2006年06月13日

THE COLD MOON by Jeffrey Deaver

リンカーン・ライムシリーズ7作品目

 

 

マンハッタンで2人の男性が拷問の末殺害される事件が発生する。両方の事件発生現場には、古い型の時計が残されWATCHMAKER爐般松茲訖擁の手紙が添えてあった。

 

 

時計の製造元をたどると、男が同じ時計を10個買ったことがわかる。それはこの先更に8人が狙われる事を意味していた。しかし事件現場には、犯人の手がかりとなる物証が時計以外ほとんど残されていない。ライムが得意とする科学捜査の材料が無いのだ

 

 

犯人は主犯の WATCHMAKER こと GERALD DUNCAN(ダンカン) と、共犯者で性犯罪歴のある VINCENT REYNOLDS(ヴィンセント)。ダンカンはヴィンセントに次に狙う女性ターゲット達を殺害した後、レイプさせる約束をし、2人の間には奇妙な連帯感が生まれていた。

 

 

捜査の途中段階でリンカーン・ライム達のチームに、カリフォルニアの捜査官で動作学のエキスパート KATHRYN DANCE (キャスリン)が加わる。彼女は証人や犯罪者と話をし動きや話し方を分析して、相手の心理状態を理解し、真実を引き出す専門家だ。当初、人間の証言など全く信用していなかったリンカーンだが、キャスリンの仕事ぶりを見るうち、彼女の能力を高く評価するようになる

 

 

一方アメリアは、NYPDの警察官として初めてある事件の指揮権を与えられる。それは一見自殺に見えたビジネスマンの死を調査するものだった。アメリアは WATCHMAKER 事件の捜査に加わりながら、同時進行で RON PULASKI (ロン:前作「THE TWELFTH CARD」で登場した新人警察官。)の協力を得て犲分の事件爐鯀楮困垢襦やがてNYPD118分署の複数の警察官が麻薬犯罪に加担している可能性が出てきた。同じ頃、アメリアとロンを不審な黒のベンツが尾行するようになる。

 

 

ダンカンとヴィンセントが次に狙ったのは花屋の JOANNE HARPER 、そしてイラクでの仕事を終えて帰国したばかりの女性兵士 LUCY RICHTER。2人は危い所をリンカーンの機転で助けられる。これまでの被害者達には全く共通点が無く、誰も狙われた理由がわからなかった。残された時計の数はあと6個。一体WATCHMAKER爐浪燭量榲で10人の命を狙うのか?

 

 


久しぶりのリンカーン・ライムシリーズなので、ワクワクしながら読み進みました。お馴染みのメンバーが顔をそろえ・・・・と言いたい所ですが、私が大好きなFBI 捜査官のカメレオンこと FRED DELLRAY がほとんど登場しなかったのは残念です。

 

 

その代わりチームに新たに加わった新人警察官のロンが活躍し、新鮮でした。特にアメリアが自分の事件に忙しく、ダンカンが駐車場に乗り捨てていった車を、アメリアの代わりにロンがリンカーンの指示を無線で聞きながら調べるシーンでロンは危機一髪の目にあいます。辛くも難を逃れたロンに対しリンカーンは怒りをぶちまけますが、ロンはその言葉が子供の頃危険な悪戯をして父親にひどく怒られた時と同じだった事を思い出します。

 

 

半分ほど読んだ所で、私は少し違和感を覚えました。これまでの作品と比べて、犯人の WATCHMAKER の手法がずさんなのです。リンカーン・ライムと戦う相手としては物足りない気がしました。しかしこの違和感は、後半になって、ジェフリー・ディーヴァーが巧妙に仕掛けた罠である事が判明します。

 

 


またこの作品の中で、アメリアとリンカーンの関係に大きな亀裂が生じます。ディーヴァーがリンカーン・ライムシリーズは続けていくとインタビューで言っていたのは知っていましたが、「え〜!2人はどうなっちゃうの?」とハラハラドキドキ。

 

 

最後の100ページくらいからは、もう驚きの連続です。トゥイスト&ターンどころか「うっそー!!」という展開についていくのがやっと・・・善人と悪人が入れ替わったり、驚くべき過去の黒い歴史が明らかにされたり。読むのに体力が必要です。

 

 

そしてこの作品のエンディングについては、きっとファンの中で物議を呼ぶと思います。私としては、もっと別の終わり方をして欲しかったのですが・・・。あ〜、これ以上は読んでいない方の為に話せません。

 

 

なお、6月8日のブログでも書いたとおり、次回作はキャスリンを主人公にした作品が発表されるようです。多分舞台はカリフォルニアで、戦う相手はきっとあの人・・・・。(これもこの作品を読めば推測できます。)リンカーンとアメリアも少しばかり出てくるらしいので、楽しみにしたいと思います。

 



cyberbabe at 19:50コメント(2)トラックバック(0)Jeffery Deaver 作品  

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コメント一覧

1. Posted by 楊童   2006年06月15日 21:37
cyberbabeさんも楽しめたようでご同慶の至りです。


ちょとだけネタバレ・・・















もっと別の終わり方をして欲しかったのですが・・・アメリアのオヤジさんのことなのでしょうか、それとも、すっきり捕まえられなかったことのほうですか・・・。



強力な敵役を使いまわすのは、けっこういろんな作家がやるし・・・ジェームズ・パターソンなぞはアレックス・クロスではまったく相手にならないのでは・・というくらい完膚なきまで叩きのめさせる・・・欲求不満のままファンたちは溜飲をさげるまで1年も待たされるんだから・・・。どうかするともう1作書くこともある・・・。さすがに3作は勘弁してほしいですけどね・・・。

ともあれ、ケイトリン・ダンスの新作・・・早く読みたい・・・。
2. Posted by cyberbabe   2006年06月16日 00:59
こんにちは、楊童さん。

私が納得出来なかったのは、この作品に限って犯人が逃げ延びたことです。やっぱりリンカーン・ライムには最後に犯人を捕まえて欲しかったです。話の展開からすると、この次は DANCE 捜査官がWATCHMAKER と相対することになりそうですよね。

なんだか次回に続く・・・というのは、「次の本も買え!」と言われているみたいで、商業主義的なものを感じてしまうのですが。そうは言いつつも、絶対に次回作を買ってしまう自分がいるのは明らかです。

JDはまた一年ファンを待たせるのでしょうか?早く結末が知りたいです。

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cyberbabe
子供の頃から本が大好き。学生時代の一部を海外で過ごす。今は読む本の9割が英語で書かれたもの。その分、日本の作家を知らないのが弱点。2008年4月から仕事のかたわら大学に再度入学して、英米文学を専攻してます。
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