朝ごはん

美容・健康維持のためのプロテインサプリメントの摂取は朝がおすすめの理由

フレイルで寝たきり高齢者にならないため、また、基礎代謝を高めて太りにくく美しい体をつくるためには、筋肉を維持して健康な生活を送る必要があり、プロテインサプリメントの摂取は有効な手段です。その目的のためのタンパク摂取推奨量は体重当たり1g/日以上とされています。たとえば、体重が60㎏の人であればタンパク質を1日合計で60g摂取するのが目安となります。

 

一般的には、余程、無理なダイエットをしていない限り、一般的な日本人のタンパク質消費量はこの推奨量に達していますので問題ないと思われがちです。しかしながら、1日のタンパク質の合計摂取量は満たしていても、実際には、朝はパンやシリアルなどの炭水化物だけのように朝食ではタンパク質を摂っておらず、夕食で偏って一日の推奨量の半分以上を摂っている人もたくさん見かけます。この偏りが、健康、美容、スポーツパフォーマンス向上といった目的のためには大きな障害となっています。タンパク質を朝昼夕に均等に摂取して推奨量を満たす必要があります。偏った食事をしていると体内で筋肉が合成されにくく筋肉を維持できない可能性のあることを明らかとした論文があります。

 

Dietary Protein Distribution Positively Influences 24-h Muscle Protein Synthesis in Healthy Adults 

M. M. Mamerow et al., The Journal of Nutrition 144, 867 – 880 (2014)

 

この論文では図1に示すように1日のタンパク質摂取量は90gに統一した上で『偏り摂取:朝食と昼食は20g以下で夕食は60g以上』群と『均等摂取:朝昼夕に平均的に30g』群に分けて、それぞれの群の筋肉合成量を検討しています。

 

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では、その試験デザインです。健常な成人男性と女性の8名(平均年齢36.9歳、BMI25.7kg/m2)を対象とし、偏り摂取群(4名)と均等摂取群(4名)に分け、それぞれ、朝昼夕に図1に示すタンパク質量を含む食事を7日間摂取してもらい、30日間のウオッシュアウト期間を経てクロスオーバーして、さらに、7日間の食事をしてもらいました。

 

それぞれの食事をした1日目と7日目に24時間の骨格筋タンパク質合成率を調べたところ、1日のタンパク質摂取量が同じでも、均等摂取群の方が夕方にタンパク質をまとめて摂取する偏り摂取群に比べて、筋肉を効率よく合成することが明らかとなっています。

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現代人は朝のタンパク質摂取量が少なく夜に多く摂る傾向にあります。なので、健康や美容のために筋肉を付ける、あるいは、維持する目的では、プロテインサプリメントを朝に摂取して、摂取タンパク質量をなるべく均等にするのが良さそうです。

 

尚、スポーツパフォーマンス向上のために筋肉増強を目的とするのであれば、筋トレや各種スポーツの後に30分から1時間以内のプロテイン摂取がおすすめです。激しい運動による筋肉損傷を回復させ、増強する働きがあります。


健康ライフには朝ごはん

20080822現代人に増えている朝ごはん抜きの生活。その原因は様々です。夜更かしで寝坊して朝ごはんを食べる時間がない、二日酔いで朝ごはんがほしくない、ダイエットのため朝ごはんを抜いて昼と夜の二食にしている、など。でも、朝ごはん抜きはQOL低下の大きな要因なのです。みずみずしく健康的でスリムな体を目指すため、そして生活の質を高めるためにも朝ごはんを食べることは大変大事なのです。その理由について説明しましょう。

試験勉強で夜遅くまで起きていた受験生が、試験前に満腹になると頭が働かなくなるのではと思い、朝ごはん抜きで試験を受ける。これは、勘違いのその1で、まったく反対の結果をもたらします。朝ごはんを食べた受験生の方が絶対有利なのです。こんな実験があります。学生10人をA、B、2グループ(5人ずつ)に分け、Aグループには朝ごはんを食べてもらいBグループは朝ごはん抜きで共に1人ずつトランプのタワーを作ってもらいました。結果、Bグループは2人しか作れませんでしたがAグループは全員作れました。次の日、反対にAグループが朝ごはん抜きでBグループに朝ごはんを食べてもらいました。結果は、Aグループは2人、Bグループは4人と逆転したのです。これは、朝ごはんを食べないと集中力が下がることを意味しているのです。朝ごはんで炭水化物を摂ると、アミラーゼ消化酵素によってゆっくりとグルコースに分解され血中グルコース濃度を適度に高め維持し、そのグルコース濃度維持で脳の活動が活発になり、結果、集中力を増すのです。

勘違いその2は、朝ごはんを抜くダイエット法です。確かに朝ごはん分のカロリー減にはなります。しかし、体は、1日に2食しかエネルギー補給できないと思い、昼と夜の食事から特に脂肪分をエネルギー源として蓄えようとします。よって、脂肪蓄積の結果、逆に太っていくのです。日本食の朝ごはんのエネルギー源は炭水化物(糖質)ですので、朝に摂っても蓄積されず、体と脳に効率よくエネルギーとして使われるのです。従って、朝ごはんを食べることはダイエットにも有効なのです。

日本食の朝ごはん、さらにもう一ついいところがあります。洋食に比べて硬いおかずが多いですよね。硬いものが多いと当然、かむ数が増えます。増えると、食べ物は、物理的せん断力と唾液アミラーゼによって口の中である程度分解され、結果、胃腸への負担が少なくなり腸内環境が改善されるのです。

【コラム】

洋食のパンはアミラーゼ消化酵素で簡単に分解され、血糖値は急激に上昇します。一方、和食のごはんは消化酵素による分解が遅く、血糖値の上昇は緩やかです。血糖値が気になる方がパンを食べる際には、αシクロデキストリンを一緒に摂取すると、血糖値の上昇を抑制することができます。
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