年06月14日

「ある」に軸足を置く(4)

こんにちは。
カウンセリングサービス
やなぎあこです。

昨日の続きです。

怖れに基づかず与えているものは
全き愛ですが、
心理原則の返報性
(与えたものと
同じものが返って
くる)の通り、全き愛が返ってき
ます。

全き愛。
無条件の愛とも言えるでしょう。

すると、こころが満たされていく
んですね。

なぜかというと、誰かに何かを与
えたとき、こころの原則により、
同じものが同時に自分にも与えら
れているのです。

だから、無条件の愛を与えると、
同時にそれは自分にも差し出され
ています。

どんな自分でも愛される、という
感覚です。

こころが満たされていくんです。

そして、おなかいっぱい食べたら
それ以上欲しいとは決して思わな
いように、たとえば「使い切れな
いような金額」が欲しいと思った
り、対人関係に不安を感じにくく
なったりするのです。

ですから、見返りなく与えるとい
うのは、見返りを求めちゃうと、
いつまでもこころが満たされなく
て、逆にひもじくなってくるから
怖れに基づいた、見返りという発
想は手放しましょうか、という意
味でもあるわけです。

見返りなく与えることを、崇高で
特別すごいこと、なんて思いたく
なるかと思うのですが、どちらか
というと、「逆に損するよ」とい
う、もったいないおばけみたいな
存在からの、メッセージのように
私は思うのです。

見返りを求めたいとき、人は怖れ
を感じています。「ない」という
感覚ですね。

誰も愛してくれなかったから「あ
る」とは思えない、そう感じるこ
ともあるでしょう。

でも、もし「ある」ことを経験し
ていなければ、私たちはこの世に
存在しないのです。

心理学的に考えると「ある」を、
経験していなければ、こころの仕
組み上、私たちは存在することが
できないからです。

隠れてしまっているかもしれませ
んが、この世に生きている人なら
誰でも「ある」のです。

だから「ない」こと、つまり怖れ
に同意しないでください。

「ある」ことに軸足を移し始める
と、こころに変化します。
変化したこころが投影されるので
世界が変わってきます。

はじめのうちは、見返りなく与え
ることに抵抗を感じるでしょう。

怖れが、軸足を愛に移させないよ
うにしているからなんですが。

愛はなくなることはありませんで
したよね。

ごくハードルの低いところから、
挑戦してみて欲しいんです。

シンプルな話だと「ありがとう」
って、与えても(言っても)なく
なりませんよね。

私たちは他人に対して、思ってい
るより「ありがとう」なんて言っ
てません(笑)。

コンビニの店員さんのような遠い
関係性の人に「ありがとう」って
いうこと、どのくらいあるでしょ
うか?

ちなみに私が心理学を学び始めた
ころに、師匠に出された宿題が、
コンビニの店員さんにおつりをも
らうときなどに「ありがとう」と
いうことを、3ヶ月続ける、とい
うものでした。

馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませ
んが、案外できません。

それこそ、

・こんなことをして何になるんだ
・優しくするのは偽善じゃないか

などなど、よく思っていました。

でも、世界が変わった今となって
はやはり、愛を実行させなかった
私の怖れから来る、自分自身への
脅しだったなあ、とつくづく思い
ます、

今では店員さんには例外なく「あ
りがとう」を言いますが、何らか
の温かな感情が共鳴する瞬間を、
よく感じます。

(店員さんの経験のある方は「あ
りがとう」を言うお客さんと、そ
うでないお客さんを接客するとき
にご自分がどういう気持ちを感じ
ているかの違いを、考えていただ
けるといいと思います)

こういった関係性の人に言えなけ
れば、身近な人にも言うことがで
きません。

期待や「取引」があるときは言え
るかも知れませんが、なんでもな
いときって、案外言っていないも
のです。

こういった練習をコツコツとして
いくと、いつの間にか、幸せだな
と感じられるこころが、育まれて
いき、「私は愛される」と無条件
に思えるようになるでしょう。

「ある」ことを信頼できるように
なるわけですね。

この感覚がつかめると、生きる世
界はがらっと変わります。

自分が生きる世界を、がらっと変
えた、私が保証します。

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