私がインフルエンザB型に感染して、5日間、自宅の一室に隔離されたときから、早2ヶ月が過ぎました。しかし、いまだに5日間の隔離による仕事の計画変更のダメージは残っています。でも、インフルエンザの感染様式としては空気感染が圧倒的に多く、家族や会社の皆さんにうつさないためにはこのような隔離は仕方ないのですね。

 インフルエンザの流行が科学的に立証されたのは1900年頃からで、最も被害が大きく世界で猛威を振るった『スペインかぜ』は1917年から1919年にかけてのことでした。当時、世界中で6億人が感染し、死者は4000万人にのぼり、日本でも人口の約半数が罹患し、40万人の犠牲者を出すこととなりました。その後も『アジアかぜ』、『香港かぜ』、『ソ連かぜ』と20世紀には4回のインフルエンザの大流行(パンデミックという)がありました。

 このパンデミックはここ数十年起こっていませんが、高齢化社会に突入している日本においては、老人ホームでの集団感染の問題もあります。現在、インフルエンザによる死者の約80%を高齢者が占めていることからもインフルエンザ感染対策は必須です。さらに、近い将来には、まったく新しい新型のインフルエンザの流行も懸念されています。インフルエンザは医療技術の進歩した現在でも恐ろしい感染症であり、その脅威はますます大きくなっていると言っても過言ではありません。

 そのインフルエンザの予防・治療に特筆すべきすばらしい効果を持つ食品があります。それはニュージーランドのマヌカハニーです。マヌカハニーは特別の抗菌物質であるメチルグリオキサール(MGO)を含有していますので口腔細菌やピロリ菌に対する抗菌作用が知られておりますが、抗菌作用に限定されず、これまでに、風疹、水痘・帯状疱疹、そして、ヘルペス等に対する抗ウイルス作用も報告されていました。これらの報告に加えて、2014年5月、新たにインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス作用が長崎大学のWatanabeらの研究グループによって学術論文『Archives of Medical Research』で報告されました。

 インフルエンザウイルスとして、A/WSN/33(H1N1)、感染実験にはイヌ腎臓上皮由来細胞(MDCK細胞)を使用して検討されています。ここでは、マヌカハニーの効果を判っていただくため、注目すべき結果のみを記載しておきます。先ず、マヌカハニーを含む各種ハチミツのIC50(50%ウイルス阻止濃度)評価において、マヌカハニーに最も高い抗ウイルス作用が示されています。
2014062301

















 インフルエンザに感染した場合、医師から抗ウイルス薬として、リレンザやタミフルが処方されますね。(私の場合はタミフルでした。)この報告においては、そのリレンザやタミフルとマヌカハニーの抗ウイルス相乗作用という興味深い検討がされております。その結果、リレンザやタミフルの単独使用と比較して、マヌカハニー(3.13mg/mL)を併用すると“何と”リレンザやタミフルの使用量を1000分の1近くまで減らしても同等の抗ウイルス効果が得られることが判明しました。
2014062302



















2014062303



















 インフルエンザの季節、特に高齢者はマヌカハニーの積極的な摂取でインフルエンザ予防をしましょう。

 『Original Article: Anti-influenza Viral Effects of Honey In Vitro: Potent High Activity of Manuka Honey, K. Watanabe, R. Rahmasari, A. Matsunaga, T. Haruyama, and N. Kobayashi, Archives of Medical Research (2014) 』より引用。


【コラム】(抗ウイルス作用を知るための専門用語も勉強しておきましょう!)

 TCID50 (Tissue culture infectious dose): 培養細胞に段階希釈したウイルスを感染させ、希釈毎に培養細胞のDisc 数枚を用いるが、その使用したDisc の枚数のうち50%が感染するウイルス量を1TCID50 とする。感染の指標となるのは、細胞変性、プラーク、培養上清中のウイルスの生物活性等。

 PFU (Plaque forming unit): ウイルスを希釈し、これをシャーレの単層培養細胞に接種した後、軟寒天培地を重層して培養する。1個の細胞に感染したウイルスは隣の細胞に感染していくので、ウイルス感染細胞は最初に感染した細胞を中心に同心円状に広がっていく。1個のプラークを形成するウイルス量を1PFU としている。