2005年11月28日

耐震強度偽装問題3

耐震強度の偽装問題では、チェック(検査)の甘さが問題になっています。報道を聞く限り、耐震強度が建築基準法で定められた設計基準の3割程度のものもあったとのこと。もし、本当にこんな大きな間違いが見逃されていたとすれば驚きです。私はこの方面の設計の専門家ではないのでわかりませんが、建築の分野では直感的な判断というのは難しいものなのでしょうか?自分の専門分野から類推すると、これほどの大きな間違いであれば、プロであれば図面を一目見ただけで何かおかしいと感じても良いような気がしているのですが、難しいものなのでしょうか?

私の専門分野にも優れたソフトウェアがあり、必要なデータを入力すると、装置や配管の仕様やサイズからコストまであっという間に決めてくれます。しかし、結果を見て、おかしいと直感する場合があります。熱交換器が小さすぎないか?、攪拌機のモーターが大きすぎないか?、コストが安すぎないか?....このような場合、よく調べると、まず、間違いなく、なんらかの問題が見つかります。原因は前提条件の誤りであったり、データの誤りであったり、プログラムのバグであったり、様々なのですが。

本質的な間違いに直感的に気付く、私は、この部分にプロの仕事が期待されているような気がしています。データを入力して結果を出力するだけなら、マニュアルさえあれば誰でも出来ます。プロの出番はありません。

たしかに、最近のコンピュータは性能が上がり、一昔前ならば考えられなかったような複雑な計算をあっという間にやってくれます。ソフトウェアも良くなり、入力は簡単に、出力も美しくなりました。誰でも、データさえ入力すれば、すぐにそれらしい結果が出力されてきます。計算機とソフトウェアの進歩によって、業務のスピードも質も向上しています。しかし、便利になった半面で、自分の頭で本質的な部分を考えない、いわば、思考停止の技術者が生まれているような気がしています。

今回の耐震強度の偽装問題では複数のチェックを潜り抜けてしまったようですが、もし、故意に見逃したのでなければ、この技術者の思考停止が起きていた可能性もあるのではないかと感じました。図面をチェックする技術者が、入力データや前提条件、あるいは出力結果をそのまま信じて、自分自身ではろくに吟味もせずに判断に用いたというようなことがなかったのでしょうか?

私はプロセス設計をしますが、設計完了で終わりとは思っていません。詳細設計はもちろんですが、機器調達や建設、試運転にも関与しますし、最終的に自分の設計したプロセスが意図したように動き、生産活動がきちんと継続的に行われたことを確認するまでは、設計者として責任を負うべき部分があると思っています。だからこそ、どんな計算結果も鵜呑みには出来ません。最終結果に自分が責任を負わなければならないからです。

もちろん、優れたソフトウェアは利用します。しかし、その結果を信じるか否か、どのように用いるかはやはり自分の判断なのです。もし、何かのミスがあって間違った結果が出力され、それが重大な事故や災害をもたらしたとしても、それを他人や他社のせいには出来ません。

当然ですが、複雑なシステムの細部まで1人ですべてチェックすることなど不可能です。しかし、私は判断で大事なことは本質的な過ちを犯さないことだと考えています。本質的でない過ちであれば後で修正が可能ですし、重大な損失はもたらしません。本質的な部分だけに神経を集中すれば、たとえ複雑なシステムのチェックであっても十分可能ではないかと思っています。その際、私は直感的なものを大事にしています。

私は、プロは自分の仕事の結果を保証しなければならないと思っています。自分がコントロールすることのできるすべてに対してベストを尽くし、結果を出さなければならないと思うのです。

今回の耐震強度の偽装問題はこのようなことは問題の本質ではないと思います。が、倫理という点以外でもプロが不在だった可能性を少し感じています。

人気blogランキングはこちら

2005年11月23日

耐震強度偽装問題2

先日、耐震強度偽装問題について、短いブログを書いたのですが、あっという間に多くの方からトラックバックを頂きました。もちろん、私自身も、トラックバックしたのですが。時の話題というのはやはり力がありますね。

先日も書いたように、この事件では、同じプロのエンジニアとして、不正をした建築士の責任は非常に重いと思っています。が、青い炎さんやCANさんなどが書かれているように、この事件で表に出ている個人や会社などのプレーヤーは氷山の一角で、もっと根深い本質的な問題があるという意見にも同感です。

もし、たった1人の人間や1社のミスや不正だけで、社会的に大きな損失がもたらされるとしたら、システムとして脆弱過ぎると言わざるを得ません。特に、人の安全にかかわるシステムには、このような脆弱さはあってはならないことです。

実際、形式的には何重にも設計等がチェックされる仕組みにしていたわけです。したがって、悪者は誰かではなく、このシステムが意図したように機能しなかった原因を、システム自体の問題として捉えなければならないように思います。

人気blogランキングはこちら

技術士口答試験受験者へのアドバイス

まもなく、技術士の口答試験が始まります。技術士になるための最後の関門です。

この口答試験の合格率は8〜9割と非常に高い数字です。このような高い合格率を見る限り、それほど難しくない試験だと思われる方がいるかもしれません。しかし、二次試験という難関を突破できた人達だけが受けて、この合格率なのです。決して簡単な試験ではありません。甘く考えず、二次試験に臨まれたときのようにベストを尽くしてください。

しかし、必要以上に恐れる必要はありません。二次試験を合格した実力をきちんと示せれば、必ず、合格できるはずです。


以下は、この口答試験に向けての簡単なアドバイスです。

少なくとも、
・受験動機、将来の抱負
・自身の経歴
・業績論文の要約
は、きちんと話せるように準備しておいてください。
また、技術士の定義と、3大義務、2大責務の確認を忘れないようにしてください。技術士ビジョン21の一読もお勧めします。

短時間の面接であっても、直接本人と話すと、無理な背伸びや変な取り繕いは意外に良くわかるものです。二次試験の合格で技術士としての力量があることはすでに示しています。自信を持って、自然体で臨んでください。

本人だけが持つ、体験、経験、実績は、最大の武器です。これには、どんな試験官も文句は言えません。自分にしか出来ない、自分だからこそ出来る、具体的な話が出来るように心がけてください。

限られた時間で行われる試験です。筆記試験のように明確に問題が区切られているわけではありませんが、複数の試験科目があります。しゃべり過ぎて、他の科目の試験時間を無くさないように。筆記試験と同じように時間配分の考え方を持つことも大切です。質問に対する返答は、簡潔、かつ、明確にして、試験官にできるだけ多くの質問をしてもらえるように心がけてください。

技術士の口答試験では、
 ー験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
・ 体験してきた技術的業務が技術士となるにふさわしい水準のものであるか?
・ 現役の技術者として技術体験を活用して専攻技術分野の第一線で活躍しているか?
・ 技術士の資格取得後、体験を生かして活躍する明確な将来計画を有するか?
・ 体験業務に関し、地位、役職に関係なく真に専門的応用能力を発揮して行ってきたか?

◆”須科目及び選択科目に関する技術士としての必要な専門知識及び見識
・ 専攻部門の専門技術者として必要な技術的常識を有しているか?

 技術士としての適格性及び一般的知識
・ 技術士法に関する事項を理解しているか?
・ 説明能力、説得力、表現能力を有しているか?
といった事項が確認されます。

それぞれ、
 〃侘魑擇啀用能力
・論文、報文等の著述、発表の有無、経験業務の技術士への適格性
・受験の動機と技術士取得後の将来計画の説得性
・業務の主要実施者か協力者か、具体的内容及び果した役割
・過去に行った技術的業務の成果及び失敗例と講じた対策
◆檻院‖侶賄専門知識
・部門の一般常識
・部門の最近のトピックスに関する知識
◆檻押ゝ蚕僂亡悗垢觚識
・専門技術分野における一般常識及び技術上の問題点と改善策
・同分野における将来の見通し、及び、関心度、意欲の向上
 技術者倫理、技術士制度の認識、その他
・技術士に関する認識及び一般教養
・説明能力、表現力及び面接態度から受ける全体的印象。
などのポイントを意識しながら、試験準備されると良いと思います。

人気blogランキングはこちら

2005年11月20日

耐震強度偽装問題

構造計算書を偽造していた姉歯(あねは)建築設計事務所の事件が話題になっています。

建築士は、、「Structural」分野において、技術士とともにAPECエンジニアの登録要件として認められている資格です。いわば、技術士とはプロフェッショナルエンジニアの仲間です。このように考えれば、今回の事件は、プロのエンジニア仲間に泥を塗る行為、信用失墜行為でもあります。

建築士法を見てみたのですが、建築士法には、技術士法とは異なり、信用失墜行為の禁止に該当するものが見つけられませんでした。公益確保の責務もないのですね。
建築士法 

しかし、法律はどうあれ、建築士はプロのエンジニアであるべきです。建築士は建物を利用する人の命を握っているといっても言い過ぎではないでしょう。

建築士の方には、プロのエンジニアとしての重い責任を感じながら仕事をして欲しいと思っています。

人気blogランキングはこちら

2005年11月18日

うれしい知らせ

たった今、学会から帰ってきました。

溜まっていたメールを見たらうれしい知らせがありました。
虎の穴で添削指導させていただいた方から、虎の穴のAPECさん経由で筆記試験に無事合格との連絡でした。

部門は違うのですが、読みやすさのチェックだけでも良いとのことだったので、添削させていただいた方です。最初の論文には厳しい評価をつけたのですが、見事に合格論文に仕上げられたようです。

口答試験もぜひ合格して欲しいと思っています。

人気blogランキングはこちら

2005年11月12日

今年は択一が難しかったのか?

また、残念な連絡が来た。

経験論文を添削指導した化学部門受験の方がもう一名いたのだが、その方も、
機檻院。
機檻押。
供。
で、経験論文、専門論文は合格したのだが、兇梁魄賁簑蝓椣貳模席犬農砲靴も涙をのんでしまった。

本当に惜しい。

今年は、化学部門の択一問題の難度が高かったのだろうか?

経験論文の添削指導をした2名の方は、ともに経験論文のある機檻韻嚢膤僻縦蠅出たようなので、自分の責任は果たせたとは思うのだが。
しかし、合格の声が聞けなかったのはほんとに残念だ。

2人とも、来年はぜひ合格して欲しい。

人気blogランキングはこちら

惜しい!

技術士経験論文を添削した人の1人から連絡が入った。
二次試験は残念ながら不合格。

しかし、成績を見ると、
I−1  A(合格)
I−2  A(合格)
供   。

経験論文のある機檻院△修靴董難関の機檻欧錬蘇床繊聞膤福砲箸里海函
ほんとに惜しかった。
択一問題のある兇念っかかってしまったらしい。

あともう一息だ。
今からこつこつと兇梁从を立てていけば来年は大丈夫だろう。
来年度中にはぜひ合格して、早く技術士の仲間になって欲しいと思う。

人気blogランキングはこちら

2005年11月10日

技術士二次試験の結果は?

受験した皆さん、技術士二次試験の結果は如何だったでしょうか?

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/11/05110901/001.pdf

今年は、化学部門は計30名の合格者でした。
化学装置及び設備科目はたった4名です。

添削した人の結果がどうだったのか、気になります。

朗報が聞けると良いのですが。

合格した方は口答試験の準備、がんばってください。もうひとがんばりです。
不合格だった方、不合格ではあっても、着実に地力がついている筈です。本番の試験は最高のトレーニングです。着実に合格に近づいています。しばし休息したら、来年に向け、始動開始してください。
人気blogランキングはこちら

2005年11月07日

技術士試験の試験方法改正

技術士試験の試験方法改正に関するパブコメですが、10月31日にE-mailにて提出しました。

・2次試験からの経験論文廃止に関しては問題あり
・択一廃止に関しても、問題あり
・今回の試験制度改正は拙速

として、意見を提出しました。

提出したパブコメの中で、私は、技術士試験は、本来、ピアレビューであるべきだと主張しました。言い換えれば、技術士が技術士を決める制度であるべきということです。

技術士の試験方法は、
・技術士が技術士にふさわしいと思える人を選択できる形になっているか?
そして、
・そのためには試験はどうあるべきか?
という観点から考えるべきです。役所の意向や都合、受験者の負担、国際情勢など、全く考慮しなくて良い条件とまでは言いませんが、少なくとも、技術士の試験制度を考える上での本質的な要素では無いと思います。

技術士試験の方法については、まず、技術士や技術士会の意見を幅広く聞くべきです。私には、今回の試験制度の改正案は、役所からの一方的で有無を言わさぬ押し付けに思えてなりません。

佐藤氏のHP
http://www.sato-rd.co.jp/kanren/2006/index.html
にあった佐藤氏のパブコメの情報によれば、この改正案が技術士会の特別委員会等で話し合われたということはないとのこと。当然、私もそうですが、日本技術士会の会員のほとんども寝耳に水の状態だったと思います。技術士会の会員になっていない技術士の方であればなおさらでしょう。この改正案が、技術士の意見を聞くことも、知らされることも無く作成されたこと、まず、この点に大きな問題を感じます。

技術士の試験制度の改正に関しては、まず、技術士会、そして、既存の技術士が十分に議論し、その理解、同意が得られた上で行うべきと思います。技術士をどのように選んでいくのかは、技術士自身の問題だからです。

人気blogランキングはこちら

2005年11月06日

久しぶりに投稿です。

本当に久しぶりに投稿します。
忙しさにかまけてさぼっていたら、ずいぶん間が空いてしまいました。

近況ですが、
・仕事上の部下というか、仲間がかなり増えました。
・前にここに少し書いたこともある上司が転勤しました。
・マネージメント関連の雑務が急増中です。

個々数ヶ月で環境が急激に変わりました。この新しい環境に体と心が順応するまでは忙しいさを感じざるを得ないだろうと思っています。

これに加えて、今は、11月の半ばに予定されている学会での発表の準備に追われています。

何とか、今月を乗り切れば、一段落つけるはずです。
正直なところ、ちょっと、一休みしたいという気持ちですが、もうしばらく、お預けです。

人気blogランキングはこちら

cybermichi at 14:03|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)雑感 

2005年10月14日

技術士試験の試験方法の改正案

技術士試験の試験方法の改正案が出されました。

技術士試験の試験方法の改正に関する意見募集について

この改正案について、文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課でパブリックコメント・意見を募集しています。

この案のとおりになれば、かなり大幅な改定になります。改正の理由について理解できる部分はあります。しかし、前回の試験制度の改正から間もないことを考えれば、あまり頻繁に試験制度をいじくりまわすのもいかがなものかという思いもあります。

まだ、自分の考えがよくまとまっていません。よく考えて意見を送るつもりです。

人気blogランキングはこちら

2005年10月12日

日米社会保障協定

日米社会保障協定が10/3に発効したようです。

http://www.sia.go.jp/seido/kyotei/kyotei06.htm

この協定は、年金加入期間に相互の年金加入期間を加えられるようにするというものです。

通常、企業等から派遣されて米国で就業する場合、米国の年金制度に加入することになります。しかし、米国の年金保険料を支払っていても、この年金をもらうためには最低10年の保険加入期間が必要となります。

米国の年金制度の概要

このため、今までは、10年未満の滞在の場合、米国で支払っていた年金保険料は掛け捨てになっていました。私の場合も、約4年間の駐在期間ですので、米国の年金をもらうことはできませんでした。

この協定の発効により、米国の年金加入期間に日本の年金加入期間を加えることができるようになりました。私はすでに10年以上日本の年金制度に加入していますので、この期間を加えることにより、米国の年金の受給資格が得られることになります。

支払った年金保険料の総額が小さいので、もらえる年金も大した額ではありませんが、ちょっとした小遣い程度にはなりそうです。

受給権が発生してから一定の期間内に手続きをしないともらえなくなってしまいますので、忘れないように気をつけたいと思います。

人気blogランキングはこちら

cybermichi at 06:25|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2005年10月02日

フリーマーケット

今日は地元で毎年開催されているお祭り的イベントで、フリーマーケットに出店していました。
このイベントには、地元のサークル等のステージ、地元にある各種団体の趣向を凝らした出展ブース、地元の飲食店の屋台村などもあります。しかし、200店以上出店されるフリーマーケットの人気は高く、これを目当てに訪れる人が少なくありません。我が家では子供の成長に伴って子供関係の服やおもちゃなどの不用品が出るので、ここ数年は毎年のようにこれに出店しています。

我が家は家にあった不用品の処分が目的の素人ですが、プロのようなフリーマーケット屋さん?もかなり出店しているようです。品揃え、品物の置き方、値の付け方などを見ると、素人とプロの境界線がかなりはっきり分かります。しかし、我が家のような素人でも、数年出店を続けていると、フリーマーケットでの商売のコツのようなものが少しづつ分かってきます。

特に実感としてよく分かってきたことは、「必要ないものはいくら値を下げても売れない」ということです。当たり前のことのようですが、フリーマーケットをやると、この当たり前のことがよく分かります。経済の基本原則として値段を下げると売れると言われますが、この原則に従って、値段を下げていっても売れないものは決して売れません。最初はこのことをよくわかっていなくて、売れなくなると品物の値段をとにかく下げていました。その結果、あまり意味の無い値下げをしてしまっていたようです。

最近分かってきたコツの一つは、値段をそれほど安くしなくても、本来売れるべきものは売れるし、いくら安くしても売れないものは売れないということです。何人かが関心を示して売れないような品は、少し値段を下げれば売れる可能性があります。あるいは、少し待っていれば、買い手が現れる可能性があります。しかし、誰も手に取らない、見向きもされないような品は、値をいくら下げていっても売れません。これはあきらめるよりほかありません。

店頭でのお客さんの視線やしぐさを見て、この品はもう少し待っていればそのうち売れそうだとか、値段を少し下げれば買い手が付きそうだとか、これは見込み無しとか、だいぶ分かるようになった気がします。

その証明になるのかどうかは分かりませんが、今回は、今までで最高の売り上げを記録しました。売れた品数は例年並だったと思います。商品の品質はそんなに変わっていないはずなので、価格を維持して売ることができたということかと思います。

私は技術屋ですが、商売も結構面白いものだと思っているところです。
cybermichi at 21:00|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)雑感 

2005年09月30日

プランクトン

越前くらげもプランクトンだったんですね。

http://cyclot.hp.infoseek.co.jp/fuyuu.html

2005年09月27日

パーコレーションと繰り込み群 その4

繰り込みの操作を繰り返していくと、
パーコレートしている  → より密になる
パーコレートしていない → より疎になる

となり、密にも、疎にもならない境目がパーコレーションの臨界点となります。

適当な繰り込みの操作(繰り込み変換)さえ定義できれば、この繰り込み変換による密度の変化を調べていくことで、パーコレートしているのか否かを知ることができます。

2005年09月21日

パーコレーションと繰り込み群 その3

繰り込み変換を繰り返していくと、つながっているものは最終的に石がある状態になり、つながっていないものは最終的に石のない状態になります。

ある石の濃度からスタートしたとき、繰り込み変換を何度も繰り返した後の状態は、石がある(=1)か、ない(=0)かのどちらかです。

石がまばらに置かれた状態を繰り込み変換すると石はさらにまばらになります。逆に、石が十分密に置かれた状態を繰り込み変換すると石の密度はさらに高くなっていきます。また、最初にすべての升目に石が置かれた状態であれば、何度繰り込み変換をしても、状態は変わりません。最初に石がまったくない状態も、繰り込み変換で変わることはありません。

以上をまとめるとこのようになります。

最初の石の濃度 → 最終の石の濃度
1(すべての升目に石がある) → 1(石がある)
十分に密 → 1
十分に疎 → 0
0(すべての升目に石がない) → 0(石がない)

繰り込み変換

これは、0〜1の間にある任意の数を0か1に変換する写像とみることができます。
繰り込み変換には、密なものはより密に、疎なものはより疎にするという性質がありますので、ちょうどこの境目では、繰り込み変換前後で濃度が変わらないはずです。すなわち、不動点Pcが存在するはずです。この繰り込み変換で変わらない不動点Pcがパーコレーションの臨界点となります。

人気blogランキングはこちら

2005年09月20日

パーコレーションと繰り込み群 その2

【繰り込み】
パーコレーションにおける繰込みというのは、系を見るスケールを粗くしていく操作だと考えてもらえばよいと思います。これは、碁盤の例で言えば、碁盤を遠くから離れて見ること(粗視化)に相当します。

印象派の絵は近くからみると異なる色の点の集まりですが、遠くから見ると風景や人物の絵が見えてきます。このように、遠くから見ることにより、ミクロな情報を平均化して本質的な情報だけを得ることができます。系の本質的な性質が失われないような平均化のルールを与えることができれば、粗視化によって系の本質を捕らえることができます。

パーコレーション2

図2に、2×2の碁盤上での可能な石の配置を示しました。この石の配置は、上下をつなぐもの(青)とつながないもの(黒)の2種類に分類することができます。
この碁盤を2倍の距離から離れて見たとすると、2×2の碁盤は1×1の碁盤のサイズになります。そこで、次のようなルールによって2×2の碁盤上の石の配置を、ひとつの升目上の石の有無に対応させてみます。

[粗視化のルール]
つながっている → 1×1の碁盤に石がある
つながっていない → 1×1の碁盤に石がない

パーコレーション3

このルールを適用すると、図3に例示したように、16×16の碁盤上の石の配置の情報は、8×8の碁盤上の石の配置の情報に変換されます。さらに、8×8の碁盤にこのルールを適用すると、4×4の碁盤上の石の配置の情報になります。さらに同じようにこの操作を繰り返すと、やがて、たったひとつの石の配置の情報になります。もとの16×16の碁盤上の石の配置の情報は、ひとつの升目に石があるかないかだけの単純な情報に変換された、すなわち、繰り込まれてしまったわけです。

これは繰り込み変換の一例にすぎません。この他にも、3×3の升目を1×1の升目に対応させるルールや、4×6を2×3に対応させるルール、さらに一般にはm×nの升目k×lの升目に対応させるルールなども考えることができます。さらに、このようなルールの任意の組み合わせを考えていけば、繰り込み変換のルールは無数に考えることができます。

しかし、系の性質を保つルールである限り、どんなルールを用いても、繰り込みを繰り返した結果は変わりません。系の性質を保つとは、たとえば、この碁石の例では、上下の石のつながり方を問題にしているので、上下の石のつながり方を変えるルールであってはならないということです。

人気blogランキングはこちら

2005年09月18日

パーコレーションと繰込み群 その1

CANさんのブログで知識をパーコレーションとして捉えるという面白い見方をしていました。繰込み群的に捉えることも出来るのではないかとコメントしたのですが、言葉足らずだったので、パーコレーションと繰り込みの関係を補足しておきたいと思います。

【パーコレーション】
パーコレーションとは空間内での性質のつながりを取り扱う概念です。

例えば、碁盤の目(空間)に碁石(性質)がランダムに配置されている場合を考えます。石の数(濃度)が小さなときは、石同士はほとんどつながっていません。(図1.のa) 石の数が増えていくにしたがって、つながっている石の数が増えていきます。(図1.のb、c) そして、一定数(濃度)以上の数になると、必ず一方の端からもう一方の端まで石がつながります。(図1のd) 小さな碁盤では、つながるときの石の濃度は微妙にばらつきますが、十分に大きな碁盤を用いれば、端から端までつながる時の石の濃度は一定の値になります。石がつながり始めるときの濃度をパーコレーションの臨界点あるいは臨界濃度、臨界確率などと言っています。

パーコレーション1

パーコレーションの臨界点とは、ある性質が全空間にわたってつながり始めるときのその性質の濃度(存在確率)です。考えている系に固有の値で、空間の次元や、性質のつながり方(配位数)に依存します。

人気blogランキングはこちら

2005年09月17日

特許法7 −先願主義−

日本の特許法では重複特許を排除するため、最初の出願人に特許を付与するという先願主義を採用しています。これに対して、米国のように先に発明したものに特許を付与するという先発明主義を取る国もあります。

先願主義と先発明主義のどちらが優れているかは一概には言えません。しかし、先願主義のほうが、権利の安定化、要するに争いが生じにくいという利点があるのは確かだと思います。また、出願とは、発明を社会に対して公開してもよいという発明者の意思表示だと考えれば、権利を与えるか否かを出願の時点を基準にして判断することは、産業の発達に寄与するという特許法の目的から考えて理にかなっていると思います。発明の内容が発明者に隠匿されている限り、発明が産業の発達に寄与することは困難だからです。

日本の特許法では、最初の出願人を判断する基準は「出願日」です。出願時間は問われません。同じ発明が異なる日に出願されたら、先に出願したほうが特許を得ます。(特許法第32条1項)
もし、同じ発明が同一日に出願されたとしたら、出願人同士が協議することとなっています。この協議が万一不成立となった場合、両者とも特許されません。(特許法第32条2項)
同じ発明が一方は特許で、もう一方は実用新案で出願された場合も、両者が特許の場合と同じように取り扱われます。(特許法第32条3項、同4項)

これは、出願人が同一の場合であっても同じです。同じ発明を同じ出願人が複数出願した場合には、最初の出願についてのみ特許されます。

人気blogランキングはこちら

2005年09月12日

終わってみれば

選挙も終わってみれば、予想以上の小泉自民党の圧勝でした。
これからは、小泉首相の独裁色がさらに強まり、新しい法案が通っていくでしょう。

危機的な状況下で強権をもった政権が生まれることは歴史上よくあることです。
現在の日本が危機的状況にあるか否かは後の歴史が決めることでしょうが、財政的に大きな問題を抱えていることは確かです。日本が危機的な状況にあると考えれば、小泉首相が強権を持つことは形としては良いことだと思います。とりあえず、今回の選挙では良い選択がなされたと考えたいと思います。

あとは首相の良い判断を期待するのみです。
cybermichi at 06:30|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)雑感 
Profile
MIC
ハンドルネーム: MIC
職業:ケミカルエンジニア+α
年齢:40代前半
家族:妻+子供×3

現在は中堅の化学会社に勤務。
理論物理屋から化学業界に転進したプロフェッショナルケミカルエンジニア。米国に4年の駐在経験があるが、すでに英語は忘れ始めている。

保有資格:
・情報処理技術者(1種、2種)
・高圧ガス製造保安管理者(甲種機械)
・公害防止管理者(水質1、大気1、騒音、振動)
・米国EIT
・一般計量士(登録)
・環境計量士(騒音・振動、濃度)(未登録)
・エネルギー管理士(熱)
・技術士(化学部門)
・知的財産検定2級
・APECエンジニア(Chemical Engineering)
Recent Comments