前回の『まめ知識』では、マヌカハニーは他の食品と比較して糖尿病リスクの低い食品であることを示しました。そこで、今回は、「マヌカハニー摂取は糖尿病予防になるか」との問いにポジティブに答えるべく、その糖尿病予防につながる科学的根拠を示していきます。


一般のハチミツとマヌカハニーの最も大きな違いは、マヌカハニーに食物メチルグリオキサール(MGO)という特有の抗菌物質が含まれているところにあります。MGOには口腔病原菌である虫歯菌や歯周病原因菌や胃潰瘍や胃がんの原因となるヘリコバクターピロリ菌(以下、ピロリ菌)の殺菌作用が知られています。MGOを含有するマヌカハニーは、それらの疾患の予防効果を持つ特別なハチミツとして愛飲されているわけです。


先ず、マヌカハニーの歯周病予防効果ですが、実はこの歯周病予防が糖尿病予防につながるのです。歯周病はもともと糖尿病の第6の合併症ともいわれ、糖尿病患者は歯肉炎や歯周炎にかかっている比率が高いことが分かっています。さらに最近の研究では、歯周病になると糖尿病の症状が悪化することも判ってきました。つまり、歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼしあっているわけです。マヌカハニーには、歯周病原因菌に対する抗菌作用を有するMGOが含まれているだけでなく、物質歯肉炎や歯周炎に対する抗炎症作用を持つシリング酸メチルという抗酸化物質も含まれており、歯周病の手前から予防してくれます。その抗菌力と抗酸化力によって糖尿病も予防できるという科学的根拠が示されているのです。


次に、ピロリ菌保菌者と糖尿病患者の関連性も評価されています。具体的には、ピロリ菌の保菌状態と糖尿病のマーカーである糖尿糖化ヘモグロビンレベル(HbA1c)の関連性が示されています。米国の国民健康栄養調査(NHANES)による1988-1994年の間の7,417人の参加者(18歳以上)及び19992000年の間の6,072人の参加者(3才以上)の膨大なデータから解析が行なわれました。その結果、ピロリ菌保菌とHbA1cレベルの間に正の相関がありました(P< 0.01, 1988-1994; P =0 .02, 19992000)。さらに、ピロリ菌保菌と肥満度指数(BMI)の間には相乗的な相互作用が有りました。ピロリ菌保菌と高いBMIの両方を有する場合、HbA1cレベルはさらに大きくなることが判明しました(相互作用に対するP<0 .01)。これらの結果より、ピロリ菌の増殖を防ぐ効果を持つMGOマヌカハニーを常飲することがピロリ菌感染予防になり、肥満予防になり、そして、糖尿病リスクを減らすことにつながると考えられます。


以上のように、マヌカハニーの摂取は前回の『まめ知識』でご説明しましたが「糖尿病リスクが高まることはない」だけでなく、歯周病予防とピロリ菌感染予防を通じて「糖尿病リスクを減らし糖尿病予防につながる」と言えるわけです。


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