「サキにゃんと!」

「ナナオンの!」

「「Wマウス講座!!」」

「2回目にゃ! 今回は眷属についてだにゃ」

「眷属ったって、あなたもう充分知ってるでしょ?」

「サキにゃんは若生のスレイブだから実は本当の眷属については良く知らないにゃ」

「確かに若生君は正式な眷属ではないのだけれど・・・・・・ところでちょっと素朴な疑問があるのだけれど?」

「なーにっかにゃ♪」

「Wマウス講座って何ってか、なんなのWマウスって?」

「にゃんとお気づきでない? お口閉じてみ?」

「はあ?」Д

「閉じてみ?」

「ふむ」w

「鏡を見るにゃ。吸血鬼がお口を閉じると牙を隠さないといけないにゃ」

「ふむふむ」

「牙を隠した唇はWの形に――」

「ふむー?! うそっ! 気付かなかった・・・・・・」

「納得できたところで講義再開にゃ」

「け、眷属というのは後天的な血縁者、吸血鬼的にはマスターの配下の者ということなのだけれど、マルリックやエディーは吸血鬼=眷属という意味合いで使っているわね」

「スレイブを作っていいのが眷属と言っていいのかにゃ?」

「そういう意味合いで眷属という言葉を使っていたのはロード・フィルだったわね。彼は明らかに自分が眷属以上の存在であることを意識して眷属を階級の下の者として扱っていたわ。彼の意にそわない眷属にはスレイブを作ることさえ許さなかったのだから」

「ロード・フィルはエルダーだったんだにゃ。エルダーって何かにゃ?」

「エディーは、いにしえの吸血鬼、古き血統、災厄の源と、つまり高齢の吸血鬼のことを言っていたのだけれど、近年に眷属になった者が血の濃さの違いによって反抗心すらもてなくなる相手、上位者。それがエルダーということになるのかしらね。他にも呼び方はあるようで、エディーの主のゾーイ・ブルー・ウィリアムスは『青のエルダー』と呼ばれていたようだし一定の基準があるわけはなく例えば最古参に繰り上がってしまったマルリックが今後はエルダーと呼ばれるようになるかもしれないわ」

「眷属は系統とかあるのかにゃ?」

「いい質問だわ。私の知る限りでは四系統、マルリック、エディーの下の私たち翼系、ロード・フィルの配下、ロシア正教のハンターゴリノ・ベルケンバーガー、そして恐らく隠棲しているであろう日本古来の吸血鬼というところかしらね」

「系統によって能力は違うのかにゃ?」

「そうね、確かに能力は系統である程度違いが出てくるのだけれど、後天的な鍛錬で得られる能力もあるみたい、例えば今エディーはリハビリの過程で若干のサイコキネシス(念動)を使えるようになっているし、マルリックの結界も修練によって改良と増強がなされ、フィルは最初はあの全身の顎はなくて装甲と煉獄結界だけだったみたいね」

「眷属の基本スキルってどんなのかにゃ?」

「筋力増強とそれに伴う瞬発力アップ。持久力、治癒能力のアップ、変身能力も個体差はあるけれど使えるようになるわね」

「個体差は男女での差かにゃ? 系統の違いかにゃ?」

「男女の差は今のところ判らないわ。系統と言えばマルリックのような複手系は高い能力が眷属に継承されるようね。フィルの系統はエルダー直系の割にはそう抜きん出ているようには見えなかったわ。まあ、相手があの若生君だったから差が有りすぎて色あせて見えたのかも知れないけれど」

「あとは眠らなくなるのは何でかにゃ?」

「脳神経の構造が大幅に変わってしまうせいね。眠らなくても脳が疲れない。そして、フィルの言動で判明したのだけれど、記憶野が脳内だけでなく全身に及ぶ可能性は300歳を超える高齢になっても痴呆症が起きない理由の裏づけにもなるわね」

「次回は眷属のなりそこないグールについてだにゃ。バイにゃ!」