若生は中央高校に久しぶりに登校した。

授業を受ける為ではない。

退学届けを出す為だった。

向学心はむしろ吸血鬼になって旺盛になっていた。

その結果、マルリックやエディーに英語・フランス語・ドイツ語・ギリシャ語を習うようになって高等教育を受ける気が無くなってしまったからだ。

退学に七緒は反対した。

が、若生はギリシャ正教の教義、そして早紀の影響もあって宗教全体にも興味を持ち始めていたのでマルリックは格好の師として存在していた。

そのマルリックからして「若生一人の日本の高等教育など七緒が見ればいいのだ」等と言い出したこともあり、七緒も折れざるを得なかった。

久しぶりに会った担任は退学届けが出された時、思いとどまるよう説得はしたが、父親の死亡等の家庭事情の前には断念せざるを得なかった。

若生の懸念は蓮夏に黙って出した退学届けであった事が後で知れた時、また悶着になるかも知れないという点だった。