スリランカ最終回は妹尾河童さんからタイトルをパク・・・いや借用。
三部作の一回目はこちらから
二回目はこちらからどうぞ!
昼間全く観光する時間がない料理修業の旅、最近テーラワーダ仏教(ブッダが生きていた時代の原始仏教)の本に感激している香取&とーちゃんはガルガムワからアヌラーダプラに足を伸ばした際サミーラ君たちと夜の仏塔へ出かけてゆきました。
仏塔・・・・仏像でもなく寺でもなく。
その意味を理解出来ていなかったのですが、今回よくわかりました。
丸い壁に張り付くようにして上を見上げると、丸い壁しか見えません。しかし一歩後ろに下がると塔の最上部の光る部分が遠くわずかに望めます。そして塔のなかに何があるか・・・何もないのだそうです。・・・・まさにテーラワーダです!感激しました。
一歩下がらないと塔頂は見えない。張り付き寄り掛かっていては(執着したり同じ場から出られないでいては)見えない。けれど一歩下がれば必ず真上に光る頂はある。
周囲360度どこからでも等しく同じにそれは見つけられる。
そして必要なものなど何もない、大事に詰め込むべきものなど何もない。

一緒に来てくださったサミーラ君のお父様もうちの息子もやだもんも、ハスの花を持ってお線香をあげてお参りです。
座って少し目を閉じているとーちゃんを見て私も瞑想をしてみたくなりましたが時間切れ。
また来ます。

さあ料理の写真に移りましょう。
アーユルヴェーダ医のご家系のお宅で作っておいて下さったキリバトです。
通常白か赤の米をココナッツミルクで炊くシンプルなものですが、ここのは変わっていた。
緑豆入り。
パリップというインドのダールに相当する料理、何故かスリランカではマスール豆(レンズ豆)しか使わないようなので変だな、と思っていたのです。
やはりありました。
一番消化に良いというムーング(緑豆)の調理例。しかも皮の油分をしっかり取り込み消化にも良いチルカスタイル(砕いてある)で!
食べると豆の味がふんわりして美味しいっ。
いくらでもいけちゃいますね、これ。
この旧家ではトゥナパハ(カレー粉)製法も他とは違いました。アム(生)とローストの間、即ち半炒り。このスタイルは日本での普及に最適と感じました。
塩の使い方も面白かったです。
ベントータでハスを収穫したあのカッコイイ師匠、塩も唐辛子も料理によって使い分けている。
上の写真は大きな粒塩を水に浸けてあるもの。いい味です。
この塩水はゆっくり味を染み込ませるものに使う。パウダー塩はサッと和えるものに使う。ちなみにこの伝統的な塩水、水を切らしてしまうことを縁起が悪いと嫌うため一度始めたら使いながらきちんと水を足してゆかなくてはいけないと習いました。はい、了解です。
この粒塩は結晶させてあるのかな。岩塩(採掘して地層から採ってくる塩)はスリランカの地層にあるのかな。白いしヨードは少ないだろうな。溶融はしてないっぽい味だったな。
やはりまだまだ研究するには時間が足りん。
唐辛子は粗びきとパウダーと青唐辛子を使い分け。そのコツと理由は私と同じだった。うっしっし。
更にコッチ(古代種唐辛子)は予想通りポル・サンボールなどに使うと素晴らしい。

あり得ない旨さの茄子料理。
同じ茄子は日本に無いのですがこれと台湾の客家の料理のクロスオーバーをやってみたいっ!
あ、応用はまだ先ですね・・・イカンイカン。
でもスリランカでの茄子の美味しい事といったら!
同じナス科でもトマトは少ししか使いません。インドとそこは大きく違う。カツオ風味があるから凝縮されたリコピンが要らないというか。
酸味というものは、ゴラカやタマリンド程度にきつくないと酸味とは言えないのねここでは。
ここからも、暑さの中で食欲を出すのは酸味と辛味のバランス(香取学説)だといえそうです。
しかし、トマトが身体を熱くしすぎるとスリランカで特に言われているという話をイエスタデイさんのブログで読みました。
たしかに。
でも、それ以上に身体を熱くするニンニクをスリランカもケララ州も、北インドよりもずっと多く使います。このあたりが面白いんだなー。
香取説は、ニンニクは酷暑のなかでは体温上昇以上に体力作り、要するにスタミナになる気がします。3月のケララでそう感じました。
ケララもスリランカもヒンドゥーの上位カーストに根強い「ニンニク縛り」がないですから、がっちり使って酷暑を乗り切ってます。でもこれ、一定以上の気温がないとかえってだめ。
スタミナ付けなきゃやってらんないような暑さの場合、ニンニクは身体を温めるより先に体力に消費される!(香取学説)
トマトをあまり使わないことに関しては、この国の料理の仕方の特徴の「あまり焼かない」ということに関係ありそうです。旨みが熱で凝縮されてこそのトマト料理だと・・・・(香取学説)
他にも思うところあり。今考えてることがアタリがどうか、行くたびに謎が解けてゆきそうです。
あらーーー専門的な話になってしまった。
退屈してる人がいるといけないから、草津の写真行きましょう、

えんやーとっと、
えんやーとっと。
(やだもんは、とーちゃんのたーめならえーんやこーら♪と歌ってたわ)
これはね、ドドルというお菓子を煮ているのよ。
もう3時間やって、ドドル師匠(後ろの味のあるオヤジ)が疲れたっていうんで交代したの。
・・・というか、
このオヤジ近所の自転車屋のオヤジに似ているわ。
じゃなくって!
たまたまドドル煮てるのを発見したので殴り込みしたの。
えー、道場破りってやつ?(笑)
これ、ケララにおんなじものがある。
全く同じよ。
単にハルワって言ってるけど、北インドのハルワとはかなり違う、ういろう状。
まあ、練り上げ系の総称なんだけど。
このドドル出来立てを買ってきました、半日経ってもまだ熱かった。
魚の皮をむいてます。
この包丁(私は足踏み包丁と呼んでいます)はペイズリーにもあって授業で使っていますが、かまどの灰を魚にまぶすと滑らなくて皮がするっとむけるというんですよ。
わーいこういう話って大好きぃ♪
で、

魚の匂いだにゃ〜〜〜
くれるかにゃ〜〜
欲しいにゃ〜〜
旨そうだにゃ〜〜
ふにゃ〜〜〜
ごろろ〜〜ん
コキス揚げてます。
ケララではアッチャパン。同じものだけど、型のデザインはスリランカが豊富で面白い。
車輪型、花型に加えてペイズリー型もゲット!魚釣りゲームやってるみたいで楽しいお菓子。スリランカ料理コースがスタートしたらみんなで持ってたくさん揚げようっと。

トゥナパハをローストしています。
混ぜているのは安田講堂帰りの人です。お疲れさまでっす。
さあ、締めに入りましょう。
スリランカでの土鍋料理にしても、ココナッツオイルから出る煙も相当なものですし、やはりそれは野外にあるべきものです。
インドでは女性を人目につくところに出したがりませんからやはりキッチンは内側に向いてしまう。
パンジャビドレスのドゥパター(スカーフ)で胸を隠さないと何を言われるか分からないインドに慣れた身には、スリランカ女性がブラウスの胸から谷間を見せてるだけでどうもドキドキ(笑)
自由です、おおらかです。そしてインドほど男が威張ってない(笑)
それにしてもヒンドゥー上位カーストとイスラム王朝支配の影響によりインド料理は損をしている部分が多々ある、と私は今回初めて感じました。
ノンベジ、アルコール(ビネガー)、発酵食品・・・・これらをインドがどの階層においても数千年間自由に使っていたらインド料理はどんな進化を遂げていたでしょうか。

スリランカはある意味豊かです。
九州ほどの国土に高い山、なにしろ水があります。
この違いは生活の質に響きます。けして贅沢してるのとは違いますけど、粒塩を溶かす水にしたってインドの生水では長期保存は無理でしょう。
水はココナッツを育て、米を作り、清潔を運ぶ。
料理に不可欠なココナッツを割れば、燃料ももれなくとれてしまいます。これもすごい。
牛糞燃料わざわざ作らなくてもココナッツがあれば大丈夫。使った後、なんと転がしておくだけ。牛糞燃料に比べて強火弱火もサッと出せる。
スパイスもセリ科グループ以外は庭にあったりする。で、庶民が心おきなく味を醸せます。
食べ物の貧富の差もインドほどはないに違いありません。
私が22歳で、自分で働いたお金で初めて行った外国はスリランカでした。紅茶に魅かれての旅でしたがちょうど内戦が始ったばかりのときでした。そのとき村にたまに見かけた「野生の象を見張るツリーハウス」を今回たったひとつだけ、また見つけました。
この国に実に多くの種の珍しい動物が未だ生きているのは気候のせいばかりではありません。
仏教徒が多いこの国では無駄に殺生をしない・・・人の生活の勝手だけで他の生物を駆逐したりしない・・・人と動物の命を同じ比重で考えようとする土壌があるから・・・?
そんな話を、同行の夫と話していました。
奇しくも内戦の終結した翌年である今年、25年ぶりに訪れたスリランカ。
この25年の間に私はインドへ行き来し、結婚し親となり離婚し起業し再婚していました。
今回の旅、コーディネーターのサミーラ君は最高の仕事をしてくれました。ありがとう。
とーちゃんはいつも自腹ですみません、書籍化がんばりましょう。
息子は実にいい味だして・・・いやいや。君、サロンが似合うな。お子ちゃまの相手から荷物運びまでご苦労であった。
そしてやだもん。こういう修業の旅は通常のテンションでは乗り切れないっていう無言の圧力をよくぞキャッチしてくれました。あなたの盛り上げ方があったからこそ、あり得ないテンションでこのアイテム数を真剣勝負で一気にこなせました。感謝してます・・・・・あら?地だった?なーんだ(笑)
まだまだ、覗いただけのスリランカ。
そのインドとの違いの面白さに私は目覚めてしまいました。
【特別付録】
スリランカ料理修業の旅をスライドショーでご覧になれます。
12〜13分です。
宜しかったらお楽しみくださいませ。

スリランカとインドの違いが新たな発見につながる。それは、沢山のインド料理やインドの文化を深く知っているからこそできる業。やっぱりさすがです。男前すぎ。