口腔や喉のケアに有効なニュージーランドのマヌカハニーが注目されています。声が仕事の生命線となるような歌手や芸人など有名人に認められ、ラジオやテレビ番組で何度も取り上げられるようになり、にわかに認知度が高まっています。

 この『健康まめ知識』では、そのマヌカハニーの効能をさらに高めるために、αシクロデキストリンと組み合わせたサイクロパワーマヌカハニーによる腸内環境改善効果については既に紹介しています。

 http://blog.livedoor.jp/cyclochem02/archives/46019182.html

 その際にはマヌカハニー単独の効果についてはニュージーランド政府研究機関のクロップ&フード研究所(Crop & Food Research Institute, a New Zealand Government research agency)の2007年12月の報告書を引用しています。

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 マヌカハニーには、他の蜂蜜にはない食物メチルグリオキサール(MGO)という抗菌物質が含まれ、一方で、ビフィズス菌等の善玉菌を増やすグルコン酸が含まれている関係で善玉菌を増殖し悪玉菌を減少させる作用があることは述べています。

 しかしながら、マヌカハニー摂取後の善玉菌と悪玉菌の増減であって、数値化した比率変化についての詳細がありませんでした。

 ところが、2016年3月28日に札幌で行われた日本農芸化学会のジュニア農芸化学会で、高校生が大変興味深いポスター発表をしていました。

 『マヌカハニーのマウス腸内フローラに及ぼす影響~マヌカハニーは腸内フローラの悪玉菌をやっつけた~』というタイトルで、埼玉県の山村国際高等学校2年生の高野美穂さんの発表です。ここでは、その内容を簡単に紹介しておきます。

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 まず、試験方法です。

 マヌカハニーをヒトの体重60kgあたり1日の摂取量(5g、10g、15g、20g、30g)に換算して、マウスに1日1回、強制投与しています。また、比較として明治プロビオヨーグルトLG21もヒトの体重60kgあたり1本に換算して与えています。したがって、実験区は6区、対照区は水を与えた1区を設定し、それぞれ3匹を1区(n=3)としています。糞はテクニプラスト・ジャパンに委託し、T-RFLP(16S rRNA)法でマウス腸内フローラのプロファイルの解析を行っています。

 その結果、マヌカハニー投与によって「善玉菌」が増加し「悪玉菌」が減少することが分りました。10gから15gまでの間が顕著だったそうです。特に10g摂取の場合、腸内フローラの善玉菌が54.3%を占め、「日和見菌+悪玉菌」とのバランスを改善し善玉菌優勢としています。対照区の水と比較すると、「善玉菌」は4.5倍増加し、悪玉菌は半分以下に減少しています。また、LG21との比較でも、「善玉菌」は約1.9倍増加し、悪玉菌は約半分に減少しています。

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 マヌカハニーは、市販されているプロバイオティックス飲料と比べでも優れているというところも新知見のようです。高校生の発表です。大変興味深いですね。