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中年空手百条委員会の有明省吾です。

 若い連中と組手をしていて、つい熱くなって連中のペースに引き込まれ、体力が続かなくなってボコボコと攻撃をもらうことの多い昨今です。そういう問題に直面している中で、この伝説の動画を見直してみたのですが、やはり自分のペースの大事さを感じさせられました。

 これは極真空手と太気拳の交流稽古の様子を撮影した有名な動画でみなさんもご覧になったことがあるでしょう。聞くところによれば大山倍達先生には内緒で行われていたもののようで、あとでバレてからは行われなくなったそうです。しかし、昭和っぽいですね。「交流稽古」というと事実上の「他流試合」を意味していた時代の空気がぷんぷんと漂っています。極真の選手の中にも「太気拳」を稽古していた人が当時は多かったようですね。戦える拳法だったということでしょうか。

 この8ミリで撮影したと思われる画面の暗い動画は松井館長と、太気拳の島田師範の組手動画のようです。前半はなかなかいい勝負で、あの松井館長も顔面にボコボコと攻撃をもらい、取っ組み合いになって押されがちになっています。島田師範は太気拳の構え、テンポ、リズムを守って攻防を行っています。世界の松井館長を相手にこの戦いぶりは只者ではありません。しかし、私の見たところでは、戦っていくうちに島田師範が、ファイティングスピリット全開になって太気拳らしさを一瞬失い、足を止めて打ち合い出したところ、顔面に強烈な突きをもらってしまうシーンがものすごいですね。このほんの一瞬が勝敗を分けてしまったようです。極真の得意な戦い方の土俵に立ってしまったということでしょうか。

 やっぱり、いざとなると、自分のやっている武道の技術よりも、喧嘩魂のようなものが全面に出てきてしまうものでしょうね。強い人の核の部分には、間違いなくそういう生来の気持ちの強さがあると思います。こればっかりは努力で身につくものではなく、私のようなヘタレにはとてもまねのできないことです。
  
 しかし、こうして自分のペースを崩した瞬間に痛い目にあうというところだけは、私のレベルでも理解できました。ペースというのは「戦い方」ということです。太気拳には太気拳の戦い方があり、極真には極真の戦い方があります。どっちが強いということではなく、自分の戦い方を一瞬でも離れてしまうと痛い目にあう。これは前半に松井館長が結構押されていたことにおいても、同じことが言えるのかもしれません。

 私はいま、こんな強い人同士の戦いを、僭越にも「講評」するという愚を犯しておりますが、自分の稽古に活かしたいという視点でこの動画を見ています。私のレベルでこの貴重な動画を教訓とさせていただくために、多少失礼な物言いをしていることをご理解ください。

 私自身、やっぱり、中高年の組手の仕方を研究している途上なのですが、猛烈なラッシュで押し込まれると、猛烈にやり返そうとする自分がいます。それは明らかに30年前の自分が取るべき戦い方であって、今の自分がそうすれば早晩負けてしまうことははっきりしてしまいます。しかし、ムキになって熱くなり、それに応じてしまうところに問題を感じています。その結果、昨今稽古していることが見事に頭から飛んでしまうのです。脱力すれば効果的な攻撃ができるはずなのに、ガチガチに力んで殴り合いに応じています。「負けるもんか」という根性がアダになってしまっています。

 以下の動画も、「自分のペース」「自分の武道の戦い方」という点で見てみると興味深いものですが、8分を過ぎたあたりに登場する、赤いシャツを着た方の戦いぶりがとても勉強になりました。


 奇妙な動きが目立ち、体も小さく、とても強そうには見えない方ですが、この方は最後の最後まで自分の戦い方のペースを守っています。その結果、勝ちこそしないけれども、決して負けてもいないという戦いを展開していますね。相手は世界の松井館長ですよ。これは大したことです。小柄な彼は最後まで自分であるというよりも太気拳であり続けたということかもしれません。

 一連の動画を見ると、体の大きな人は取っ組み合いに持ち込んででも勝とうとしていますが、体の小さな人はあくまでも太気拳の動きを守ろうとしているように見えます。力の勝負では勝てないだけに、技で対抗しようとしているかのようです。このあり方がとても勉強になりました。

 大変貴重な動画だと思います。このような過激な交流を行いながら技を磨こうとしていた当時の関係者の皆さんには本当に深い敬意を覚えます。私は最後まで自分の戦い方を冷静に続けるべく修業すべきだという啓示をいただきました。

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