「よみがえるドゥナン」(米城恵、南山舎)という本を読んでいたら、与那国島の在来馬である与那国馬(小型のとっても可愛い馬で、与那国島の牧場で放し飼いになっている)の由来についての一節が記されてあった。

太平洋戦争中の昭和18年に与那国島を訪れた兵隊さんが、地元の人に与那国島の由来を訪ねたところ、こう答えられたというのである。

「この小馬は昔、カミゲンという所からきたそうで、カミゲンには立派な馬がたくさんいます」

兵隊さんは、カミゲンってどこかね、と聞いてみた。すると、

「台湾から一昼夜半で行けます。今は日本の領地ですが、この間までは外国でした」

さて、実はフィリピンのルソン島の北にカミグィン(Camiguine)という小さな島がある。この付近はカツオあがたくさん取れたところで、昔はよく沖縄からもカツオ漁船が出漁していって、台湾の工場で鰹節を作ったりしていたそうである。1ヶ月で、与那国島の収穫の2年分が取れたというからすごい。

1477(成化十三)年、与那国島に朝鮮のチェジュ島の人が漂着し、その時の島の様子については「成宗大王実録」に詳しく記されている。牛や鶏はいた記録があるが、馬の存在についての記録はなかった。だから、少なくとも500年前までは与那国島に馬はいなかったようだ。

つまり、愛らしい与那国馬はその後に与那国島にやってきて、どうやらそのルーツの一つはフィリピン北部のカミグィン島あたりなのかもしれない。

僕は沖縄のバナナや芭蕉のことを調べているので、その関連で与那国島の与那国馬のルーツや伝播についてもちょっと気になってしまった。それで、ちょっとここに書いている。

近いうちにちょっとカミグィンに行ってみたいと思った。少しならタガログ語もできるし。ただ、台風の時は大変なのですよね。

それにしても、郷土出版物には宝物がたくさん詰まっている。