Dowsing - Okay 12"



シカゴエモシーンを代表するDowsingによる凡そ3年ぶりとなる新作は老舗Asian Man Records (US) / Dog Knights Productionsから。前作以降ドラムキーボードベースの脱退があり元Brave Birdで一時期Pity Sexでもベースを弾いていたMikeの加入等大幅なメンバーチェンジを経て新生Dowsingとして新たなステップな印象すら受ける今作。少し前に彼ら自身Alkaline TrioのGoddamnitのリップオフシャツを作っていましたが、まさに今作はAlkaline TrioやThe Weakerthans、Oskerをも彷彿とさせるサウンドで、アグレシッヴにメロディアスで時折アップテンポに走るキャッチーなギターワークが光る秀作であると思います。これまで嘆きながら共感を引き寄せるような歌い方や歌詞の内容であった彼らが、アルバムの一曲目の出だしから“Punk is dead, and all your friends will be soon”なんて皮肉を歌いあげる怒りにも似た力強さ、悲しみばかりじゃなくて怒りや批判や事象を変えていくための意思表示のようなパンチの強さ。これまでのナードな片鱗もふんだんに散りばめられていますが、いわゆる直球なミッドウエストエモで儚げで切なくいなたくエモい印象の強かったこれまでのスタイルを踏襲しつつも多分にパワフルさを持ち合わせメロウでパンキッシュなスタイルへと生まれ変わった感のある今作。このDowsingの新作に見られる変化やInto It. Over It.やThe World is A Beautiful Place、Foxingらいわゆるエモリバイバルと呼ばれるムーブメントで一時代を築いてきたバンド達が根本のメンタリティは崩さずにそれぞれに違う方向へ転換を見せ成功を遂げている昨今のこの流れはエモリバイバルが成熟したような感覚にさえ陥ります。エモバンドがパンクバンドとしてあり続けるための儚くも意思は確かに力強く嘆くDowsingキャリア史上最高の一枚。Wasted On Hateには彼らのレーベルメイトで盟友のSpraynardのPatがゲストボーカルとして参加しています。

 DOWSING_SHIRT_PATCH







** Music Videoに登場するアートワークを使用したDowsing 'Boy' Tシャツも極少数ですが入荷しています。





I Love Your Lifestyle - We Go Way Back 12"



スウェーデンのトゥインクルエモ I Love Your Lifestyleによる待望のデビューアルバム。
2013年/2015年にリリースした二枚のEPから耳の早い人々の間では話題になっていた彼らのアルバムとあって個人的な期待値も高かったのですが、ユーロ圏のバンド特有の得意の儚くも湿り気のある雰囲気とミッドウエストエモな爽快さが共存する、突き抜けるように底抜けなポップさとメランコリックさとが共栄する痛快なまでに淡麗でキャッチーなリフが完全にクセになるデビューアルバムというにはあまりに仕上がりすぎた最高に清々しく気持ちのよいエモくポップに弾ける一枚。近年激情シーンが特に盛んなスウェーデンのバンドとあって過去に日本でもリリースのあったTrachimbrodのボーカルが属するバンドでもありますが、昨今ではMakthaverskanやWestkustら(いずれもRun For Cover Records)が登場したGothenburg出身(スウェーデン第二の大都市)のバンドというのも何だか納得な質の高さ。ユーロ全体で見てもここ数年ここまでいわゆるなエモバンドはいなかった印象で、先日のForests (Singpore) でも感じた”エモリバイバルがリバイバルしている”ような流れ、もしかしたら一次エモリバイバルが期を熟し二次エモリバイバル期がじわりじわりと来ているのかもしれません。バンド名もジャケも何だかすごい感じですが、音は紛れもなく確かに紡がれ蓄積されたリフとポップでキャッチーさが煌びやかな14曲フルボリュームの素晴らしい作品です。Algernon Cadwallader ~ Marietta ~ Forestsあたりにグッと来る方は間違いなくチェックをお薦め致します。




Gillian Carter - Dreams of Suffocation 12"



USはフロリダ2ピース激情Gillian Carterの4枚目のフルアルバムがUKのDog Knights Productionsより。The Caution Childrenのギタリストでもお馴染み/一時はFrameworksでもヘルプで弾いてツアーも回っていたLogan Reveraのメインバンド、全ての曲を彼が書き上げるいわばソロにも近い形態の2005年結成10年超えのベテラン。激情の暴力性と圧倒的な手数、叙情的な猪突猛進的スピード感とエモーショナルさの両面を兼ね備え、終始衝撃的なキャッチーさで捲し立てるような展開。怪訝な雰囲気で押してきたかと思うとメロウにノスタルジックに郷愁感すら見え隠れさせる引き出しの多さは圧巻。激情基盤ですがエモ ~ メロディックハードコアな層にも間違いなくウケるバンドだと思います。相変わらず知名度は圧倒的にないですが作る曲はかなりの質のなので是非いろんな方に聞いてほしいと思います。下記MVは本作収録曲ではありません*




Simmer - Paper Prisms 12"




UKはイングランド北部の小さな街Cheshireよりエモ/シューゲイズ新星Simmerによるデビューアルバム。良作7”を経て満を持してのフルアルバム、根本に流れる空気感と展開はBasementの名作 "Colourmeinkindness" に非常に近く、近年のモダンなポップパンクなエッセンスとシューゲ的な系譜を踏みつつ絶妙な塩梅の浮遊感と時折疾走感を用いてノスタルジックで儚く淡く甘酸っぱいメロウな展開、全体の雰囲気はNothing (Guilty of Everything) meets Title Fight (Floral Green)とも言える仕上がり。なお現在はメンバーチェンジを経て5人編成ですが、7"〜今作レコーディング当時は3ピースでこの轟音な構成力というのも評価されるべきポイントであると思います。クサいパートもありながら90'sオルタナな感もふんだんに散りばめモダンエモに昇華させた傑作。

    

Shirokuma - Light Dies / Colours Fade 12"



再入荷!スウェーデン若手激情筆頭、Shirokumaによる2015年作EP。EPを12インチとしてリリースするあたりにもレーベル/バンドの気合いの入り方が分かる意欲作は、”Raein meets Suis La Lune”なニュアンスに幾何学感を漂わせていた前作から一変激情とエモーショナルハードコアとをミックスさせ至極キャッチーに仕上げつつ変態的な手数とスピード感で畳み掛ける充実感異常な作品。艶美さやドラマティックで夥しい悲哀感も失わず、ドラマティックで湿り気を孕む儚いサウンドが最高です。強烈な世界観を紡ぎ出す繊細で悲痛に谺する感情の叫びが胸に響き渡る壮観な、オープニングからクライマックスまで曲ごとにも一つの作品・アルバムとしても構成のダイナミックさが光る一枚。まもなく同国の御大Suis la luneとのスプリットリリース予定、毎回即時売り切れる作品ですので気になっていた方はお早めにチェックを。



ilill / letters to catalonia - Split cassette



2015年夏に結成されたばかりの東京のilillは、結成直後にリリースしたデモをきっかけにすぐさま話題を集めたエモバンド。悲哀感をこれでもかと孕む枯れ腐った感情を音に声に乗せ、90年代の激情からの影響を色濃く押し出す刹那な空気感ロウな音とが絡み合う素晴らしいサウンド。先日Machina Rexというニュージーランドのバンドと一週間超のニュージーランドツアーを敢行、現在東京で日本で最も勢いがある激情ハードコアバンドの一つ。相対するUSカリフォルニアのletters to cataloniaは今作で初聴でしたがブチ切れ超突破/緩急自在に操る系でキャッチーさを同居させる一体感抜群のいわゆる最高なエモバイオレンス。これは完全に今すぐにでもトレンドになりそうな爆発的な初期衝動感で完成度も申し分ないかと。甲乙付けがたい好スプリットです。

 

Time to Heal - Taking Control cassette



スウェーデンはストックホルムの女性ボーカルYouth Crewニューバンドのファーストリリース。No Omega/Carelessでもドラムを叩くGabriel Bhatiaによる新バンドで、Floorpunch ~ Mindset ~ Uniform Choiceあたりを彷彿させる展開にユースクルーなのに歌い上げるような叫ぶような女性ボーカルSofiaの伸びやかな言霊が乗るスタイル。3曲目のComing up Shortという曲でUS激情レジェンドAmpereのMeghan Miniorがゲストボーカルで参加という奇跡的なクロスオーバーな融合もあり、単純なクオリティ的なところは勿論ですが作品通してかなり面白い形に仕上がってると思います。



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