2019年02月

大麦若葉の効能(その4.短鎖脂肪酸産生と糖代謝を促進するプレボテラ菌増殖作用)

朝の一杯目は『マヌカハニー青汁』に砂糖と牛乳を入れた青汁ミルクにしてみませんか?ホットでもコールドでも抹茶ミルクのように美味しくいただけます。そして、健康的です!

 

このシリーズは、『大麦若葉の効能』とのタイトルで、『マヌカハニー青汁』の青汁原料である大麦若葉の効能を紹介しています。

 

(その1.)では、大麦若葉に含まれる生理活性物質の中でも特異で顕著な抗酸化作用を有する物質である2-O-グリコシルイソビテキシン(GIV)について紹介し、(その2)では、もう一つの大麦若葉に含まれる特異な生理活性物質で成長ホルモン生成促進作用のあるビタミンEの誘導体について紹介しました。さらに、(その3)では、大麦若葉の便秘改善効果に関する検討について紹介しました。今回は、ラットを用いた大麦若葉の検討ですが、最近、図1に示すようなさまざまな健康増進作用で注目されている短鎖脂肪酸の生産量の増加と腸内環境改善に関する検討です。

 

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東京家政学院大学の海野らのグループによる2016年の下記論文を紹介します。

 

『ラットの腸内細菌叢と盲腸内容物短鎖脂肪酸含量に及ぼす大麦若葉搾汁末の影響』

Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 63(11), 510-515 (2016)

 

雄ラット(n=26)を1週間予備飼育した後、①Control群(n=8)、 ②大麦若葉搾汁末(100 g当たり水溶性食物繊維1.8 g,不溶性食物繊維2.7 g含有)を2%与えた群を2%大麦若葉群(2YBL群)(n=9)、③10%与えた群を10%大麦若葉群(10YBL群)(n=9)に群分けし、4週間、飼料と水は自由摂取として飼育しています。そして、飼育4週目に糞を回収し、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸と腸内細菌叢の解析を行っています。

 

その結果、10%YBL群ではControl群と比較して酢酸、プロピオン酸、酪酸のいずれも高い値を示しています。大麦若葉に含まれる水溶性食物繊維が短鎖脂肪酸産生に利用されたと考えられます。

 

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腸内細菌叢の解析による各種細菌の占有率をみると、明らかに日和見菌として知られるプレボテラ菌の占有率が大きく高まっていることが判ります。

 

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このように、プレボテラ菌については大麦若葉搾汁末の配合量依存的な増加を示しています。

 

尚、Kovatcheva-Datchary らの研究では,健常人を対象に食物繊維を多く含む大麦を用いたパンを摂取してもらい、その後に糖負荷試験を行っています。その結果、血糖上昇が抑制された被験者群の糞便中ではプレボテラ菌が増加していることを明らかにしています。プレボテラ菌が糖代謝に関与していると考えられており、プレボテラ菌の占有率を高めることで糖代謝が改善される可能性があります。

 

以上、大麦若葉には短鎖脂肪産生作用と糖代謝を改善するプレボテラ菌の増加作用のあることが明らかとなっています。


大麦若葉の効能(その3.便秘改善効果)

朝の一杯目は『マヌカハニー青汁』に砂糖と牛乳を入れた青汁ミルクにしてみませんか?ホットでもコールドでも抹茶ミルクのように美味しくいただけます。そして、健康的です!

 

このシリーズは、『大麦若葉の効能』とのタイトルで、『マヌカハニー青汁』の青汁原料である大麦若葉の効能を紹介しています。

 

(その1.)では、大麦若葉に含まれる生理活性物質の中でも特異で顕著な抗酸化作用を有する物質である2-O-グリコシルイソビテキシン(GIV)について紹介し、(その2)では、もう一つの大麦若葉に含まれる特異な生理活性物質で成長ホルモン生成促進作用のあるビタミンEの誘導体について紹介しました。今回は、2004年に福岡女子大学の池口らのグループが日本食物繊維学会誌に投稿された論文で、大麦若葉の便秘改善効果に関する検討について紹介します。

 

『大麦若葉末を摂取した健常成人女性の糞便湿重量および糞便内細菌叢への影響』

日本食物繊維学会誌Vol. 8, No.2, 93~1003 (2004)

 

対象者は福岡女子大学に在籍する成人女性の健常者8名です。そして、その8名の内、便秘者(1週間当たりの排便回数が02)は1名、便秘傾向者(1週間当たりの排便回数が34回)は2名、排便回数が少ない者(1週間当たりの排便回数が56回)は2名、排便回数が普通・多い者(1週間当たりの排便回数が7回以上)は3名です。

 

対照食品はマルトデキストリン100%で食物繊維を含まない食品で、試験食品は大麦若葉の食物繊維が100g中に24.1g含む顆粒で、1包は3.0gです。そして、試験は摂取量を変えて2回行っています。

試験①       試験食品は1日あたり3包摂取(大麦若葉末6.0g,食物繊維2.2g
試験②       試験食品は1日当たり5包摂取(大麦若葉末10.0g,食物繊維3.6g)

 

そして、試験①も試験②も対象者8名を4名ずつ2郡に分けて、クロスオーバー試験で行っており、対象食品からの群と試験食品からの群は前観察期間7日間、第1摂取期間7日間、休止期間7日間を経た後、第2摂取期間は対象食品と試験食品を換えて摂取しています。

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では、まず、試験①における糞便湿重量の変化です。対照食品摂取期間と比較して試験食品摂取期間に糞便湿重量が10%以上増加した対象者は8名中3名いました。そして、便秘者の糞便湿重量の増加は顕著であり、3.5(365.6%)以上でした。

 

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試験②では8名すべての対象者における糞便湿重量は10%以上の増加が認められ、そのうち3名は50%以上増加しました。便秘傾向者でも糞便湿重量の増加は70%以上で、便秘者は3(296.8%)程度の増加が認められました。試験②では糞便湿重量が変わらなかった便秘傾向者も試験②では114.4%の増加が認められました。

 

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このように大麦若葉には便秘者においては摂取量が少なくても便通改善作用のあることが明らかとなりました。

 

この論文では、さらに、糞便内細菌叢に及ぼす影響も検討しています。

 

各糞便内細菌の菌数に大きな変化はありませんでしたが、大変興味深いことに、対照食品と比較して試験食品を摂取することで悪玉菌のLecithinase(+)Clostridiumの検出率はは63%から38%に、そして、同じく悪玉菌のLecithinase(-)Clostridiumの検出率は100%から88%へと減少しました。総数で有意差がなかった理由としては、大麦若葉は腸内細菌叢に利用されにくく腸内での発酵を受けないものと考えられます。一方で、大麦若葉の便通改善作用は大麦若葉に含まれる不溶性食物繊維の腸管内での物理的作用に起因すると推測されます。

 

このように、『マヌカハニー青汁』は、マヌカハニーαオリゴ糖粉末(MAP)と大麦若葉が配合されていますが、MAPによる善玉菌であるビフィズス菌と乳酸菌、および、最近注目されてきているヤセ菌のバクテロイデス菌の増加作用、さらには、大麦若葉による悪玉菌の減少作用による腸内環境改善効果が期待できますが、同時に、大麦若葉の不溶性食物繊維による便秘改善効果も期待できるという素晴らしい青汁なのです。


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