このところ私の身の回りの友人や知人で「えっ、この人に胃がんが見つかったの?」と驚くことが続いています。私のテニスクラブの知り合いに胃がんが見つかり、摘出手術は既に手遅れなので抗がん剤による延命治療をしているとの話を聞きました。そして、つい先日、テニス仲間に『○○さんを励ます会』をしてもらったそうです。
胃がんは日本人に多く発生する悪性腫瘍で2対1の割合で男性が多く、年齢は50~60歳代が約6割を占めており、高齢化社会を反映して、高齢者の割合も年々増えています。ちなみに、私のクラブのテニス仲間も壮年の男性です。
胃がんのリスクを高める要因にはいろいろありますが、単一で決定的な原因となるものはなく、複数のリスクが重なって胃がんは発生すると考えられているようです。その複数のリスク要因とは、食生活(塩分や飲酒)、喫煙、本人の持つ要因(家族に胃がんになった人がいる)、ストレス、そして、ヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)の感染です。このピロリ菌は胃の老化にも大きく関与しているのが特徴です。
ピロリ菌は1983年にヒトの胃粘膜中に存在し、胃炎の原因であることが発見され、今では、消化性胃潰瘍のみならず、胃がんの重要な原因と考えられるようになってきました。40才以上の日本人の約7割がピロリ菌に感染していて、ピロリ菌陽性者の胃がんリスクは陰性者の5倍であるとの報告があります。ピロリ菌がアンモニアなどの毒素をだすことで、胃は炎症を起こし、慢性胃炎から萎縮性胃炎へと徐々に凶暴度は増し、やがて胃潰瘍や胃がんを患う可能性が高まっていきます。
よって、胃がんになるさまざまなリスク要因の中で、確実に、やればできるリスク低減の方法がピロリ菌除菌と言えます。一度は内視鏡検診をしてピロリ菌に感染しているかどうかチェックしましょう。そして、ピロリ菌陽性であれば、必ず除菌しておくことが大事だと思われます。今では、抗生物質投与によって95%以上の成功率で除菌が可能となっています。実をいえば、この私自身も健康診断で胃潰瘍の跡らしきものが発見され、内視鏡検診を受けました。その結果、ピロリ菌陽性でしたので抗生物質による除染をしました。
ピロリ菌感染の予防にはメチルグリオキサールという天然抗菌物質を含むマヌカハニーが有効です。さらに、αシクロデキストリンと混ぜて複合粉末にすれば、その抗菌作用の相乗効果によってピロリ菌の増殖は完全に阻止されることが最近判明しました。(下の図参照)
現在、私は除染後に再感染の予防のためにα-シクロデキストリンとマヌカハニーを混ぜたヨーグルトを毎朝食べています。ここで、抗菌物質と混ぜてビフィズス菌や乳酸菌は大丈夫なの?との疑問を抱く方もいらっしゃると思います。でも、それが大丈夫なのです。その理由は次回の『まめ知識』で説明したいと思います。