Cure Sarcoma

「肉腫の標的遺伝子療法を推進する会」の管理人が作るブログ        

肉腫シンポジウム2014

大阪府立成人病センター高橋先生から連絡があり、来春、3月21日(祝・金)春分の日に東京の亀田京橋クリニックのある東京スクエアガーデン5階、東京コンベンションホールの大ホールでキュアサルコーマセンター主催、日本対がん協会後援で、”ここまできた!肉腫(サルコーマ)薬物治療の最前線”というテーマで、「肉腫シンポジウム2014」が開催されることになりました。

先月のサルコーマセミナー以上の内容を含んだ、医療者を対象にした学術集会の性格が強いシンポジウムです。

今回のシンポジウムは、3月21日という年度末のイベントなので、患者、家族としては、2013年度または2014年度の会員登録が参加条件となります。

参加費は2000円で、弁当代等の費用になりますが、ランチオンセミナー不参加でも費用はかかります。

ポスターをキュアサルコーマボードの先生はもちろん、外来で高橋先生に紹介いただいた全国250超の病院の主治医の先生にも送られるようです。

今回は、私たち肉腫患者家族の寄附を財源としてはじめて可能になった学術集会であること、そして年末から来年に立ち上げが予定されている日本肉腫学会につながるシンポジウムとなります。

営利企業は一切入っていませんので、私たち患者、家族も参加可能となりました。ただし、あくまで学術集会なので、患者個々の病状等に関する質問などはできません。

今回のシンポジウムや学会の準備、当日の運営自体も患者、家族として支援したいと思いますので、ご協力お願いいたします。

ポスターPDFリンク先:
http://sdrv.ms/JadPHJ

NPO法人化に向けて

 2013年3月20日、一般社団法人キュアサルコーマセンターの理事会にて正式に、患者会であるキュアサルコーマのNPO法人化とキュアサルコーマセンターの改組を決議いたしました。研究機関であるSMTRCと全国の医療機関、医師との連携であるキュアサルコーマボードとともに、その一翼を担っていましたキュアサルコーマをキュアサルコーマセンターから切り離し、今後はもっと緩やかな「連携」という立場をとることにいたしました。
 今秋のキュアサルコーマのNPO法人化を目指し、もっと肉腫患者会という立場を明確にし、これまでの「肉腫の標的遺伝子療法を推進する会」から、さらに肉腫治療を取り巻く状況の変化を背景に、私たちは広く『肉腫の完治』を目標に患者会としての活動を再始動することにいたしました。
 そこで、今後は会員一人ひとりが、高い意識を持ち、一致協力して課題に取り組んでいきましょう。

(重点課題)
1.広報活動の充実
 ア.広報用チラシ(患者用及び意識啓発用)の作成と配布
 イ.新ホームページの制作と効果的運用
 ウ.マスコミ等の積極的活用
2.関係団体との協力関係の構築
 ア.リレーフォーライフ(RFL)等への参加
 イ.各種学会・会議等への参加
 ウ.関係機関等との情報交換
3.新薬を含む治療法の開発促進への取り組み
 ア.肉腫学会設立の支援
 イ.一般社団法人キュアサルコーマセンターへの支援
 ウ.その他研究機関等への支援
4.患者、患者家族に対する支援
 ア.肉腫に関する正しい理解の促進
 イ.さまざまな治療事例の紹介
 ウ.肉腫治療に積極的な医療機関の情報の提供
 エ.患者、患者家族間の情報交換

尚、このホームページは、今秋には一新する予定ですのでご期待ください。

キュアサルコーマセミナーイン大阪・中之島

第7回キュアサルコーマセミナーその2

冨田 祐彦先生(大阪成人病センター主任部長、病理細胞診断科)

冨田先生1

"肉腫の病理判断"

冨田先生2

 大阪成人病センター主任部長、病理細胞診断科の冨田祐彦先生 が、
これまで診断してこられた肉腫の診断、そして最近の遺伝子診断についてお話し下さいました。
 
冨田先生3−2

 軟部肉腫の軟部ということは体の他の、胃とか肺とかなど、臓器以外のことの総称です。
筋肉、靱帯、繊維組織、脂肪、血管、神経、滑膜組織が含まれています。
 
冨田先生4

 臓器はさまざまな臓器ですが、臨床象徴、経過、治療方法が極めて似ていることにより、
しばしばまとめて取り扱われることになります。
 上皮系の腫瘍(胃がんとか肺がん、大腸がんなど)が臓器で治療方法が決まっているのに対して、
肉腫はまとめて取り扱われることが多いのが特徴です。

冨田先生5

 これが2002年の(もうすぐ改訂になります)軟部肉腫の分類です。
非常に(種類が)多くてまた個々の腫瘍が少ないのが特徴です。

さらに問題となりること。
冨田先生6

 冨田先生がこの研究を始められた1990年頃は、今ほど遺伝子の診断が発達していなかったので、
正確で再現性のある悪性度分類、病気分類を作っていこうと研究をなさってこられたということです。

冨田先生7

 まず、1993年に発表された論文です。
 大阪と兵庫の中で軟部肉腫を194例集めて、誰が見ても同じように判断できる細胞分裂像、壊死、
というファクターについて検討しました。

冨田先生8

 当時は細胞の増殖能を調べる簡単な方法がなかったので、硝酸銀染色をして細胞のカップの中に
いくつ、こういうような硝酸銀の塊ができるかを数えて、増殖能の指標として判断しました。
今日ではこれよりもっと簡単な判断方法ができています。

冨田先生9

 まず、単変量解析でそれぞれの因子がどういうふうな肉腫の患者さんの予後と関係あるかどうかを判定しました。

冨田先生10
 
 これらの中でいわゆる関係の深いものがありますので、
互いに関係のないものを多変量解析という処方を用いて見つけました。
 細胞密度、壊死、増殖能の指標である AgNORs count 、この三つが多変量解析で互いに独立な因子であることがわかったので、この三つを危険因子として悪性度分類を作りました。

冨田先生11

 これが当時の悪性度分類です。

 三つの悪性因子が全然ない人=low-grade としするととかなり予後が良くて、あまり亡くなることはない。
三つの因子の内、二つ以上あるものは High-grade。 悪性度が高いということで、5年で60%以上の方が亡くなられる。この中間にあるもの、一個だけ危険因子があるものはIntermediate-grade で、この間の中間のような経過をたどることがわかりました。

冨田先生12

 これは腫瘍の顕微鏡で見た所見だけで判断したものですが
この他に患者さんの性別、年齢、腫瘍の大きさ、腫瘍の深さ、こういったものも含めて検討すると、
先ほどの組織学的分類だけがやはり独立した因子でした。

冨田先生13

 それで、low-grade、Intermediate-grade 、High-gradeのそれぞれのgradeについて、さらに詳細な検討をしました。

冨田先生14

 low-gradeの患者さんは、経過中に再発すると予後が悪くなって、再発しないとほとんど大丈夫だということがわかりました。
 再発するかどうかということは最初の手術で充分に取りきれているかどうかということが重要でした。

冨田先生15jpg

Intermediate-gradeの患者さんにおきましては、腫瘍が非常に深くて体の奥の方にあって、
 腫瘍が10儖幣紊梁腓なものは予後が悪い、
10儖焚次△△襪い和里寮いところにあるものは比較的予後がいいことがわかりました。

冨田先生16

 High-gradeになりますと5儖幣紊膿爾い箸海蹐砲△襪發里詫集紊悪いということで、それ以外と差があることがわかりました。

冨田先生17

 さらにこれは1990年以前の研究ですが、ただ単に手術して取るだけのグループよりも、
充分に腫瘍を切除して、さらに化学療法を併用した患者さんの方が予後がいい傾向にありました。
現在ではさらにそれが明確になってきています。
 
冨田先生18

 それで、low-gradeは局所再発させないこと、
Intermediate-gradeでは深くて10儖幣紊里發里話躇佞垢襪海函
High-gradeでは深くて5儖幣紊里發里話躇佞垢襪箸いΔ海箸大事だということがわかりました。

冨田先生19

 当時は治療が充分ではなかったので、1990年から2000年までの患者さんで、
再びlow-grade、Intermediate-grade 、High-gradeで予後がどう違うかということを検討しました。

 結果は、ほぼ傾向は一緒ですが、low-gradeは比較的予後が良くて、High-gradeは比較的予後が悪いということですが、それぞれのgradeすべてで、以前よりも予後が良くなってきています。
つまり、治療が進歩したことで、患者さんの生存率が上がってきたということがこれでわかります。

冨田先生20

 最近の治療でかなりHigh-gradeの人を救えるようになってきたということですが、
その中でも予後が悪い、治療抵抗性は、どういうふうな因子があるかということを新たに検討しました。

冨田先生22

 注目したのは、今までの分類では主に細胞増殖ということを中心に検討しましたが、
細胞増殖は化学療法とか放射線療法で、でかなり抑えることができます。

 がん幹細胞(増殖は遅いけれども、化学療法に非常に抵抗性のある因子)、
こういったものを多く持っているような腫瘍を見つけていくということが重要になってきます。
だから増殖能ではなくて、浸潤、転移に関する因子をこれから見つけていかなくてはいけません。

冨田先生23

 注目したのはAktという物質です。
 Aktは、いろんな増殖因子によって活性化されて、主に抗アポトーシス=細胞増殖の活性がある分子です。

 
冨田先生25

 このAktが腫瘍細胞でよく発現しているかどうかということを検討したら、
人によっては良く発現している、あるいはほとんど発現していない、などの違いがありました。

 
冨田先生26

 リン酸かAktが活性化されているかどうかで検討しましたところ、
Aktが活性化されていると軟部肉腫の患者さんは予後が悪い、
活性化されていないと予後がいいということが明らかにありました。

 
冨田先生27
冨田先生28

 このAktと従来言われていた増殖因子は、Ki67を使って計算したところ、AktとKi67を用いると
最近の化学療法などを使った中で、さらに治療抵抗性のある人を見つけることができるようになりました。

冨田先生29

 Aktが活性化されると、その下でFOX01というものが発現してきます。
Aktが活性化しているかどうかを、このFOX01を活性化すると、細胞のアポトーシスを抑制するような経路が働きます。

冨田先生30

 FOX01を次に転動???したところ、Aktよりももっときれいにレベルが低いものから高いものに別れて、
高い方が予後が悪いと言うことがはっきりしましたのでこれもまた報告いたしました。

冨田先生31

 FOX01があまり発現しない人は比較的治療がうまくいくけれど、
発現が多いとあまり良くないということがわかりました。

冨田先生32

 Akt、FOX01の経路の他にどういうふうな経路が軟部肉腫の悪性と関係あるかということを検討して、
我々が注目したのは表面マーカーのCD40です。

 
冨田先生33

 CD100の発現を検討いたしました。

 
冨田先生34

 CD100も全然発現していないものと発現が高いものと腫瘍によって全然違います。

 
冨田先生35

 CD100の発現が低いものと高いものでは全然予後が違いました。
発現の高いものはやはりなかなか治療が困難であることがわかりました。

 
冨田先生36

 次の話に移ります。
 当時はあまり遺伝子異常の解析がなかなかできてこなかったのですが、
近年、1980年以降、遺伝子異常というものがわかるようになりました。

 ざっくり言いますと、軟部肉腫のうちの15〜20%、これが特定の遺伝子異常が腫瘍発生に関係しています。
残りは非常に複雑な遺伝子異常が関係しているので、特定の遺伝子異常が腫瘍に責任あるとは言えないような腫瘍であります。

例を挙げます。
 
冨田先生37

 これが滑膜肉腫 Synovial Sarcomaという病気で、これは18Xの転座が起こりまして
SYTSSXという融合遺伝子ができます。
 この、融合遺伝子に基づいたタンパクができて、このタンパクが発現することによってこの腫瘍が起こります。


冨田先生38

 Alveolar Rhabdomyosarcoma 胞巣状横紋筋肉腫という腫瘍ですけれども、 
これも2、18、13転座があって、PAX3-FOXO1のfusion geneができます。

冨田先生39

 Ewing(ユーイング)肉腫、primitive neuroectodermal tumor。
これも11、22転座があって EWS-FLIt fusion geneができることによってこういうような腫瘍ができます。

冨田先生40

 Desmopiastic small round cell tumer。
 これも 11、12転座によって起こります。
 簡単に言いますと、丸い細胞が非常に密に揃っている腫瘍です。


冨田先生41

Myxoid liposarcoma
 粘液型脂肪肉腫。
これも非常に揃ったような細胞が起こる腫瘍です。

Clear cell sarcoma(透明淡明肉腫)という腫瘍もあります。

冨田先生38

Alveolar soft part sarcoma(胞巣状軟部肉腫)という病気ですけれども、
 これらの遺伝子異常が関係する腫瘍というのは、
丸い細胞がきれいに同じような形でずっと広がっているようなタイプの腫瘍です。

 これに対して、これは未分化肉腫という病気ですが
冨田先生42

 特定の遺伝子異常が関与しない腫瘍はかなり多様な細胞で、大きな細胞もあり、
小さな細胞もあり、バラバラです。
簡単に言えば、遺伝子異常が関与する腫瘍というのは
同じような細胞がびまん性に増殖しているのが特徴です。

冨田先生44

 特徴を簡単に言いますと、
核型が単純か複雑か、があります。
 核型が単純というのは、つまりそこの遺伝子異常が起こっている以外は、
この細胞は腫瘍細胞は全く問題ないわけです。

核型が複雑というのは、
複雑な遺伝子異常が絡み合ってかなり正常から離れた細胞ができているということです。

P53の異常については、あまりないかよくあるかということが特徴です。

冨田先生45

 この融合遺伝子の起こる病気は何かと言いますと、
二つの遺伝子が矢印のところで切れて、矢印のところでくっついてしまいます。
この頭側の遺伝子、こちらの遺伝子はあまりたいした働きはないのです。
 あまりたいした働きはないけれども、いつも出ている遺伝子です。
しっぽ側の遺伝子は何かと言いますと、ほとんど働くことはないけれど、
胎生時、(子供が大きくなる時、胎児が成長する時)とか、そういった所で、
非常に一部の重要な時に働く遺伝子で、非常に活性が強い。特に増殖活性が強い。
しかしほとんど出ることはない。

 こういうふうな二つの遺伝子が矢印のところで切れて矢印のところでくっついてしまって新しい遺伝子を作る。
そうするとどういうことが起こるかというと、頭側はいつも出ている。
しっぽ側はすごい増殖させる力がある。
 そうすると、いつも増殖させる力のある人工の遺伝子ができてしまうのです。
その細胞をどんどんどんどん増やしていく。
これが腫瘍の原因です。

冨田先生46

 滑膜肉腫とか、横紋筋肉腫、Clear cell sarcoma、みんなパターンはこのパターンです。
いつも出ている遺伝子と、増殖させる遺伝子がひっついちゃって、とんでもないことが起こるということです。

 あとは、一部のあまり増殖能の高くない腫瘍ですが、
これはコラーゲンタイプ1と PEGFP-1が同じように融合するのですが、
これで活性型の増殖因子ができてしまう。 
 活性型の増殖因子ができるので、こういう特定の活性が起こる。
これは幼児型の線維肉腫あるいは隆起型線維肉腫、こういったあまり悪性度の高くない線維肉腫で起こるような融合であります。
これは比較的稀です。

 三番目がGISTでよくあるC-Kitのミューテーションで、
普通なら働かないC-Kitがミューテーションが起こることによって活性型になってしまって
C-Kitが常に働いている状態になってしまう。

 だから融合遺伝子病というか遺伝子が原因としてはっきりしているのはこの3つです。
いつも増殖させる遺伝子が働いてしまった。
それから活性型の転写因子ができてしまった。
それから、普通なら働かないものが常に働くようになってしまった。
この3つのパターンがあります。

冨田先生47

 我々の病院におきましてはこれらの融合遺伝子の検出をPCRという手法を用いまして行っております。
 現在、検索実績は2007年からはじめたところですが、本年はこれまでで41件ということで、
年間を通じて60件以上の検索を行っております。

冨田先生48

 融合遺伝子というのはその腫瘍の腫瘍性そのものです。
その融合遺伝子そのものをターゲットにした抗体療法などが最近行われています。
代表的なものが以前、理科研におられた中村先生(今はシカゴ大学に行かれましたが)の研究されている滑膜肉腫で、SYTSSXというものができるタンパク質、これに対する抗体を作って治療を始めて、
これはフランスで治験が始まっていますが、どういうことが起こるか。
 つまり、その異常なタンパク質は腫瘍細胞以外は出してないわけです。

つまり非常に安全性が高い治療法が考えられる。
 全般的な融合遺伝子ができる病気というものは、その産物というものは腫瘍細胞以外の正常な細胞は全く作りません。

 よって、非常に安全性の高い治療法が考えらます。
こういうような治療はかなりお金がかかるので、現在はもっと大きな病気からしかできていませんが、
たとえば肺がんで、ALKというもののfusion が起こるということで、これに対する抗体療法が日本ではもう始まっていますが、そういったものと違って比較的稀な腫瘍におきましても、今後はこういった標的治療が非常に拡がってくるであろうと考えています。
これはかなり有効性が高いと想像されます。

 さて、15〜20%がこういった腫瘍だというふうに先ほどお話ししましたけれど、残りの80%はどうなるか。
これは私がはじめにお話ししました、Aktとか、CD100とか、表面マーカーがあるのですが、
最近、こういった表面マーカーに対する治療もかなり進んできました。

 まだ癌が中心なんですけれども、今後は同じような表面マーカーに対する抗体療法が進んでくる
と思いますので、こういったものに対しましては今後、やはり腫瘍を診断する以上に、
表面マーカーをいろいろ検索して、特に、悪性度に関与する表面マーカーに対する抗体療法
こういったものが進んでいくということが考えられています。

まとめです。

冨田先生49

 私の研究した一部ですが、軟部腫瘍の悪性度分類です。
どういう人が危険であるかということについて簡単に説明してもらいました。
 あきらかに以前に比べまして、肉腫の予後は改善しております。
以前に比べて、かなり改善があります。

 今後は融合遺伝子の研究、あるいは非常に腫瘍の悪性度と関係あるような表面マーカー、
こういったものに対する治療というものが充分進んでくるということが今後の治療としては考えられます。
以上です。どうもありがとうございました。


<質疑応答>

<高橋先生の質問> (大阪成人病センター部長、病態生理学・内科腫瘍外来)
 先生も仰いましたように肉腫の症例は非常に少ないわけですけれど、
全国的になにか、たとえば、病理のバンキング・登録という動きはないですか?

<冨田先生の答え>
 肉腫は日本で年間3000例発生するというふうに考えられているんですけれども、
これの全国的な登録というものは充分できていません。
 ただ今後の治療の発展のために、サンプルというか、皆様の手術の時に取ったものの一部をきちんと残しておいて、それを解析して、治療の発展のために役立てていくということで、
私どもの施設では肉腫も含めまして バンクを作って標本を集めています。
 また、表面マーカーの検討というのがこれから重要になってきます。
がんの種類、肉腫の種類以上に、その腫瘍がどういうふうな分子を表面に出しているかということが、
治療と密接に関わってきますので、そういうことができるように材料の保存というものは充分務めております。

<大山 繁和先生の質問>  (松本共立病院部長、外科、手術部)
 脂肪肉腫について、分化度の非常にいい部分と分化度の低い部分とが混在していますが
そういうことの原因はどの程度わかっているのか、ということがあったら教えて下さい。

<冨田先生の答え>
 脂肪肉腫というものは、脂肪というものは皆様もご存じの通り、あまり増殖しないんですね。
脂肪腫はかなり遺伝子異常があるんですね。いろんな遺伝子があっちこっちくっついて、
肉腫以上に脂肪腫という良性の腫瘍でもかなり異常がある。
 良性の、いわゆる高分化型の脂肪肉腫から一部脱分化して悪性化になってくる場合の異常は、
たぶんあるだろうということはわかっているんですけれども、なかなかまだ充分出てきていないとは思います。
 そこでどういうふうな遺伝子の違いがあるのかと調べたら、より悪性にならないですませられるんですけれども、残念ながらまだそこまではわかっていません。

<高橋先生の質問>  (大阪成人病センター部長、病態生理学・内科腫瘍外来)
 共同病理といいますか、共通の病理診断のグループ?があると思うのですけれども、
あれは今、肉腫の世界ではどういうふうな役割を果たしているのでしょうか?

<冨田先生の答え>
 共通の診断の基準というのはあるんですけれどもなかなか全体としてはスタンダーダイゼーション(標準化)
というのは難しい状態ですね。
 なるべく診断の難しいものに関しましては、多くの人で見てきちんとした正しい診断名に結びつけるようにしていますけれども、なかなかシステムとしてそういうふうな診断パネルがあるというわけ状態ではありません。
ただ、日本病理学会で、まず、今しているのは、表面マーカーの判定を共同できちんとしようということですね。

 治療薬の選択にかなり重要になってきますので、表面マーカーの発現の判断というのを中央化していこうという試みは進んでいます。 

 診断自体に関してはそこまで進んでいません。
診断自体に関してはなかなか頑固な人がいて、自分の診断が正しいと言い張る人もいるので、あまりそこでは
進んでいなくて、今進んでいるのは表面マーカー、 胃がんとか乳がんの HER2という表面マーカーに対する治療があるんですけれども、こういったものの判定が中心で今、進んでいます。

<高橋先生の質問>  (大阪成人病センター部長、病態生理学・内科腫瘍外来)
 それは検体を送ってそちらの中央のほうで解析してもらうということなんでしょうか?

<冨田先生の答え>
 染色したスライドを送ってもらって診るということなんじゃないかと思うのですけれども、
やろうというだけで、まだ実際には進んでおりません。

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜

 史上最高に暑かった今年の夏は、太陽の陽射しを避けるように暮らしてきたのに
確実に季節は移り、今ではお日様の暖かさがうれしいくらい肌寒くなりました。
キンモクセイの香りも、秋の嵐の雨に流されて消えてしまいましたね。。。。
それでも、昨日も一昨日も、お月様が凛と美しいこと
満月の月明かりが秋の深まりと共に、静かに心に染みます。

 セミナーもあれからもうすぐ一ヶ月になるのに、まだまだ昨日のことのようです。
 私たち肉腫患者にとって、肉腫が非常に稀な病気だけに、いまだに確立された標準治療がないことが治療から取り残されているようで辛い思いなのですが、冨田先生が病理診断にこんなに研究を重ねて下さって、
詳しい病理診断も更に進んできて、しかも、「明らかに肉腫の予後が良くなってきてる」と断定して下さったことで、ものすごく勇気を頂きました。ありがとうございます。 



キュアサルコーマセミナーイン大阪・中之島

 10 月4日、5日に 第7回キュアサルコーマセミナーが大阪大学中之島センターで行われました。
セミナーはキュアサルコーマセンター代表理事の高橋 克仁先生とキュアサルコーマセンター理事の山村 倫子先生の主催者挨拶から始まりました。

高橋先生&山村先生1

高橋先生は
「今回は社団法人キュアサルコーマセンターが設立されて、主催する初めてのセミナーです。
セミナー自体は岐阜県の白川郷で20人くらいの会で始めたのが初めてで、今回で7回目の会議を皆さんや先生達のご協力のおかげで開くことができました。」と話されました。
今回のセミナーの特徴は
ヽ惱囘な発表であるということ
△海譴ら肉腫の医療に携わって頂きたい若手の先生方に、たくさん参加して発表して頂くこと、の二つで、この機会を使って全国から集われた患者さんやそのご家族、先生達と、是非ともいろんな話をしてして頂きたいとご挨拶され、いよいよ初めての1日半にわたるセミナーが始まりました。(これまでの6回のセミナーは1日でした)

開会の挨拶  寺岡 慧 先生 (国際医療福祉大学 熱海病院 院長)

寺岡先生1

 先生は外科側、手術をする側からのご感想を寄せて下さいました。
 現在のサルコーマの治療の限界は、肉腫が複数の臓器、あるいは消化管、管系、尿路系、複数の臓器にまたがって、場合によっては手術したあと3〜4ヶ月でまた手術をしなくてはならない、またそういった手術が6回7回8回に及ぶことではないか。またそれは患者さんにとってはたいへんなことではないかと思うと仰って下さいました。

 しかしながら、サルコーマの場合にはがんと違って、手術をすれば手術をしただけ、その患者さんをまた少しでも生存させることに貢献できるということは事実なので 限界の中でも頑張らないといけないのではないかと考えておられると仰ってくださいました。
 そして、最近の医療の傾向として、専門家、専門分化がどんどん進んでいることには警鐘を鳴らされました。
 たとえば、消化管をやっている人は、上部消化管、食道と胃、極端な場合は食道しかやらない、胃しかやらない。腸でも、小腸と大腸が別れる、それから肝胆膵の肝臓と胆管系と、膵臓というのが一つの専門分野ですが、最近では肝臓、胆管はやるけど、膵臓はやらない。泌尿器科の先生方は泌尿器しかやらない、婦人科の先生方は子宮卵巣しかやらない・・・・それではこの病気のように複数の臓器にまたがっているような治療は誰がやるのか。。。と。
 今後の日本の医療は大きな曲がり角にきているのではないかと話されました。

 もちろん専門の分野は必要だけれど、あまりにもいきすぎた専門分化、あるいは専門分化医しかいない、細分化された分野しかないということになると、複数の臓器にまたがった疾患、特にこの病気は、たらい回し的な扱いを受けるかもしれないと心を寄せてくださいました。

 それからがんの専門機関について。
がんセンター、それから癌研といった施設は、他の合併症を持った患者さんの治療をなかなかやりにくいそうです。他の合併症を持ったがんの患者さんは受け入れないということになるそうです。

 そうするといろんな病気を持った上でこういう病気になった方もいらっしゃるから、
そういった方々をどういうふうに総合的にケアしていくのかということが医療側の問題としてあって、
それは患者さんの側からすると切実な問題になってきているのではないか、
おそらく高橋先生、山村先生はそのあたりをお考えになってキュアサルコーマセンターというものを構想されているのではないかというふうに考えていますと言われました。

 それから、海外では使えているのに日本では使えない新薬について。

 パゾパニブがもうすぐ日本でも保険診療の中で使えるようになると言われていますが
この薬が必要な患者さんは現在は個人輸入しなければならず、しかも非常に高額な薬です。

 寺岡先生の奥様も今、日本にある薬では治療できない状態におられるそうです。それで、寺岡先生もなんとか個人輸入しようとして調べられたところ、薬はいっぱいあるのに、日本には個人輸入もできない薬もあるということです。
 たとえばそういった薬はアメリカの厚生労働省にあたるFDAというところで、迅速承認というのをやるそうです。
迅速承認というのは本当に短期間の間に審査をして認めるのだそうです。
そういう薬は患者さんが使われた場合、全数調査といって、全件調査しなければいけない。
そうすると指定された医療機関にしか薬が配布されないのだそうで、となると、そういう薬は日本から個人輸入できない。
 だから、いっぱい薬はあるのだけれど、個人輸入もできないし、たとえ個人輸入できても非常に高価であるという結果になってしまうのだそうです。

 治療が何もない、薬も何もないのだったらこれは諦めざるをえないけれど、
そういったものがあるにもかかわらず使えない というのはこれはやはり良くないことだと思うので、なんとかして日本の政府を変えないといけないと先生は仰いました。
日本のドラッグラグは、今はだいぶ良くなってきたけれど、まだまだ改善しなければいけない点がいっぱいあるので、今後はそういった社会的なシステム、患者さんを支えるサポートシステム、病院の中での総合的な包括的なシステム、薬剤の面、そういったことを総合的に考えて、全面的に協力していきたいと仰って下さいました。

 寺岡先生は奥様がお具合がお悪い中をセミナーに参加して下さり、お話しを終えられたらすぐに東京にお戻りになられました。私たちのために駆けつけて下さったことに心から感謝申し上げます。
奥様にも感謝申し上げます。まことにありがとうございました。

*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:

 セミナー参加を希望しながら治療や体調のため、あるいはお仕事の関係などで参加できなかった方達から、是非内容を知らせてほしいというお声がたくさん届きましたので、セミナーの様子をご紹介します。
どれくらいできるかはわかりませんが、いくらかでも伝えできればいいなと思ってこれから少しずつ書いていきます。
ただ、難しい内容なので、わからなかったり聞き間えているところも多々あるかと思います。
間違っていたら誠に申し訳ございません。お気づきの点がありましたらどうぞご指摘ください。

中之島センター1

中之島センター正面






                               中之島センターの10階から見た風景


会場の中之島センター



台風一過の青い空です

IMG_2600

今日は台風一過の青い空です。
陽射しもまた夏が戻ってきたかのように熱く、今しがた蝉が一匹鳴き始めました。
日本縦断した台風の被害がどうぞ大きくありませんように

先日、キュアサルコーマセンターのWEBサイトがアップされました。
セミナーの開催時間などもこちらに書かれています。
http://curesarcoma-center.org/

「情報ピックアップ」で、高橋先生が患者会のネットを立ち上げて下さったhiroさんへの追悼文を書いて下さっています。
誰からも愛されたhiroさんの、いつものあの明るい笑顔がことさらまぶしいです。

hiroさんの訃報を聞いた9月4日も、今日のように暑く良く晴れた青い空でした。
一瞬、時が止まったかのように、盛んに鳴いていた蝉の声も一気に空に吸い込まれるように
音までもが消えたように感じたのでした。

hiroさんの願いは大きく二つありました。

1.高橋先生の標的遺伝子療法が一日も早く受けられるようになること。

2.希少疾患患者であるがゆえの肉腫患者やそのご家族が、孤独な思いをしないこと。

そのために、率先して行動を起こしてくれました。たとえ、ご自分の体調が悪い時にも。

hiroさんご自身が平滑筋肉腫だと診断されて沈んでいた時に、
キュアサルコーマブログでkyonさんやkiaraさん、SHIN16さん達に出会えて
どんなに孤独から救われたかしれないと話しておられました。
その経験から、希少疾患である肉腫患者さんを誰一人ひとりぽっちにさせないためにと、
キュアサルコーマに参加されている患者・家族のためのコミニケーションツールとしてS.netを立ち上げて
その管理人を務めて下さいました。

初めてのオフ会で話が出て、G.netのSUMITOさんにご協力頂いて立ち上げられたS.netも、
今では170名以上のお仲間が参加するコミュニケーションツールになりました。
名称をキュアサルコーマネットではなく、サルコーマネットとしたのは、
万が一高橋先生にご迷惑をおかけしたらいけないとの配慮からでした。

誰もひとりぽっちにさせないこと。
kyonさんやKiaraさんや櫻井さんが心を配って下さったこと。
それはhiroさんが実の姉のように慕っていらしたのんのんさんも同じでした。
のんのんさんもまたhiroさんと同じく、私たち患者の太陽のような大きな大きな存在でした。
のんのんさんは私たち肉腫患者仲間にとってはマドンナでした。hiroさんはヒーローでした。

青い空を見ると、S.netの象徴を青い空と決めたお二人を想うのです。

そのお二人の周りにはいつも笑い声があふれていました。
辛い治療もそのおかげで乗り越えられたのです。
いつでもみんなで笑って励まし合って、みなさん、全く患者とは思えない、いい笑顔でした。
kittyさん、藍さん、櫻井さん、、ピノキヨさん、あんみつ姫さん、レイラママさん、徳さん、深雪さん、
mikaさん、ソラニンママさん、romiパパさん、うららさん、・・・・・・・・・・
たくさんのお仲間と共に笑っている姿が目に浮かびます。

まだまだ私は心の整理ができませんが、
のんのんさんが言われた魔法の言葉、
「いつまでも泣いていたらダメだよ!」「毎日を明るく丁寧に生きる」を胸に、
これからも仲間と共に頑張ろうと思います。
いよいよ10月4日からセミナーです。
たくさんの仲間と会えるのを楽しみに、元気に向かいます。

このキュアサルコーマが続く限り、すべてのお仲間は永遠にここにおられますね 


皆様へのお知らせとお願い

患者会の代表でいらしたhiroさんが9月4日にお亡くなりになりました。

これまで日本中のたくさんのお仲間が、hiroさんに励まされ、勇気づけられてきました。
訴訟問題が起こっている最中も、再発治療のために入院していた病院から痛みを抱えながら大阪に駆けつけて患者を代表して陳情にご尽力下さいました。
 まるで大きな大きな明るい太陽が沈んでしまったように辛く、悲しく、寂しいです。
心からご冥福をお祈りいたします。
ご家族の皆様へ心よりお悔やみ申し上げます。
高橋先生からも本当に心のこもった長文のご弔辞がありました。
寺岡先生もご葬儀に参列下さいました。

 今はまだあまりにも悲しみが深すぎて、現実に受け入れることが難しい毎日ですので、
hiroさんのことは改めて心が落ち着いてから書きたいと思います。

本日はhiroさんも楽しみにしていらした来月の4,5日のセミナーが近づいてきましたので、
もう一度、皆さんへのお願いとお知らせです。

<お願い>
.札潺福爾凌修傾みと年会費の申し込み
解析の申し込み

この二つは、メールアドレスが同じですが、別々に申し込んで下さいますようお願いします。
詳しくは 肉腫中皮腫先端治療研究センターSMTRCのホームページの2010. 11. 22 (セミナーの申し込み)や2010.12.21(受診の依頼)の記事をご参照下さい。

<お知らせ>
解析の依頼をしたけれど先生からのお返事が1月以上もないと不安になっておられる方達へお知らせです。
もしかしたらメールアドレスをお間違えではありませんか?

高橋先生に解析の依頼のメールを出すと、先生からすぐにお返事がきます。
お忙しい先生なので、「了解しました」の一言だけかもしれませんが第一報はすぐに来ます。

1ヶ月以上もお返事がないということはまず起こりえないことなので、メールアドレスを間違えておられるかもしれません。
その場合は大阪成人病センターにお電話をして、研究室の秘書の藤原さんに事情をお話し下さい。
藤原さんがいつでもいいですよと仰って下さっています。
解析のお返事はすぐにいただけます。

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セミナーの詳しいお知らせです

hiroさんがセミナーのお知らせと申し込み方法を患者会のS.net上でお知らせ下さっていましたので、
以下にその一部を転載します。
 ・・・・ hiroさん、ありがとう。あなたと一緒にこれからもずっとずっと参加したかった・・・・。

2012サルコーマセミナー

日時;10月4日(木)午前・午後、5日(金)午前

場所;大阪大学中之島センター佐治敬三メモ
リアルホール
    〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53

10月4日夕に夕食会(情報交換会)を開催
夕食会参加の有無もお知らせください。

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2012年度の参加ご希望の方は、キュサルコーマセンター会員登録が必要です。
詳しくは 肉腫中皮腫先端治療研究センターSMTRCのホームページの2010. 11. 22をご覧下さいますようよろしくお願いします。

10月5日の午前中は患者会の交流会が開催されます。
私たちは希少疾患患者なのでなかなか同じ肉腫仲間に会える機会はありません。
セミナーは同じ思いをしているたくさんの仲間に出会える場でもあります。
みなさんに会えることを楽しみにしています。
みんなで一緒に病気に立ち向かっていきましょう!!
決してひとりぽっちではないですよ。



蝉の声と秋の虫の声が聞こえる季節になりました

 春から半年もかかった成人病センター移転問題が解決して心から安堵しました 。
 この問題に関連して、高橋先生の研究ができなくなるかもしれないということは、
私達肉腫患者にとって命を救う薬を失う最大の危機だったからです 
盾になって研究を守って下さった先生方と、応援して下さった皆様、
緊急提言を書いて駆けつけて下さった患者と患者家族の皆さんに心からお礼を申し上げます。
おかげで、私たちの希望がまた未来へ繋がりました。 

 実はその間にも、私たちはまた、大好な大事な仲間を何人も失ってしまいました。 
悲しみが深くてブログもずっと書けずに日にちばかりが経ってしまいましたが、
一生懸命明るく前向きにこの病気と闘ったすばらしい仲間達のためにも
このキュアサルコーマブログは書き続けていきたいと思います。
先に逝った仲間達は、自分の闘病で、みんなのために肉腫の治療エビデンスを残すのだと、
言い残して下さっています。だからこそ私たちは、彼女たち彼らたちのために、なおいっそう
前を向いて生きていかないといけませんね 

 さて、高橋先生のお知らせでもありましたが、
ずっと楽しみに待っていたサルコーマセミナーがいよいよ10月4日、5日に開催されます 
10月4日は午前午後、5日は午前の開催です。

 いつものセミナーと今回のセミナーが違うところは、
4日は患者さんも参加する、今までよりもさらに学術的な会議になるというところです 
・・・・これまでのセミナーもかなり学術的で聞き応えがあり、知らないこともよくわかって
    参加して良かったと毎回思っています。
    
 5日は患者さんの交流や発表を中心にした会議のようです。
希少疾患の肉腫患者がこんなに多く一同に集まって、交流できる機会は他にはないと思います
いろんな情報交換もできるし、なによりお仲間に会えるのが今からとっても楽しみです 
まだ参加されたことのない方も、どんどんご参加下さい!
肉腫患者は一人ではないですから。みんなで一緒に頑張っていきましょう 

*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:

 それから、私のことですが、
6月26日で初発の手術から5年目に入りました 
ここまで来られたのは高橋先生と山村先生の解析のおかげであり、4回も手術をして下さった主治医のおかげであり、それに関わって助けて下さったたくさんの方達のおかげと感謝でいっぱいです 

 本日、先週受けたCT検査の結果が出まして、今回も再発なしとのお話しを伺うことができました。
今回も痛い箇所もあったので、5回目の手術になるかもしれないと覚悟していましたのでとても驚いています。
私は2009年の12月1日に4回目の手術をして以来、再発がありません。
この時、19个箸い小さい腫瘍のうちに見つけて手術できたのが良かったのだと言われています。

 キュアサルコーマボードの治療連携ができてから、さらに治療の選択肢が出てきました。
今この時も、辛い治療を頑張っている全国のお仲間の全員の治療がどうぞ奏効しますように 
セミナーで、たくさんのお元気なお顔に早くお会しいたいです 


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成人病センター移転差し止め仮処分申し立て事件終了のご報告

大阪府立成人病センターの高橋克仁です。
大阪地裁を舞台に争われてきた成人病センターの移転建築差し止めの係争に、大阪府・府立病院機構と住民双方の合意により2012年3月21日付けで和解が成立しました。3月22日付け、読売、朝日、毎日、産経、日経の各新聞にこの記事が掲載されました。読売新聞朝刊の記事を転載します。


2012年3月22日読売新聞朝刊

「成人病センター移転問題で和解  -大阪府と住民
大阪府立成人病センター(大阪市東成区)の大手前地区(同市中央区)への新築移転計画を巡り、同地区の住民ら39人が、センターで行う実験の危険性に関する情報開示が足りていないとして、府と府立病院機構を相手取り、建築差し止めを求めた仮処分申し立てが21日、大阪地裁(井上直哉裁判官)で和解した。
 住民側の弁護士によると、和解条件は、1) 移転後のセンターに、結核菌など危険性の高い病原体を扱う実験を行う施設(文部科学省の定義で「P3実験施設」)を設けない、2) 実験に関する情報を公開する― ―など。
 現センターにはP3実験施設があるが使用実績はなく、昨年の府議会で橋下徹知事(現・大阪市長)も「移転建て替えにあたって(同施設は)設備しない」と答弁している。住民側は「司法の場で確約させた意義は大きい」と評価している。」


公表された和解条件には、今回の和解をもって本件係争を終了させることが盛り込まれており、今後訴訟などの争いが回避されたことにより、これまで通り、肉腫・GISTの治療薬開発研究に全力を傾注できることとなりました。

多くの患者さんやご家族、医療者の皆さまに、ご支援・激励をいただきましたことを心からお礼申し上げますとともに、私どもは、遺伝子組み換え実験に関する法令に基づき研究の安全性の確保に一層の努力を続け、一刻も早い治療薬の開発をめざす所存です。



*お知らせ
半年間続いた今回の係争のため、5月に予定されていたサルコーマセミナーを10月に延期することとなりました。

2012サルコーマセミナー
日時;10月4日(木)午前・午後、5日(金)午前
場所;大阪大学中之島センター佐治敬三メモリアルホール
    〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53


参加ご希望の方は、2012年度のキュサルコーマセンター会員登録が必要です。
ご参加および会員登録は curesarcoma-c@smtrc.org にメールでお申込みください。


高橋克仁;SMTRC医学系代表、山村輪子;SMTRC薬学系代表



肉腫・GISTと闘う全国の患者さん、ご家族、医療者の皆様へ

大阪府立成人病センターの高橋克仁です。
新年明けましておめでとうございます。2012年が新しい出発の年となりますように。


大阪府立成人病センターの移転問題に関連して私どもの周りに起きている事態について、肉腫・GISTの患者さんとご家族、ご遺族、治療に携わる第一線の医療者、専門の研究者の皆様から、昨年末までにたくさんのお問い合わせや不安、懸念を表明するご連絡をいただいています。

この問題の特殊性と社会への影響、研究の社会性に鑑み、これまでこの研究を支えていただいた肉腫・GISTと闘う全国の患者さん、ご家族、医療者の皆様へ、個人的な見解としてではありますが、現時点での私の考えをご報告することは、研究代表者である私の責務であると考えます。


<肉腫・GIST・悪性中皮腫治療薬の開発研究>
私どもの「標的遺伝子療法」すなわち「単純ヘルペスウイルスI型を改変した肉腫・GIST・悪性中皮腫腫瘍溶解性ウイルスの開発研究」は、2005年に10万5553名の全国の肉腫・GISTの患者さん、ご家族、医療者の皆様からの研究推進のご署名を厚生労働省にいただき、厚生労働省をはじめ文部科学省、科学技術振興機構などの国の機関、がん研究助成の民間財団、企業からの研究助成や患者さんとご家族、ご遺族からの多くのご寄附を得て進めてきた研究です。

この研究はこれまで、患者さんやご家族と研究者、研究を評価する専門家、専門家の集団である学会、その評価や議論に基づき研究内容や安全性を評価し、研究を助成していただいた政府機関、企業の皆様との連携の中で、私どもにとっては大変長い年月を地道に続けられてきた肉腫・GIST・悪性中皮腫の治療薬の開発研究で、治療薬製造の最終段階にある研究です。

これらの疾患は、我が国の成人の悪性腫瘍全体の2%で希少がんと呼ばれ(それでも毎年約10000人が新規に発症しています)、治療薬の開発研究が特に立ち遅れている疾患です。一方、肉腫は小児固形がんの3分の1を占め、我が国の小児の死因の第二位である小児がんの中では主要ながんとなっています。肉腫の原因は未だに全くわかっていないため、発症を防ぐ手立てはありません。治療薬の開発研究が急がれる所以です。


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2006年11月26日大阪大学中之島センターでキュアサルコーマ代表の
大西さんと米澤さんご夫妻から肉腫・GISTの患者さん、ご家族を代表して
寄附金が贈呈された。これにより治療薬製造細胞の米国での全18項目
に及ぶ安全性試験(生物学的評価試験)が可能になった。

このように今日に至るまでの治療薬の開発研究には数限りない実験と
安全性評価のステップがあり、万感の思いが込められている。



<大阪府立成人病センターの移転反対問題>
事実関係
大阪府立成人病センターの移転に反対する人々が、私どものこの研究により「地域住民の生命が脅かされる高い蓋然性(確からしさ)がある」と主張していることを私が知ったのは、2011年10月19日のことでした。

事実関係は、新聞紙上やインターネット等でご存じのとおりです。

11月に入ってから、10月7日付けの朝日新聞に「大阪府立成人病センターの移転予定先地域住民39名から、成人病センター研究所で行われている治療法や診断法開発のための病原体研究で用いられている病原体が、外部に漏出して地域住民の健康に回復しがたい被害が生じる可能性があるとして、移転差し止めの仮処分申請が大阪地裁に行われている」との記事が、また翌10月8日付けの毎日新聞と日経新聞にも掲載されたこと、さらに10月7日のNHKや民放のニュースでそのことが報道されたことを知りました。

係争の争点は何か
上記の論点から、係争の争点は、「腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス1型を用いる研究が地域や環境にとって住民の生命が脅かされるほどの危険な研究」なのか、「そうでない」のか、という点にあることがわかります。

後に詳しく述べるように、ウイルスや細菌などの病原体やその遺伝子組換え生物等を扱う研究では、地域や環境への拡散を防止する措置を講じることが義務付けられており、扱う微生物の病原性や実験の内容に応じて拡散防止措置のレベルが決められています。物理的封じ込めのレベル(Physical Containment Level)と呼ばれるP1〜P4の拡散防止措置です。我が国では「地域や環境にとって住民の生命が脅かされるほどの危険な研究」はP3レベル、「そうでない研究」はP1またはP2レベルの拡散防止措置をとる研究です。

ちなみに、成人病センターで承認され実施されている研究は、これまでも現在もすべてP1またはP2レベルの研究であり、P3レベルの研究は全く行われていません。

また、過去も現在も、また国内も国外も腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス1型を用いる研究は、下記のようにP2レベルの拡散防止措置をとる研究(=地域や環境にとって危険性のない研究)とされてきました。

腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス1型を用いたがん治療薬の開発研究をこれまでに実施したことがあるかまたは現在実施中の国内外の大学等研究施設における研究の物理的封じ込め(P)レベルの国際的なコンセンサス
英国(ロンドン大学 P2、ハマースミス病院 P2)
米国(ハーバード大学 P2、スローンケタリングがん研究所 P2)
日本(東京大学 P2、東京大学医科学研究所 P2、京都大学 P2、大阪大学 P2、慶応大学 P2、愛知県がんセンター P2、名古屋大学 P2、九州大学 P2、大阪府立成人病センター P2)


<単純ヘルペスウイルス1型腫瘍溶解性ウイルスのバイオセーフティー>
私たちが研究する単純ヘルペスウイルス1型腫瘍溶解性ウイルスとは、増殖力を全くもたない単純ヘルペスウイルス1型変異体を出発点として、カルポニンをもつ肉腫•GIST•悪性中皮腫の細胞でのみ増殖できるように改変したものであり、患者さんに直接投薬しても病原性が出ないようにしたウイルスです。

WHOの指針と国立感染症研究所の安全管理規定による病原体のリスク分類
そもそもウイルスや細菌などの病原体の危険性は、WHOのバイオセーフティー指針(2004年第3版)のリスク分類表をもとに各国で定められています。我が国では、国立感染症研究所病原体等安全管理規定の「病原体等のBSL(バイオセーフテフィーレベル)分類」で各病原体の危険性に基づき、実験室でのその取扱いのレベルが詳細に分類・規定されています。

単純ヘルペスウイルス1型(病原性をもつ野生型ウイルス)は、WHOの指針では「地域社会、家畜、環境にとって重大な災害となる可能性のない病原体」で、「有効な治療法や予防法が利用でき、感染が拡散するリスクは限られる」とされる「地域社会へのリスクが低い」リスク群2のウイルスに分類されます。つまり国立感染症研究所病原体等安全管理規定の病原体等のBSL分類で、BSL1〜BSL4のうち(BSL4には最も病原性の高いものが分類されている)、BSL2に分類されているウイルスです。ちなみに、BSL3に分類される病原体には、新型インフルエンザウイルス、サーズウイルス、狂犬病ウイルス、黄熱病ウイルス、結核菌、炭疽菌、腸チフス菌などが記載されています。

単純ヘルペスウイルス1型(BSL2レベル)が、黄熱病ウイルスや狂犬病ウイルス、サーズウイルス、新型インフルエンザウイルス、結核菌、炭疽菌(BSL3レベル)と同じようなレベルで地域住民や環境に対して危険な病原体であるとする主張が正しいなら、40歳以上の日本人の82.3%が単純ヘルペスウイルス1型の抗体保有者であり(1996年の資料;日本皮膚科学会ホームページ)その感染者と考えられるため、外来を受診した口唇ヘルペスなどの症状(昔から俗に「熱の花」と呼ばれる水泡;接触感染だが抗体保有者には免疫がある)をもつ多数の患者さんを、黄熱病ウイルスや狂犬病ウイルス、サーズウイルス、新型インフルエンザウイルス等の感染者と同じ感染症専用病室に隔離しなければならないことになります。

感染症法による病原体のリスク分類; 一種〜四種病原体
また、我が国では病原体の研究等、所持や管理に関しても、感染症法(感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律)によって、生物テロに使用されるおそれがあり、国民の生命および健康に影響を与えるおそれがある感染症の病原体等を一種病原体から四種病原体等として特定し、その分類に応じて、所持や輸入の禁止、事前の許可や届出、基準の遵守等の規制を設けています(2007年6月から施行)(厚生労働省)。感染症法に特定される病原体には、上記BSL3の病原体はすべて含まれていますが、単純ヘルペスウイルス1型は含まれていません。

先頃、生物テロに悪用される危険性があるとして、研究の外部発表の内容を制限するよう米国政府が求めた、鳥インフルエンザ強毒株(BSL3)や新型インフルエンザ(BSL3)はいずれも感染症法で四種病原体に分類されています。

小 括
このように、単純ヘルペスウイルス1型は、病原性をもつ野生型ウイルスでさえ、WHOの指針、国立感染症研究所の規定、感染症法のいずれをとっても、国民の生命および健康に脅威となる可能性のない病原体に分類されています。研究所で扱う腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス1型は野生型ウイルスではなく、ヒトに対する病原性をなくすように改変した遺伝子組み換えウイルスであるため、地域社会や環境に対する危険性がないことはなおさら明らかです。


<遺伝子組換え実験の拡散防止措置>
取り扱う微生物の病原性に応じた実験分類; クラス1〜クラス4
遺伝子組み換え生物の使用に関しては、「遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律」に基づき文部科学省および環境省の省令(平成16年文部科学・環境省令第1号)によって、微生物等の実験分類がクラス1〜4(クラス4には最も病原性の高いものが分類されている)に定められています。単純ヘルペスウイルス1型は哺乳動物等に対する病原性が低い微生物であるとされ、実験分類のクラス2に分類されているウイルスです。  

この「遺伝子組み換え生物等の実験分類」と前述の国立感染症研究所病原体等安全管理規定の「病原体等のBSL分類」とは対応しており、実験分類のクラス3には、BSL3に当たる新型インフルエンザウイルス、サーズウイルス、エイズウイルス、狂犬病ウイルス、黄熱病ウイルス、結核菌、炭疽菌、腸チフス菌などが記載されています。

実験の拡散防止措置のレベル; P1〜P4
実験に際しては、クラス1〜4の実験分類に対応して、遺伝子組み換え生物等の環境への拡散を防止するための措置として物理的封じ込めの方法がP1〜P4の4つの段階に規定されています。概略、(1)P1レベルの拡散防止設備は理科の実験室レベル、(2)P2レベルは、安全キャビネットにより部分的に陰圧空間をつくり、実験操作をその中で行い、フィルターを介して排気します。高圧滅菌器(オートクレーブ)により使用機材や廃棄物、作業衣などを滅菌処理して室外に出します。(3)P3レベルは、P2レベルの拡散防止設備に加えて部屋全体を陰圧空間とし、入口までに2つのドアを設けます。(4)P4レベルの拡散防止措置は、現在国内では実施されていません。腫瘍溶解性ウイルスの実験では、拡散防止のための設備はあらかじめ文部科学大臣の確認を得ます。

実験分類のクラスに応じた拡散防止措置のレベル
実験分類がクラス2の単純ヘルペスウイルス1型を用いる実験はP2レベルの、実験分類がクラス3の新型インフルエンザウイルス、サーズウイルス、エイズウイルス、狂犬病ウイルス、黄熱病ウイルス、結核菌、炭疽菌、腸チフス菌などを用いる実験は基本的にP3レベルの拡散防止措置を執る実験です。エイズウイルスに由来するレンチウイルスベクターは国内の多くの実験施設で使われていますが、病原性をもたないように改変されているため(生物学的封じ込め)、実験分類がクラス2に下げられ、執るべき物理的な封じ込めのレベルもP2レベルとされています(文部科学・環境省令第1号)。

小 括
このように、P2レベルかP3レベルかの区別は、実験に用いる病原体のリスク分類(WHO)、BSL分類(国立感染症研究所)、実験分類(文部科学、環境省令)、生物学的封じ込めのレベル等に応じて決められるものです(資料ご参照)。P2レベルがP3レベルに格上げされるのは、遺伝子組み換え実験によってもとのウイルスの病原性が高まる場合です。


<結 論>

肉腫・GISTの新薬開発研究は地域の人々に危険を及ぼすことのないP2レベルの研究である

私たちの腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス1型は、ヒトに対する病原性をもたないように遺伝子を改変したウイルスであり、実験操作においては、P2レベルの拡散防止措置を執る研究です。もともと研究に用いているウイルス自体が、WHOのリスク群分類で「地域社会、家畜、環境にとって重大な災害となる可能性のない病原体」(リスク群2)に分類されるウイルスであり、社会で活動する40歳以上の日本人の80%以上が病原性のある野生型ウイルスに感染しているという現状からして、地域社会や環境に対して危険性をもつことのない研究であることは明らかです。実験によって、研究所から数百メートル〜1キロメートル以上離れた「地域住民の生命を脅かす高い蓋然性(確からしさ)」などあるはずのない研究なのです。


<2011年大阪府立成人病センター内科肉腫外来の肉腫・GIST共同治療連携の実績>
私たちにとって、2011年の終わりの2カ月間は大変苦しいものでした。それでも2011年1月から12月までの1年間に、内科・肉腫(サルコーマ)外来では、肉腫・GISTの純初診患者さん200名を診療しました(11月、12月の2カ月間で29名)。再診患者さんの数は451名で、全国から私たちの外来を受診された肉腫・GIST患者さんの総数は651名に上りました。腫瘍解析総数はおよそ330例に達しています。

これらは全て、薬剤師で研究員である山村倫子先生を中心とする研究室のスタッフの皆さん、内科外来のスタッフの皆さんのおかげです。そして、連携診療に士気高く一生懸命取り組んでくださった20施設(大阪府立成人病センター、大阪大学病院、大阪警察病院、京都大学病院、京都府立医科大学病院、兵庫医科大学病院、八尾市立病院、岡山大学病院、国際医療福祉大学熱海病院、淵野辺総合病院、松本協立病院、関東中央病院、新山手病院、東京女子医科大学病院、国立がん研究センター中央病院、癌研有明病院、昭和大学病院、東京ガンマユニットセンター、亀田総合病院、ニューヨークマウントサイナイ病院)、30名のキュアサルコーマボードの先生方のご努力なしには到底達成できなかったことです。

本当に肉腫・GIST医療の流れを変革することは、既存の組織で人事や仕方を変更したり改めたりするだけでは絶対にできず、その基にあるしくみ(=体制)を変えなければなりません。このような考えのもとに、2009年にキュアサルコーマセンターを設立し共同治療連携のしくみを構築して2年間が経過しました。2011年の私どもの肉腫外来の数字は、都内の大きな大学病院でさえ年間10例いるかいないかという肉腫患者さんの診療が大きく変わってきたことを示しています。体制の改革は、必ずや新しい治療薬や診断法の開発を可能にしてくれるものと思います。


<肉腫・GISTと懸命に闘う患者さん、ご家族、医療者、みんなの声を届けよう!>
肉腫・GISTと闘う患者さん、ご家族にとって、新治療薬の開発研究は待ったなしの状況にあります。命がけで、患者さん、ご家族、ご遺族からのメッセージを大阪に届けて下さったhiroさんをはじめとする肉腫・GIST患者さん、ご家族の皆様の心からの叫びを、大阪府立成人病センターの移転問題に関わるすべての人々に聞いていただきたいと思います。





添付資料
CureSarcom図13


肉腫・GIST患者、患者家族より緊急提言!!

11月21日に大阪府議会議員団の花谷充愉幹事長に
患者を代表して陳情書を提出して下さったhiroさんから
ご報告を頂きましたので、以下に掲載いたします。  


最近何度か書かせていただいた大阪府立成人病センターの移転問題に絡んだご報告です。


 皆様もご存知のとおり、大阪府立成人病センター研究所における「単純ヘルペスウ
イルス1型腫瘍溶解性ウイルスを用いた肉腫・GIST・悪性中皮腫の標的遺伝子療法の開
発研究(高橋先生、山村先生)」は、2005年に10万5553名の肉腫・GIST患者、患者家族
の署名のもとにはじまった研究です。

 ところが、降ってわいたように今回の問題が起こりました。
 10月20日付けの産経新聞と毎日新聞紙上で、大阪府立成人病センターに対して「自
民党府議団が大阪府知事に『ウイルスをつかった標的遺伝子療法の開発研究の地域住
民への危険性』に関する質問状」を提出したという記事が掲載され、同様に10月7日付
けの朝日新聞に、「移転先地域住民39名から、成人病センター研究所で行われている
治療法や診断法開発のための病原体研究(肉腫•GIST•悪性中皮腫の標的遺伝子療法の開
発研究)で用いられている病原体(単純ヘルペスウイルス1型腫瘍溶解性ウイルス)が、
外部に漏出して地域住民の健康に回復しがたい被害が生じる可能性があるとして、移
転差し止めの仮処分申請が大阪地裁に行われている」との記事が、また翌10月8日付け
の毎日新聞と日経新聞にも掲載されました。一方、自民党府議団から大阪府知事に対
する上記の質問に対して、府知事は「研究は安全基準を満たした研究室内で行われて
おり、地域住民に危険が及ぶことはない」と自民党府議団へ回答しました(10月21日付
けの新聞記事;産経新聞、毎日新聞)。

 その様な中、私たち肉腫•GIST患者•患者家族11名は、11月21日に自由民主党大阪府
議会議員団の花谷充愉幹事長の事務所を訪問し、肉腫•GIST患者・患者家族でつくる3
つの団体を代表して、上記の件についての患者•患者家族の懸念を表明した陳情書•要
望書(写真)を花谷幹事長にお渡ししました。

 今回参加した肉腫患者の1人は、花谷幹事長ご自身から大阪府立成人病センターの高
橋先生に肉腫の治療を依頼された患者であったため、高橋先生と山村先生も花谷幹事
長に経過報告することもあって同行されました。
 余命宣告を受けて、絶望の中で成人病センターの高橋先生の外来を受診したこの患
者さんは、その後、キュアサルコーマボードの先生方による共同治療連携によって治
療を続け、1年半たった現在も病状は安定されています。

 私たちは、ご多忙の中、花谷幹事長が貴重な時間を割いて肉腫•GIST患者・患者家族
の気持ちに耳を傾け、陳情書•要望書を受け取っていただいたことに感謝します。また、
この事により、私たち希少疾患患者・患者家族の立場をご理解いただき、今後の事態
の収束に向けてさらなるご助力をいただきますよう自由民主党大阪府議会議員団に対
し要望するものです。

******************************************

CureSar用

CureSar1


P1050620

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 hiroさんをはじめ、患者さんとそのご家族が、
自民党の花谷幹事長の事務所を訪ねて陳情書を手渡して下さったことに、
熱くお礼申し上げます 
hiroさんは治療を受けておられる身でありながら、私たちを代表して入院先の病院か
ら出向いて下さいました。
それぞれの患者さんも、抗ガン剤の副作用や手術の傷が癒えない中を話し合いに参加
して下さいました。
本当にありがとうございます     

 本日の緊急提言によって、私たち肉腫・GIST患者、患者家族の決意と心からの願い
が、今回の問題に関わる自民党府議団や地元住民の人々に届きますように

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