IMG_3257g
今日、10月22日、ペイズリーにカレーリーフの木がやってきました。
カレーリーフとはインドやスリランカの料理にとても重要なハーブですが、日本ではまだドライしか手に入りにくく、多くのレストランやカレーファン達からとても需要が増えてきているものです。みんな苗を育てたりと苦労して生葉を手に入れています。
これはハタイクリニックの庭にあった、おそらくは日本ではかなり大きなもの。4メートルありました。それを剪定し約3メートルにし、移植しました。

写真に一緒に写っているのが今回このプロジェクトをお任せした、Gio Green の森井さんです。
カッコいいんですよ、4トントラックも乗りこなす女性の親方です。
これは今日の夕方移植が無事済んで2人でほっとしたところ。

幡井先生と、奥様もお亡くなりになったクリニックでは、
ご住居やクリニックの施設であったマンションを整理しなくてはなりません。
不動産としては庭は整地するべきであり、そこで庭にあったこのカレーリーフも切ってしまうと予測されました。
「切ってしまうのなら私に育てさせていただけないか」と願い出て、みなさんが「それが一番木を生かせる」とおっしゃってくれたわけです。

この木は幡井先生からいただいたのと同じ。食材としての価値とはまた違う、私にはとても深い意味合いのある木です。



最後用
左が移植前の庭。右が移植後です。
ペイズリーの庭は細長い。でも日当たりはいいんです。
細長いといっても打ってあるコンクリートの厚みはとても薄いので、根は自由に広がることができます。

今回はまず、移植について「ひきちガーデンサービス」の曳地トシさんに相談しました。
オーガニックの庭作りを提唱されている、その世界ではちょっと有名なお姉さまです。最近こういう本を共著でだされて講演会などでお忙しいかたでもあります。
そんなトシさんがご紹介くださったのが、トシさんのもとで学ばれた森井さんだったわけです。
せっかくオーガニックの庭作りを学んだのだけど、やはり農薬使用のお仕事が世の中には多いそうで、今回、はじめて「竹筒法」というやり方での移植をしてくださいました。
竹筒法についてはまたあとで説明しましょうね。

枇杷がわを見る
あらかじめ現場の下見に来て下さった森井親方、「風通しを良くしましょう」ということで、奥の枇杷と入り口の椿を思いきって剪定することに。
この枇杷、いつのまにか香取の母が植えていたのですが大きく育ちすぎて実が生っても届かないという困った木になっていたのでした。
ほら、すっきりしたでしょう。

椿側から
入り口の椿です。これもこんもりしすぎ。
それが、いっそ切って(抜いて)しまおうかと話していたら親方がおっしゃる。
「なんだかこの椿、切られるって心配してるみたいですね、こんなにたくさんツボミをつけて・・・」

見ると小さな固いツボミがかつてないほどついていまます。
そこで決めました。
「切るのはやめましょう、剪定してください」

というわけで、こんなにすっきりしました。
でもまだツボミはついていますので初冬、咲き始めることでしょう。

お神酒
移植前日、親方はペイズリーにやってきて、まずお榊とお神酒とお札で「御作法」をほどこしてくださいました。移植予定の場所にいた月桂樹を抜いて、整地します。

思えば造園業、植木職人さんたちは「樹木」という生命を扱うのですから、植物と人との生命としての比重をとても近く感じているのかもしれません。
邪魔にならないように少し離れて香取もちょっとお祈りします。

曳地トシさんからは、「移植の一週間前から、樹に向かって〈私たちはあなたを待ってるよ、大事にするよ〉と話しかけてごらん」とのメッセージをいただいていました。
ですからペイズリーのスタッフ一同で15日の月曜からそのように各自がカレーリーフの木に呼びかけていたのです。

前夜の穴
移植当日は、運んだらすぐに土に植えたい。とのことで前日に穴を掘りました。
掘った穴にシートをかぶせて、前日の仕事は完了です。

(おもしろい話・・・翌日の朝、香取が穴を見に行ったら、シートがずれて下にズルッとたわんでいて、どうやら毎日ここを歩いてる近所の猫が落ちたらしい!さぞびっくりしたでしょうね)

IMG_3059
さて!
移植当日です!
親方とオカちゃん(と勝手に呼ぶ)は朝早くから祐天寺のハタイクリニックへ。
木を剪定し引き抜き藁で根を包み、ユニック(クレーン)でフェンスの上から持ち上げて外に出し、
抜いたあとを整地し、ユニックの3トントラックで武蔵境へ。
私はお二人の昼ご飯を作って今か今かと待っておりました。

さっきまで木が生きてきたハタイクリニックは、
私が世界一のイイオトコと信じる故幡井勉先生がお作りになった日本初のアーユルヴェーダの治療院です。幡井先生については、是非ここをご覧ください。
追悼:幡井勉先生
愛溢れる最高の葬儀【幡井先生を偲んで】


吊上げておろす
吊上げて、おろす。
おおきいっ!

丁寧に丁寧に、枝の1本も折らないように繊細に作業をすすめる親方とオカちゃん。

がんばれ親方!
がんばれオカちゃん!
がんばれカレーリーフ!



さあ!着地したらあとは運ぶのだ。
狭い入り口ではあるけど曲がってない、真っ直ぐだ。
枝に気をつけどんどんゆくしかない。吊上げて入れるよりもこの方がよさそうだと親方が判断した。



三枚
こうして掘った穴に無事収まったカレーリーフ。
今度は土をかぶせるにあたって、「竹筒法」を施します。これがどういうものかというと、


日本オーガニック・ガーデン協会(JOGA)の「オーガニック・ガーデン・マイスター講座」で教えているという「竹筒埋め込み法」。埋める竹は2つに割って中の節を取り、元の形に戻してシュロ縄で3か所しばっておきます。前日に、木を埋める両側に深さ1メートルぐらいの穴を2つ掘っておき、カレーリーフの木を埋設したあと、竹の周囲を堆肥入りの土で埋めました。

こうすると、竹の空洞を伝って深い部分まで空気(酸素)が入り、半割りした竹のすき間から水が染み出るので、根の周りに水分が届きやすくなります。土で埋まらないように、竹筒の上には砂利を敷いておきます。

この「竹筒埋め込み法」は、JOGA代表の曳地さんが樹木医さんに教わった方法とのこと。樹齢が長い木が病気になったときに、広がった根を掘り起こすこともできないので、何か所か穴を掘って竹筒を埋め込み、そこから水分や養分や酸素を供給して、木の病気を治す方法として一般的なんだとか。

NPO法人 日本オーガニック・ガーデン協会(JOGA)

ということです!



窓から
かくして、いつも授業で講師が座る席の後ろに、これからはこの大きなカレーリーフの木があります。
これからはこの木に見守ってもらいながらインドとスリランカの料理を広めてゆきます。

移植の2日間、雨も振らず暑すぎず、気持の良い秋晴れ。
移植の翌日となる明日は水が必要、そしてどうやら雨です。天候は本当に移植向きに恵まれました。

そして心強い偶然として、私が親方と一緒にはじめにハタイクリニックを訪問して改めての移植のお願いと下見をした日が、インドの暦での「ガネーシャチャトルティ」だったのです。
この日は何かを始める時に障害や困難を取り除いてくれるという日で、新しいことをスタートする吉日です。帰り道にこのことに気付いたのです。意図せずこの日を選んでいたとは!


まだまだ約1年は収穫せずに木を大事に育てようと思います。この冬は落葉するかもしれませんが言葉をかけつづけます!

日本の気候でここまで大きく育った木ですから、きっとゆっくりと活着してくれることでしょう。
毎日話しかけて励まして、仲よくなるつもりです。
生徒さん達も、授業にいらしたら、木に応援の言葉をね!

ハタイクリニックのみなさま、ありがとうございました。