(組手中の有明です)
今日は、午前の稽古会、夕方の稽古と合計4時間ほど空手の稽古です。
最近、稽古会に参加している効果が組手にはっきりと出てきました。
今日の稽古会もまたいろいろな発見があって全部は書き切れませんが
両手を胸の前において肘と肘をくっつけて、背中をやや丸めた状態から
両腕を一気に左右に開く動きを稽古しました。
両腕が一直線になる感覚ですね。当然肩甲骨の動きも絡んできますが
この感覚が「重い突き方」の基礎になっていることを学びました。
よく、中国拳法などで、前に手を出すときに、まるでバランスを取るかのように
後ろの手も伸ばしているのを見ますが、
これもまた両手を一気に左右に開く感覚ですね。
中国拳法では蹴りを出すときにも両手を左右に開きますが
これらは十字勁という発勁の仕方だと言われます。
今日訓練したのはそこまで大げさではありませんが、
両腕を一本の線にする感覚を身につけると、背中の中心で突きを出す感覚が身につき
突きが早く、伸びるようになるということです。
実際には両手を伸ばした時の肩甲骨や胸の張りを覚えておいて
それを構えと突きに応用していくのです。
といっても何のことだかわからないと思いますが
以下の動画の1分7秒から起きていることが、これに近いですね。
ここでは、突きも蹴りも平凡な女子学生が、山城美智先生の指導を受けた途端
一瞬で、恐ろしく早い突き蹴りに変わっている様子が見られます。
山城先生は、女子学生に両腕を背中側で合わせさせ、肩甲骨の中心を意識させました。
このあたりの感覚が、「両腕を左右に開く」感覚と同じなのです。
肩甲骨を後ろに引き、胸を張り、両手を高く、掌を正面に向けるところがそうですね。
この後の突き蹴りの変わり様はすさまじく、見ていたメンバーから「おおっ」という声が起こり
特に後ろで見ていた別な女子学生は口を手に当てて絶句しています。
前にも書きましたが、胸を開いて両手を顔の横に置き、掌を正面に向ける構え。
見た目は「ギブアップ」に見えるので、私は「ギブアップの構え」と呼んでいますが
この構えで身体の重心が手の位置に上がり、移動が速くなります。
同時に、突く瞬間に重心を前足に落して突くと、突きが早く、威力も強くなります。
重心の移動によって起きることですが、このギブアップの構えは、
両腕が一直線になっている感覚がとても重要なように思います。
以上のことを詳しく知りたい方は以下の動画をご覧ください。
特に2分40秒あたりから、この「ギブアップの構え」の話になります。
問題は、伝統派空手は半身の構えを取ることです。
フルコンではこの構えは致命的で、ローをもらいやすいので推奨できません。
また、この半身の構えからの突きは顔面突きに大きな威力を発揮しますので
このままではフルコンにあまり役立つものにはなりません。
半身四股立ちからこの突き方の感覚を覚えたあとは
体を正面に向けて、同じ感覚で突きを出せるようにします。
かなり伸びる、フルコンの突きとは射程の違う突きになります。
また、ほとんど力を入れずに、重心移動と落下の力で突くので体力のロスがありません。
非力でも体力虚弱でもいけます。要するにおじさん向けの突き方になります。
他にも、相手を勘違いさせてだます技術(これはもうフェイントを超えていますね)など
さまざまなことを体験しましたが、もっとも驚愕したのは
「会話しながら組手をしてみる」
いくらなんでもこれはねえだろうと思いつつ、
会話しながら軽くスパーリングをしてみたのですが
なんということでしょう。息が切れないのです。
これが全く自然な呼吸なのだそうで、いかなる作為的な呼吸よりも効果的です。
まあ、かといってスパーリングの相手に毎回話しかけるわけにもいきませんし
独り言をつぶやいてスパーリングをすれば、
気味悪がって誰も相手をしてくれなくなりますね。
自然な呼吸を心がけることが重要なようです。
さて、夕方からの稽古は時間短縮で行われました。
基本稽古をしたあとに受け返しとスパーリングです。
久しぶりに10名ほど集まっての稽古でしたが、
この人数なのでスパーリングがきつくなりました。
ただ、「自然な呼吸」を心がけたことと、「ギブアップの構え」で軽く突きを出していたこと
足を引き抜いて飛ばしてやる蹴りを出していたことで、
体力のロスがかなり抑えられました。
56歳のおじさんが、若者と同じペースで組手をやるとなれば
やっぱりそれなりの工夫が大事だとつくづく思いましたね。
それでも、最後になるとかなりヘロヘロになり、若手のY君に押しこまれて苦戦しました。
伝統派の突きに慣れてくると戦いの間合いがやや遠くなり、
接近戦への対処が不十分になりますね。今後の課題です。
まあ、先生からの注意もあって、あまりガチガチとしたスパーはしませんでしたが
(最近またあたりがきつめになってきています)
それでもSKさんにはしんどかったようで、稽古後には誰の蹴りが痛い、突きが痛いと
愚痴をこぼしていましたね。
まあ、しばらく稽古を離れていらっしゃったので、しんどかったんでしょうね。ファイトです。
実はね、みんな強くなっているんですよ。
特にNMさんやTHさんは、最近ちょっと変わってきています。
軽く突き蹴りを出してもそこそこに効いてしまうんですよ。
THさんはスピードが特に速いので、当てる瞬間に力を抜いていても、そこそこ痛いです。
NMさんも重力級の持ち味に目覚めて軽い突き蹴りでも侮れません。
ただ、それぞれに、相手に怪我のないように配慮をしっかりしていますね。
心配ありませんから、頑張りましょう。
いや、ガッチリ稽古をすると、本当に気持ちがすっきりします。
また来週、お会いしましょう。
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