3/28,29の両日、学科の友人と共に、少々秋田へ行ってまいりました。

今回の旅の目的は視察。
現在私が所属している、仙台都市まちづくり研究会の活動の一環です。


朝、仙台駅前の高速バス乗り場に集合し、そこからバスで3時間20分かけて秋田へ。
よくよく考えてみたら、高速バスで旅に出るのは人生初の体験でした。


秋田駅到着後、スギダラ秋田支部の代表である菅原さんという方と待ち合わせ。
このスギダラというのが、今回訪問させていただいたコミュニティの名前なのです。


そのスギダラとは何ぞや?という話ですが・・
スギダラとは、日本全国杉だらけ倶楽部の略称のことで、もともとはデザイナーの南雲勝志さんという方が、県産材の利用に積極的であった宮崎県で、 地元の杉を用いた商品や施設のデザインを手掛けたのが始まりでした。

そこから、杉の産地として有名な地域で、材木としての杉の魅力をきちんと評価し、産地や加工者、流通、デザイン、販売など杉を取り囲むシステムを 結びつけることで、杉をもっと積極的に使っていこうじゃないか!という運動が広がり、現在では日本の杉産地に支部が何箇所か存在しています。


さらに詳しいことは、グーグルで「スギダラ」あるいは「日本全国杉だらけ倶楽部」と入力し、検索してみてください。スギダラのホームページがヒッ トするはずです。


秋田のスギダラでは、秋田杉を用いた街づくりやワークショップなどを積極的に行っており、その活動形態や考え方などが我々都市研の活動の参考にな るのではないかと考え、今回訪問させていただく運びとなったのです。


菅原さんとアルヴェで待ち合わせ。アルヴェとは秋田駅東口にある複合施設のこと。
この建物の一階にはコミュニティスペースがあり、この日もフリーマーケットが開催されていました。

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この建物にも杉が用いられています。

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これはチェーンソーアートなる作品。
大きさの異なるチェーンソーを駆使し、丸太からこのような作品を削りだすとのこと。
すごい!
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このアルヴェ、コミュニティスペースは設けられているものの、コミュニティ施設としては使い勝手が悪いのだそう。
作ったはいいが利用されない施設というのは、利用者側の視点で考えて作られていないもの。このような施設は秋田に限らず、日本全国いたるところに 存在してしまっています。


続いて、秋田駅西口バス乗り場へ。
このバス乗り場は、秋田杉街並みづくり推進事業によって、既存のバス乗り場を秋田杉を利用した施設へと改修したものです。

※写真はホームページより拝借。

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秋田県の玄関である秋田駅前に、このような立派な施設があることは、初めて秋田に足を踏み入れた人にとても良い印象を与えるのではないかと思う。 おっ、秋田はなんか違うぞ、と。
とてもインパクトが大きい。
そして、木が持つ暖かみが感じられ柔らかい印象を受ける。
杉を街づくりにとても有効に活かした素晴らしい事例だと思う。


続いて、次の目的地へ向け秋田の中心市街地を車で移動。
市街地にポツン、ポツンと空き地が目立つ。
駅からそう離れていない地区、むしろ駅前の一等地と呼んでも差し支えないくらいの場所であるはずなのに、街が空洞化してしまっている。
まるで郡山市のよう・・。おっと、地名がローカルすぎたか。


原因の一端は、市内中心部を走る道路にもあるのではないかと菅原さんはおっしゃっていた。
秋田駅前は、中心市街地を三車線から四車線ほどの一方通行道路が右回りに囲んでいるという珍しい構造になっている。
この道路配置は、計画された当時、とても画期的で話題となっていたらしい。

だが、この配置は、秋田にはそぐわなかったのだろう。
どんな画期的な計画でも、効果が出なければ意味がない。

一方通行の道路を相手にしてでは、商売は当然やりにくい。
そして、歩行者の数も少ないとなれば、沿道の商店がどうなってしまうのかは目に見えている。


次の目的地は、千秋公園周辺。
この場所にはお堀が残っていて、とてもよい景観を形成している。

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・・・のだが。周辺のアーケードの赤い柱・・。

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秋田で国体が行われた際、何を考えたか秋田県の「元気」をアピールするために赤い色で塗ったんだと・・。赤・・ねぇ・・。

このお堀周辺では、親水利用へ向けて色々な案が出ているのだそう。
秋田杉を利用したボードウォークとかボート乗り場、ポケットパークなど。

秋田杉を利用したボードウォークなんかは、個人的にいい案だと感じたんだけど、予算が足りなくて歩道全てにボードウォークをつけるのは無理なんだ そう。
一部分に堀に向かってせり出しをつけるくらいなら出来るのだそうだが・・。
それはそれでまた景観がどうなるのか、不安なところではある。


千秋公園内にある秋田県立美術館を見学。
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常設展として藤田嗣治展が催されていた。
最初に名前を聞いた時、誰?と思ってしまったが、要はレオナール・フジタの事だった。
こっちの名前なら割と聞いたことあるんじゃないかな。
彼が土蔵の中で書いた「秋田の行事」という3.65×20.5の作品は、思わず息をのむ素晴らしさだった。


この県立美術館はとても古い建物で、撤退した施設の跡地を利用した市内中心部への移転計画案が現在持ち上がっている。
計画では、移転する建物の設計は、なんとあの安藤忠雄氏が手掛けるということになっている。

でも、この計画案は、現在県議会などで喧々諤々の論議が行われているらしく、反対の声のほうが大きいらしい。
というのも、跡地の再開発事業で建てられるものとして、美術館のほかに高層住宅、商業施設、ふれあい何たら館というものがあるらしく、これらの施 設を利用して中心市街地を活性化するという全体案なのだそうだ。

市街地活性化に美術館やふれあい何たら館というのははたしてふさわしいのかどうか。
駅前にアルヴェもあることだし、これ以上コミュニティ施設は必要か。
そういった声が大きいのだそうだ。

やはり、箱モノではなくソフト面をどうにかしなければならないのでは・・というのは菅原さんの声。

「ふれあい」とか「市域住民の交流」とか言うと聞こえはいいのだけれど、はたしてその実態はどうなのか、とかもね。利用実績とか。

箱モノを建てること=市街地活性化、ではないとは私も思う。
これからの行政の課題ですよ。こういったことは。


さて、今度は秋田市内を離れ、二ツ井方面へ移動。
二ツ井が秋田から80kmくらい離れているということは、前日に知ったw


道中、菅原さんとは様々な話をした。
地場産品消費のシステム作りに関するお話であるとか、「なまはげ」以外に「やまはげ」というものが存在するであるとか。

それと、最近、韓流ドラマのロケの影響で秋田への観光客が急増しているという話もあった。
韓国からの観光客が1000人から4000人ぐらいに増加したらしい。
そのドラマがどんなストーリーだったかも軽く話をしたんだけど忘れてしまった。
なんだっけ、確かスパイかなんかが「なまはげ」に変装して相手を殺すという・・・
日本文化誤解されるぞw


一時間強の移動の後、到着したのは森岳温泉という温泉地。
ここで行われるというスギダラ二ツ井支部の一八会という定例会のようなものに参加させていただきました。
この支部のメンバーは、二ツ井の商店街の方々がメインで、主に窓山で活動を行っているとのこと。

ちなみにその窓山というのは、二ツ井の山奥に存在する地名で、限界集落を越えて消滅寸前になっていた地区のこと。現在その地区には一世帯しか住んでいません。

この集落をケーススタディとして、領域を超えた専門家と、白神山麓の里山文化を次世代に継承する場として窓山の再生を願う有志が現地に集い、地方 の農山村で生き残っていくための「デザイン」とは何か、地域が持続していくためのデザインを共に考え実践するために、活動しています。


メンバーの方々は、どちらさまも地元企業の代表取締役クラス。

しかし、会の雰囲気はとてもアットホーム。
来るものは拒まないというスタンスのようだ。

温泉に入ったり、食事をしたり、ただの飲み会だなこりゃw

ちなみに「一八会」という名前の由来は、毎月18日にこうして集まっているからなのだとか。
決して一か八かとかそういうことではありませんw


三時間ほど食事や温泉を満喫した後、今度はメンバーの一人、「Mr丸投げ」の異名を持つ加藤長光さんという方のお宅へ移動。この方は「モクネット」の代表取締役です。(この時は素性が分からなかったけれどw)
そして、この方のお宅に併設している、「きみまち塾」という塾舎がこの日の我々の宿です。


この加藤さんのお宅がとても素敵でした。
玄関に入った瞬間漂う杉の香り。
家じゅうふんだんに使用された秋田杉。

塾舎も杉だらけ。
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加藤さんのおうちで地元の方々とさらにお話。
結局、解散するまで、午後二時からなんと計九時間飲み放題w
ただし、ビールと焼酎、日本酒に限るというえらい状態。

そんな状態になりながら様々なお話を聞くことができました。

ためになる話から、酔った状態でしか話せないここだけの話、そして初対面の俺らにこんなこと話していいの!?というような深い話まで。
ほんとに皆さん、いい方達ばかり。


来るものは拒まない、皆仲間にしてしまう。
今ではすっかり忘れ去られてしまった、人と人とのつながり、手放しの信頼。そういった、昔の日本では当たり前だったとても大事な感覚がこの地域に は生きていました。


皆さん訛りは結構すごかったですけどね・・。
このレベルの訛りは久々に聞いた。
「菅原さん」が「セガワサン」に聞こえるレベルで・・。


一つ例をあげると・・
例)アンチャン、スォコサカカッティルカリンダ、イツマイメクッテスガツノヨウビサミセテケレロ。


訳)お兄さん、そこにかかっているカレンダーを一枚めくって、4月の曜日を見せてくれませんか。


この文を地元民の活舌で、酔っ払った状態で聞いた友人は・・・
おもむろに電気のスイッチをいじり始めようとする始末。


あ、こいつわかってねーなw


東北の端くれに住んでいる俺でさえ2割ぐらいは聞き取れなかったんだから、静岡出身の彼が聞き取れなくてもしょうがないw
後で聞いたところによると、この時は「カリンがどうとか聞こえて全然分からなかった。」と申しておりました。


そんな感じで夜は更け、視察は怒涛の2日目に突入するのであります。
続きはまた今度。それでは。



※モクネットの説明が抜けておりました。面倒なので自分で調べてくださいw
グーグルで検索すると、「もしかして モグネット」とか出てきますがモクネットです。
ホームページに詳しいことが書いてあります。とても素晴らしい取り組みです。