胃潰瘍に対するマヌカハニーの効果

マヌカハニーの愛飲者の中には、マヌカハニーに胃潰瘍や胃がんを防止する効果のあること、そして、その予防効果は抗菌物質である食物メチルグリオキサール(MGO)が胃に棲み付いているヘリコバクター・ピロリ菌の活動に影響を与えているためと思われていた方は多いのではないでしょうか?

 

実は、マヌカハニーの胃潰瘍に対する効果はMGOの抗菌活性によるものだけではなかったのです。そのことを立証した論文が2016年と2017年に報告されています。2016年の論文はラットを用いたエタノール誘発性胃潰瘍に対する効果の検証であり、2017年の論文は酢酸誘発性胃潰瘍に対する効果の検証です。どちらの胃潰瘍に対してもマヌカハニーは医薬品の抗潰瘍剤と同等の抗胃潰瘍活性を示しておりますので、ここでは、その一つである大量飲酒などが原因で発症するエタノール誘発性胃潰瘍に対する検討内容について紹介しておきます。尚、この論文はサウジアラビアの研究グループの報告です。(Antioxidant, Anti-inflammatory, and Antiulcer Potential of Manuka Honey against Gastric Ulcer in Rats, Oxidative Medicine and Cellular Longevity, 2016 (ID  3643824)

 

胃潰瘍とは胃の中の胃酸やペプシンなど胃液成分によって胃壁が障害され欠損した病態をいいます。胃潰瘍の原因には胃液成分とともに、ピロリ菌感染、ストレス、喫煙、大量飲酒、暴飲暴食や、薬剤性潰瘍をはじめ多様な因子があります。

 

エタノール誘発性胃潰瘍のモデルラットは、多くの新規治療薬や天然物の胃保護活性の評価に用いられています。

 

エタノールは胃壁に炎症を起こし、続いて、細胞成分の核酸、脂質およびタンパク質が活性酸素種(ROS)によって酸化を受けることが知られています。さらには、エタノールは胃粘膜において炎症性サイトカインのバランスの変化を引き起こすことが報告されています。

 

 一方、マヌカハニーは他の蜂蜜と比較して、強力なROS捕捉活性として同定されているフェノールおよびフラボノイド化合物を最も多く含んでいることが知られています。

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そこで、この研究では、ラットのエタノール誘発性胃潰瘍に対するマヌカハニーの胃保護効果を調べることを目的としています。 さらに、酸化ストレスマーカーと炎症性サイトカイン産生応答の観点から機構も解明しています。

 

体重220250g6週齢、雄アルビノラット(24匹)をコントロール群、エタノール群(エタノールを経口投与(1mL/200 g body weight)し潰瘍誘発)、 オメプラゾール群(オメプラゾールを(40 mg/kg body weight)を7日間投与後、エタノール投与)、マヌカハニー群( マヌカハニーを(2.5 g/kg body weight)を7日間投与後、エタノール投与)の4群に分け個々のケージに収容しています。温度25、相対湿度6070%の12時間の明/暗サイクル下、食べ物と水は自由に与えています。尚、オメプラゾールとは、プロトンポンプ阻害薬に属する胃酸抑制薬の一つです。また、エタノール投与とは、36時間絶食後にエタノールの経口投与により潰瘍を誘発させています。

 

では、潰瘍指数の評価結果です。

 

 評価方法は、各病変の長さ(mm)を測定し点数付けしています。その点数は、潰瘍なし(0)、小潰瘍(12mm)(1)、中潰瘍(34mm)(2)、大潰瘍(56mm) (4)、巨大な潰瘍(> 6mm)(8)とし、 潰瘍指数は、点数を動物数で割って決定しました。その結果、マヌカハニーを前処理することでオメプラゾールと同等に潰瘍指数は顕著に減少することが判りました。つまり、マヌカハニーを毎日食べる習慣が胃潰瘍予防につながることが示唆されました。

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次に、酸化ストレスの評価検討です。一つ目はNO(一酸化窒素)量の変化を調べています。

 

 胃においてNOは上皮細胞や血管内皮細胞などに存在するNO合成酵素によって産生され、胃粘膜血流、酸分泌、粘液分泌など多様な生理活性に関与していることが知られています。そして、エタノール誘発性胃潰瘍は、通常NO経路の調節に関連しています。エタノールによる胃粘膜損傷時に産生されたNOは粘膜保護および損傷部の修復に寄与していると考えられています。この検討結果、マヌカハニーはエタノールによるNO量の減少を抑制することが分かりました。

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二つ目の酸化ストレスの評価検討です。生体内抗酸化酵素への影響を調べています。

 

 グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)などの生体内抗酸化酵素は潰瘍によって引き起こされる酸化的損傷に対する防御作用を持っています。オメプラゾール群とマヌカハニー群では、CATには影響しませんでしたが、GPxSOD活性が有意に増加しています。

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三つ目の酸化ストレスの評価検討です。生体内抗酸化物質であるグルタチオン(GSH)への影響を調べています。

 

 GSH は生体内抗酸化物質の一つでH2O2を除去する抗酸化能やNO合成に関わることが知られています。胃粘膜においてGSHは胃粘膜障害に対する保護因子分子として働きます。マヌカハニーとオメプラゾールは、エタノールによるGSHの減少を抑えることが分かりました。

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四つ目の酸化ストレスの評価検討です。過酸化脂質量の変化を調べています。

 

 脂質が活性酸素種(ROS)によって酸化された過酸化脂質量を、過酸化脂質の二次生成物であるマロンジアルデヒド(MDA)で評価しています。エタノールではMDA量の有意な増加を引き起こしましたが、オメプラゾールとマヌカハニーではその増加を有意に抑えています。

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最後に炎症性サイトカインへの影響を検討しています。

 

 エタノール処理すると、炎症性サイトカインであるTNF-α、IL-1β、IL-6は何れも増加しましたが、オメプラゾール群とマヌカハニー群では、その増加を有意に抑えられています。

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以上のように、マヌカハニーは、活性酸素種(ROS)による細胞の損傷を防ぐ生体内抗酸化酵素であるGPxSOD、そして、生体内抗酸化物質であるGSHNOの減少を抑制し、脂質過酸化(MDA)を阻害することで、粘液糖たんぱく質を保護し、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL -1β、およびIL-6)の形成を阻害することで、エタノール誘導胃潰瘍を防ぐことが示されています。

 

これらのマヌカハニーの抗酸化作用は、マヌカハニーに特有の抗酸化物質であるシリング酸メチルをはじめ、ポリフェノールやフラボノイドに起因すると考えられます。マヌカハニーのこのような抗酸化活性によって、ROS消去、抗酸化物質の増加、および脂質過酸化の減少が関与し、炎症が抑えられ、胃潰瘍を防ぐことができるものと思われます。




ウルソール酸で体脂肪のコントロールをして美しいカラダを手に入れる

中国の苦丁茶は数年前にテレビの健康番組で取り上げられました。仕事のストレスで過食状態となり、肥満傾向にあった日本で働く中国女性が苦丁茶を毎日飲んで見事に痩せられたことで話題となりました。苦丁茶に含まれる成分のウルソール酸にその痩身効果があるようです。

 

ウルソール酸は苦丁茶だけでなくリンゴやプルーンの果皮やバジルやローズマリーなどのハーブの葉に含まれていて抗がん作用、抗炎症作用、血糖値上昇抑制作用、抗菌作用など様々な薬理活性が知られている中で、筋力増強作用のあることが示され注目されており、この『健康まめ知識』において取上げました。

 

http://blog.livedoor.jp/cyclochem02/archives/47776996.html

 

ウルソール酸には筋肉増強作用とともに体脂肪を制御する効果もあることが上海大学のFanらの研究グループによって学術誌のPLOS ONEに報告されています。ここでは、その内容の一部を紹介します。

 

まず、その紹介の前に体重と体脂肪の関係についてお話しておきます。

 

脂肪を減らしタンパク(筋肉)を増やして基礎代謝を向上させることは、美容、中高年の生活習慣病予防に限らず、高齢者の健康長寿にも大変重要です。

 

体脂肪とは、文字通り、体の中にある脂肪のことで、体の主なエネルギー源として蓄えられているものです。皮膚の内側に付く“皮下脂肪”と内臓につく“内臓脂肪”の2種類に大きく分けることができます。

 

体脂肪は体のエネルギー源ですのでエネルギーの摂取量が消費量を上回ると体脂肪は増加します。言い換えれば、食事量が運動量を超えると体脂肪は増えることになります。

 

さらに、そのような生活をして年齢を重ねて体脂肪が増えると基礎代謝は下り、同じ運動量でも消費エネルギー量は少なくなるという悪循環となります。年齢とともに脂肪が付きやすく落ち難くなるというわけです。

 

ただ単に体脂肪を減らせばいいと言うものではありません。筋肉量が少ない場合は基礎代謝量も低く、健康的な体とは言えません。『体脂肪率と体重の比較(その1)』をご確認ください。確かに、左の女性は右の体重60kgで体脂肪30%の女性に比べると少しは魅力的に見えるかも知れません。

 
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しかし、『体脂肪率と体重の比較(その2)』でお分かりいただけますように、体脂肪率が同じ13%でも必要な筋肉量で60kgの女性の方が45kgの女性よりも魅力的に見えませんか?


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これは見かけが魅力的だけではなく、基礎代謝量の差で健康状態も大きく違っているのです。美しいカラダを作ることを目的に、体脂肪を落としながら筋肉量を増やすためには運動と栄養素を生活習慣にうまく取り入れることが必要です。運動に関しては、体幹を鍛えられバランスよく筋肉量を増やすことのできるイカロスというトレーニングマシーンがお奨めです。バーチャルリアリティで空中を飛ぶ感覚で楽しみながらトレーニングができる優れものです。

 
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では、筋力を増やすとともに体脂肪を減少させる注目の栄養素、ウルソール酸の体重制御に関する報告です。

 

6週齢で体重が同等のマウスを用い、低脂肪餌(脂肪由来カロリーは10%)を与えたグループ(LF群)、高脂肪餌(脂肪由来カロリーは60%)を与えたグループ(HF群)、高脂肪食にウルソール酸を含有する苦丁茶エタノール抽出物(KE)を0.05%加えた餌を与えたグループ(HFKE群)の3群に分け、5週間、体重を測定しました。その結果が図1です。高脂肪餌を与えているにもかかわらず、KEで体重増加が顕著に抑制されています。

 

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 また、脂肪細胞の大きさの変化の評価においてもKEの顕著な効果がみられており、白色細胞、褐色細胞の何れも大きさはKEで減少しています。

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トレーニングマシーンのイカロスとウルソール酸で美しいカラダを作りませんか?

 



筋肉合成促進と筋肉分解抑制するアスリートのための栄養素HMBとは

私たちは年齢を重ねても元気で自立した生活を送りたいと願っています。しかしながら、願いに反して年齢とともに筋肉量が減少していき、サルコペニアという筋肉量減少による疾病を患うこともあります。

 

その筋肉量減少の歯止めを掛ける栄養素が見出されました。その栄養素が3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(HMB)です。HMBは必須アミノ酸であるロイシンの代謝産物で、1996年にアイオワ州立大学のDr. Steven L. Nissenによってその効能は発見されています。

 

HMBはさまざまな食品に含まれています。たとえば、肉には1525nmol/g 含まれており、果物や野菜には15nmol/g 含まれています。HMBは筋肉や肝臓でロイシンから変換されますが、体重が70kgの人であれば、筋肉量を増加し、筋力、体力を強化するために必要な3g/日のHMBを得るためにはロイシンならば60g、ホエイプロテインならば600gが必要となりますので、HMBは筋肉の必要なアスリートや筋肉が減少傾向にある高齢者にとってサプリメントで摂取すべき栄養素と言えます。

 

ここでは、そのNissenらの1996年にJournal of Applied Physiologyに掲載された論文を紹介します。論文タイトルは『Effect of leucine metabolite β-hydroxy-β-methylbutyrate on muscle metabolism during resistance-exercise training』です。

  

 まず、3週間の筋肉トレーニングにおけるHMB摂取による筋力変化です。筋肉トレーニングとともにHMB1日に3g摂取しているグループはHMBを摂取していないグループ(コントロール)と比べ、有意(P<0.010.03)に筋力は向上することが明らかとなっています。

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 次に、筋力トレーニングによる筋肉損傷におけるHMB摂取の効果を検証しています。筋肉タンパク質の分解を示す指標である尿中3-メチルヒスチジン(3-MH)排出量で評価しています。HMB3g摂取しているグループは1週間後にはHMBを摂取していない(コントロール)グループに比べ有意(p<0.04)に3-MHは減少し、HMB1.5g摂取しているグループも2週間後には有意(P<0.001)に3-MHは減少することが確認されました。

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また、HMB摂取による除脂肪体重の変化も検討しています。尚、除脂肪体重とは体重の指標の一つとして、その個体の全重量からその個体が持つ脂肪組織の重量を差し引いた重量で筋肉がどのようにつくかの評価に使用されています。図3に示していますように、HMB摂取14日後からHMBを摂取していないプラセボ群に比べ、顕著に除脂肪体重が増加することが判っています。


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