フリーライター石川清のblog

ライターの石川清のブログです。アジアや沖縄をまったり歩くのが好きなほか、最近は長期ひきこもり問題や、八つ墓村のモデルにもなった大量殺人事件などの書籍なども上梓しています。よろしくお願いします。

1964年埼玉県生まれ。NHK記者を経てフリーに。主な共著作に「ドキュメント 長期ひきこもりの現場から」(洋泉社)、「津山三十人殺し 七十六年目の真実」(学研)、「元報道記者が見た昭和事件史」(洋泉社)、「ヤシの実のアジア学」(コモンズ)、「津山三十人殺し 最後の真相」(ミリオン出版)、「危ないカギ屋の事件ファイル」(三才)など

ユーチューブ銃撃事件とネット依存の離脱症状

アメリカのカリフォルニア州にあるユーチューブの本社が銃撃されたそうです。3人のけが人が出て、犯人の女性は、犯行後、自殺しました。

犯人は、そのホームページによると、ペルシャ系アゼルバイジャン人の女性(39)ということで、職業はユーチューバーでした。動画を制作、配信して、その広告収入で報酬を得ているわけです。動物愛護に熱心だったそうです。

犯行の動機は、ユーチューブの規制に引っかかって、自身の配信動画の一部が自由にアクセスできなくなってしまったようで、それで視聴者らが減ったことが一因とされています。 

ただ、このニュースを見たときに「いくらなんでも、動画配信を制限されたくらいで、銃撃や自殺なんてするか?」と思った人も多かったかもしれません。

このニュースを見て、直接関わっているわけではないかもしれませんが、DSM-5(アメリカの精神医学会のだした精神疾患の診断基準)に記されている「インターネット障害」のことを思い出しました。

インターネット障害は、いわゆる精神疾患化したネット依存のことです。DSM-5によると、突然ネットなどにアクセスできなくなると、離脱症状が生じて、キレたり、怒りがわいたり、パニックになったりするようです。

離脱症状とは、いわゆる禁断症状のことで、有名なのは覚醒剤などの薬物を急に使用できなくなって、動機や息切れ、あるいは震えなどの症状が出て、コントロールできなくなってしまいます。

詳細はわかりませんが、このユーチューブ銃撃事件を聞いて、犯人の女性は、もしかしたらインターネット障害だったのではないか、などと考えてしまいました。事件の詳細な検証が必要かもしれませんね。

北朝鮮への認識の変化

 韓国が仲介して、アメリカ大統領と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の主席のトップ会談が5月頃に行われることになったという。アメリカ大統領が北朝鮮の主席と会談すると、史上初めてのことになるという。

 驚きだ。

 この驚きは、韓国の仲介の見事さや、米朝のコンタクトの進み具合の異常な速さに対して感じたのではない。

 北朝鮮の現政権の内政力や外交力の高さを、認めざるをえないと感じたからだ(だからと言って、独裁体制を認めようということはまったくないのですが)。

 前政権に比べると、飢饉の頻度なども低下し、内政は安定しつつあるように感じる。おまけに外交ではアメリカ、中国、ロシア、日本という周辺の大国を相手にして堂々と立ち回り、国が崩壊するどころか、アメリカを外交の自分の舞台にひきづりだしてしまった。

 民主主義でないから、つい偏見やバイアスで北朝鮮の政権を眺めてしまうのだが、これを独裁政権として認知して改めて分析すると、極めて高い政治力を有する独裁国家ではないかと考えられてしまう。

 仮に今が戦国時代で、戦国大名の一つに北朝鮮のような大名があったとすると、率直に大きな影響力を持つ大名にのし上がるのではないかと、つい思ってしまう。

 とはいえ、北朝鮮の周囲は敵性国家ばかりだったり、緊張関係のある国家ばかりだったりするので、冷静に考えると、まだ一波乱もふた波乱もありそうに思える。ただ、単に北朝鮮を「何を考えているかどうかわからないならず者国家」と呼ぶだけに終始するのは、かえって思考停止状態の戯言のように思えてならない気がしてしまう。 

面前ドメスティックバイオレンスの怖さ

 警察庁の発表によると、2017年に自動相談所へ通告した、虐待の疑いのある18歳未満の子供のケースは、6万5431人とのことでした。前年に比べて20.7%の増加だそうです。

 統計を取り始めた2004年以降、13年連続で増加しているとのことです。

 統計で数が増えたからといって、単純に実数が増えたと判断するのは誤りかもしれません。ただし、表面化するケースが増えているというのは間違いないでしょう。昔は、多少の虐待があっても、本人も周囲も家族も、黙っていたり、隠したり、あるいはそもそも虐待という意識もなかったり。一方で、最近は未熟なまま子供を持つ「親」も増え、虐待に走る親がいるのも事実です。

 この中で心理的虐待が7割を占めていました。実際の暴力のみを虐待と考える大人が少なくないですが、それはむしろ少数派です。虐待も、身体的虐待のほか、心理的虐待、ネグレクト(育児放棄)、性的虐待と種類がありますから。

 この心理的虐待のうちの多数、3万85人を占めるのは、面前DV(ドメスティックバイオレンス)でした。

 面前DVとは、子供の目の前で、親がその子供とは別の家族に対して暴力をふるい、その様子が子供の目や耳に入ってきてしまうことです。例をあげると、 子供の目の前で、父親が母親に対して、暴言を吐いたり、叩いたりすることですね。

 この面前DVがあると、子供は安心感を抱けません。このため、ひどい時には成長や発達の面で重大な支障が出てしまうとも言われています。また、親の側には、子供に対して虐待をしているという意識が全くないため、なかなかおさまらないうえに、子供の問題に気づきづらくなってしまうのも特徴です。

 僕は面前DVの被害者に大勢会って、話を聞いていますが、中には異性不信に陥ったり、結婚や子供を作ることに対して、強い嫌悪や恐怖を抱いてしまうこともあります。暴力を振るいやすくなったり、キレやすい子もいました。

 深刻な問題ですね。 
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