警察庁の発表によると、2017年に自動相談所へ通告した、虐待の疑いのある18歳未満の子供のケースは、6万5431人とのことでした。前年に比べて20.7%の増加だそうです。

 統計を取り始めた2004年以降、13年連続で増加しているとのことです。

 統計で数が増えたからといって、単純に実数が増えたと判断するのは誤りかもしれません。ただし、表面化するケースが増えているというのは間違いないでしょう。昔は、多少の虐待があっても、本人も周囲も家族も、黙っていたり、隠したり、あるいはそもそも虐待という意識もなかったり。一方で、最近は未熟なまま子供を持つ「親」も増え、虐待に走る親がいるのも事実です。

 この中で心理的虐待が7割を占めていました。実際の暴力のみを虐待と考える大人が少なくないですが、それはむしろ少数派です。虐待も、身体的虐待のほか、心理的虐待、ネグレクト(育児放棄)、性的虐待と種類がありますから。

 この心理的虐待のうちの多数、3万85人を占めるのは、面前DV(ドメスティックバイオレンス)でした。

 面前DVとは、子供の目の前で、親がその子供とは別の家族に対して暴力をふるい、その様子が子供の目や耳に入ってきてしまうことです。例をあげると、 子供の目の前で、父親が母親に対して、暴言を吐いたり、叩いたりすることですね。

 この面前DVがあると、子供は安心感を抱けません。このため、ひどい時には成長や発達の面で重大な支障が出てしまうとも言われています。また、親の側には、子供に対して虐待をしているという意識が全くないため、なかなかおさまらないうえに、子供の問題に気づきづらくなってしまうのも特徴です。

 僕は面前DVの被害者に大勢会って、話を聞いていますが、中には異性不信に陥ったり、結婚や子供を作ることに対して、強い嫌悪や恐怖を抱いてしまうこともあります。暴力を振るいやすくなったり、キレやすい子もいました。

 深刻な問題ですね。