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イタリア人の夫がしきりに「読め」とすすめてくれる本がこれ。タイトルは「Q」、作者はルーサー・ブリセットと言いますがこれはあくまでペンネームで、実際は4人のボローニャ出身の若者が書いています。ペンネームのルーサー・ブリセット( Luther Blissett )は80年代にACミランで活躍したサッカー選手の名で、なんで彼の名を筆名にしたのかは不明。現在はWu Ming(ウー・ミン)なるペンネームで活躍中というちょっと変わった作家グループ。


理系出身で歴史にはまるっきり疎い夫が「今まで読んだ本の中でも最高の一冊」と激賞しているその内容は、ルネサンス時代のスパイストーリーだそうで時代はマルティン・ルターの宗教改革とパオロ四世による異端裁判真っ盛りの時代。まだ枢機卿であったパオロ四世、ジャンピエトロ・カラーファ( Gianpietro Carafa )に、Qというスパイがドイツに潜入しスパイ活動を行い手紙を送るという内容で、007も真っ青の金の使いっぷりなんだとか。日記と手紙で構成された本の厚さおよそ700ページの大作で、いくら興味があっても二の足を踏む重量であります。しかも読み始めると、なんと言うか手紙も時代がかった語り口で慣れるまでに相当時間を要しそう。ただし、登場人物はQ以外はすべて実在で、読めないのに興味をそそられるのが悔しいところ。


私が今よく読むのはほとんどノンフィクションで、ノンフィクションならば事実さえつかめれば作家の筆使いまでは気にする必要がないからです。ノンフィクションの本は、わからない単語の上に鉛筆で日本語の意味を書いても何が変わるわけでもない。しかし小説は内容だけではなく文脈までさらっと読みこなせないと意味がない。歴史小説を興味があって買っても、イタリア語では作家の意図する雰囲気まで読み取ることができない。辞書と首っ引きになっていては小説の醍醐味なんて吹っ飛んでしまいます。塩野さんはレオナルド・シャッシャの本について論評を書いていたことがありましたが、やはり苦もなく読める力があってこその論評なんですね。


というわけで、この本、誰か日本語に訳してくれないかと待っている次第です。すでに十数カ国語に訳されているというのに日本語はまだ未刊。700ページの大作ゆえ、どこかの翻訳者が現在も苦労していると信じつつ未練たらたら厚い本を眺めている私です。


同じ本で英語でご苦労をされているうーさんさまの記事はこちらです。


この本の翻訳本がどうしても欲しくてインターネットを見ているうちに出会いました。


http://usanblog.blog49.fc2.com/?no=344





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