抗ウイルス

コロナ感染対策には適度な運動を毎日継続することがお薦め

前々回のタイトルは『コロナ感染対策にはヒトケミカルの摂取がお薦め』でした。前回はそのヒトケミカル“を難消化性オリゴ糖”に変えたタイトルでした。そして、今回はその難消化性オリゴ糖“を適度な運動を毎日継続すること”に変えたタイトルです。つまり、このシリーズでお伝えしたいのは『コロナ感染対策にはヒトケミカルと難消化性オリゴ糖の摂取と1時間ほどの適度な運動、例えば11万歩など、毎日継続して行うことがお薦め』ということです。これらのことを実践すれば唾液量が増加し、唾液中に含まれる免疫物質の免疫グロブリンAIgA)濃度も高まり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下、コロナ感染症という)のリスク低減になるのです。

 

1時間の適度な運動が忙しくて毎日継続できない場合はソニックスという音波振動マシンに10分間だけでも乗ると1時間の運動と同等の運動量が確保できますのでお薦めです。このソニックスは3~50Hzの音波振動を発生させ、人体の各器官と細胞に振動を浸透させて血液中の細胞循環を良くして、酸素を全身の細胞に届けやすくしますので、美容と健康の維持に効果的です。


2021012801

 




















 東京大学名誉教授で微生物学者の小柳津氏の本『コロナに殺されないたった1つの方法』が自由国民社から20201113日に発売されて、反響を呼んでいます。その
たった1つの方法“とは、酪酸菌を増やすことで自然免疫を高め、コロナに罹らない、罹ったとしても簡単に治すという方法です。本の中で「ワクチンで抗体を作れば救われる」との考え方は科学的に間違っていて自然免疫を高めるとコロナを撃退できる、とこの本では解説されています。

 

さらに、新型コロナウイルスに感染する人としない人の違いはどこにあるのか? この本では腸内の酪酸菌量の違いであるとしていて、大腸内の酪酸菌量が増えると新型コロナウイルスには感染しなくなるとのことで、これはまさしくこの『健康まめ知識』で前々回からお話している腸内の酪酸産生量が増えると唾液と唾液中のIgA濃度が増えて感染を防御することに関連しています。

 

また、この本では大腸内の酪酸菌を増やすにはゴボウや菊芋に含まれている「食物繊維」の難消化性オリゴ糖であるフラクトオリゴ糖を摂ることを勧めています。酪酸菌のエサになって酪酸が増え、そして、酪酸菌が増えるからです。

 

この健康まめ知識では『ヒトの腸内酪酸産生に対する運動の影響』というタイトルで適度で継続的な運動が腸内の酪酸を増やすことを示した論文を紹介しています。

 

http://blog.livedoor.jp/cyclochem02/archives/55268733.html

 

難消化性オリゴ糖の食物繊維を摂取すると同じように運動することが腸内の酪酸菌を増やし、同時に、酪酸を増やすようです。では、今回のタイトルの運動によって新型コロナウイルス感染を防ぐ唾液のIgAが増えることを実証した論文はあるか‥‥となるわけですが、その報告が実際にあるのです。

 

東京大学のAkimotoらの研究グループの2003年の報告です。

 

Effects of 12 months of exercise training on salivary secretory IgA levels in elderly subjects

T. Akimoto et. al., Br. I. Sports Med 37, 76-79 (2003)

 

高齢者の唾液IgA分泌に対する運動の効果を実証しています。座り仕事の多い健康な高齢者45人(男性18人、女性27人、平均年齢64.9歳)を対象にして、週に2回最大心拍数60%程度の軽めのレジスタントトレーニングと持久力トレーニングを60分間、12か月間続けて行ってもらいました。そして、トレーニング前、トレーニング中の4か月目と12か月目に唾液流量、唾液中IgA流量、唾液中IgA濃度を測定したところ、唾液流量は増加の傾向があり、IgA流量と濃度は何れも顕著に有意(p<0.01)に増加することが明かとなっています。


2021012802

 




















 このように前々回と前回のヒトケミカルと難消化性オリゴ糖の摂取による唾液中IgAの増加と同様に中程度の無理をしない1時間程度の運動も唾液中のIgAを増やす効果があるようです。また、1時間の運動が難しい人はたった10分でいいのでソニックスの上に乗り、唾液IgAを増やして免疫力を高め上気道による新型コロナの感染を予防しましょう。

コロナ感染対策には難消化性オリゴ糖の摂取がお薦め

前回のタイトルは『コロナ感染対策にはヒトケミカルの摂取がお薦め』でした。今回はそのヒトケミカル“を難消化性オリゴ糖”に変えただけなのですが、その根拠はヒトケミカルも難消化性オリゴ糖もどちらも摂取すると唾液の免疫グロブリン(IgA)濃度を高め、新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下、コロナ感染症という)のリスク低減になることが判ってきたからです。

 

尚、前回はコエンザイムQ10CoQ10)を摂取することで唾液中のIgA分泌速度が増加する論文を紹介しましたが、CoQ10摂取は唾液そのものの分泌量を改善して感染症のみならず、歯周病、口臭、上部消化管障害などの原因となるドライマウスの対策になるといった研究報告もあることを付け加えておきます。

 

http://www.cyclochem.com/cyclochembio/watch/watch_054.html

 

コロナ感染症の症状は多彩で、無症状感染者から重症患者、死に至るまで幅が広いのが特徴で、この傾向はSARSに似ています。ただ、新型コロナとSARSには感染する部位に違いがあります。ウイルスはS蛋白を介してACE2という受容体を発現している細胞に感染します。このACE2を発現している細胞はさまざまな臓器に存在しているのですが、発現の程度が臓器によって異なっていて、上気道(鼻やのど)では弱く、肺や小腸の上皮細胞に特に強く発現していることが判っています。そのため、SARSは上気道では感染せず、肺と小腸で感染するのです。一方、新型コロナはACE2との結合力が強いため、上気道でも感染してしまうため、SARSは大きく流行せず収束したにもかかわらず、新型コロナは大流行となっていると考えられます。なので、上気道でのコロナ感染対策、つまり、水際対策(ウイルスが入ってくる場所での対策)が必要なのです。そして、十分な量のIgAを含有する唾液はウイルスなどの病原体の侵入を水際(上気道)で防ぐ役目を担っていて、その先の粘膜臓器への感染をいち早く第一線で防止しています。

 

神奈川歯科大学の山本らの研究グループはこれまでに難消化性糖類を摂取すると大腸内で酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸産生によって唾液中のIgAが増加することを見出しています。その短鎖脂肪酸産生によるIgA増加のメカニズムは、短鎖脂肪酸のレセプターであるG—Protein Coupled Receptor 41 (GPR41)G-Protein Coupled Receptor 43GPR43)が交感神経節に発現していることから、短鎖脂肪酸がGPR41GPR43を介して自律神経が刺激されて、唾液中IgAが増加すると考えられています。


2021012101

 




















 山本らの研究グループの論文を以下に紹介しておきます。

 

The Salivary IgA Flow Rate Is Increased by High Concentrations of Short-Chain Fatty Acids in the Cecum of Rats Ingesting Fructooligosaccharides

Y. Yamamoto et al., Nutrients 2016, 8, 500; doi: 10.3390/nu8080500

 

ラットに難消化性オリゴ糖である5%フラクトオリゴ糖(FOS)を含む食餌を摂取させ、摂取後1週目、4週目、8週目の時点での唾液中のIgA量を検討しています。その結果、FOSの摂取は唾液中のIgA濃度を増加させ、IgA流量(分泌速度)を増加させることがわかりました。


2021012102












 









 同時に、FOS摂取によって腸内の短鎖脂肪酸の特に酪酸濃度が増加することから、SCFAs濃度が増加する(P<0.05)ことを確認しています。


2021012103

 




















 このように前回のヒトケミカルの摂取による唾液中IgAの増加と同様にプレバイオティクスとして腸内において酪酸を産生する難消化性オリゴ糖も唾液中のIgAを増やす効果があるようです。難消化性オリゴ糖とヒトケミカルを摂取して上気道による新型コロナの感染を予防しましょう。

コロナ感染対策にヒトケミカルの摂取がお薦め

新型コロナウイルスによる影響でますます大変な状況となっていて、ワクチンに期待する方々も多いと思います。しかしながら、ワクチン接種の開始時期はいまだに見通しは立っていません。そこで、個人で出来るコロナ感染対策は何か、と問われると、手洗い、消毒、マスク、うがいなどが挙げられるのですが、最も大きなカギを握る対策は『免疫力の強化』です。つまり、ヒトが本来持っている病(やまい)から免れる力をどのように強化するかなのです。このヒトの免疫機能はCoQ10R-αリポ酸、L-カルニチンという三大ヒトケミカルが減少しはじめる20歳をピークに低下していきます。これが免疫の老化です。

 

その免疫老化を防ぐためには細胞のミトコンドリア活性を維持することが必要です。そのミトコンドリア活性の維持に有効なのがヒトケミカルなのです。この『健康まめ知識』でもしばしばお伝えしていますが、ミトコンドリアは細胞の中のエネルギー生産工場であり、三大ヒトケミカルが働いてエネルギーを作っているのですが、当然、免疫細胞の活性化にも影響しています。つまり、ミトコンドリアは免疫を正常に働かせる司令塔なのです。しかしながら、加齢によるヒトケミカルの減少にともなってミトコンドリアも同様に減少しますので、ヒトケミカルを補充することがミトコンドリア機能を高め、免疫老化を防ぐことになります。

 

自然免疫の中でも、唾液中に存在する免疫グロブリンAIgA)は、病原体の口内粘膜下への侵入を防御する役割を持っていますが、この唾液IgAの低下がコロナウイルス感染などの感染症の罹患率を高めることが判っています。そして、この唾液IgAの分泌にヒトケミカルの一つであるCoQ10の摂取が有効であることが示された2015年の論文があります。

 

The effects of Coenzyme Q10 on Oral Immunity and Health-Related Quality of Life in Middle-Aged and Elderly Individuals

K. SHIMIZUら、日本補完代替医療学会誌、第12巻、第1号、20153月:37-43

 

健康な中高齢者60名を対象とした臨床試験で、CoQ10群とプラセボ群をそれぞれ30名ずつに分けてCoQ10群には毎日150㎎のCoQ108週間摂取してもらい、摂取前と摂取8週間後の唾液中の分岐型免疫グロブリンASIgA)を調べたところ、SIgA分泌速度の変化率をみると、CoQ10群において増加傾向が認められています(P=0.08)。


2021011401

 




















 日本人に副作用のないワクチンが導入されるまでにはまだ時間を要しますので、個人個人がヒトケミカルの摂取によって免疫力を強化する必要があります。そのためにも、三大ヒトケミカルのCoQ10R-αリポ酸、L-カルニチンが多く含まれる食品を積極的に食べましょう。三大ヒトケミカルは何れも馬肉や羊肉などの運動を良くしている動物の肉に多く含まれています。


2021011402

 




















 もちろん、サプリメントで補うこともお薦めです。食肉、吸収性の高いサプリメントで体内のヒトケミカルを増やして新型コロナに負けない身体作りを心掛けましょう。


2021011403

 

ニュージーランド産プロポリス成分のCAPEの新型コロナウイルスに対する抗ウイルス作用

速報です。

 共同研究先の産総研によって、ニュージーランド産プロポリスの成分のコーヒー酸フェネチル(CAPE)に新型コロナウイルス(COVID-19)のメインプロティアーゼを阻害してウイルスの複製を抑制する・・・つまり、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス作用を示す可能性が
あることを見出し、先週末に論文(Journal of Biomolecular Structure & Dynamics)にアクセプトされました。

 これで、ニュージーランド産プロポリスが注目されると思います。

 

 

2020051901

自宅で出来る手作りの新型コロナウイルス対策マスクの作り方

現在、日本では使い捨てマスク不足からそれぞれの家庭で自分自身や家族、友達のために洗濯の可能な手作りマスクを作るようになってきています。

 

しかし、私はもともと使い捨てマスクや手作りマスクで本当に新型コロナウイルスの感染予防が出来るのか疑問を持っていました。これらのマスクはウイルスの侵入を防御するものですが、ウイルスを殺す作用のあるマスクでないと本当の感染予防にならないのではないかと思っているからです。しかしながら、大方の有識者や政府関係者はマスクが必要であろうとの見方ですので、私も公共の交通機関を利用する際には周りの目もありマスクをするようにしています。

 

では、ウイルスを殺すことのできるウイルス対策マスクは実際にあるのでしょうか?

 

ネット検索をするとウイルス対策マスクがたくさん紹介されています。「N95 マスク」と「サージカルマスク」については耳にしたことがあるかも知れません。N95マスクはウイルス粒子の侵入を防ぐもの、サージカルマスクは感染者から出るウイルスを空気中に拡散させないものですが、ウイルスの殺滅・増殖阻害に注目しているのは銀イオンを用いたマスクであり、これが最も効果を発揮する抗ウイルスマスクであると考えられます。なぜなら、コロナウイルスはたとえフィルター3層構造であっても簡単に侵入できるからです。

 

しかしながら、ネットで紹介している銀イオンマスクは『30回以上洗濯後も抗ウイルス効果がある』といいながら、その実験データはどこにも示されていなくとても信用できるものではありません。

 

そこで、私の研究室では、CDの繊維への固定化や銀イオンの吸着など、幾つもの発見を経て、ついにウイルス感染を予防できる耐洗濯性のある『真の抗ウイルスマスク』の開発に成功しました。

 

最初は、マスク製造業者と共同でマスク開発を考えたのですが、このような状況下ですので、ビジネスではなく、多くの人が自分で自分の身を守っていただくために各家庭で手作りの抗ウイルスマスクを作る方法をここにお伝えしたいと思います。

 

原理・製法はいたって簡単です。まず、手作りマスクをポリアリルアミン(PAA)水溶液(1液)に1分間浸し、軽く絞ります。その後、反応性シクロデキストリン(MCT-CD)水溶液(2液)に1分間浸し、また、軽く絞ります。乾燥させた後、今度は硝酸銀水溶液(3液)に一晩浸しておきます。軽く絞り、乾燥させた後、洗濯すれば出来上がりです。

2020042701

 



















 銀イオンが固定化された抗ウイルス作用を持つ手作りマスクは次のような構造です。

2020042702

 



















 硝酸銀水溶液に一晩浸すと銀イオンが十分に包接(吸着)されます。未加工の繊維と比較すると30倍の銀イオンが吸着され、銀イオンによる抗ウイルス作用が発揮されます。銀イオンのスプレーがネットで販売されていますが、スプレータイプのものでは抗ウイルス作用を示すほどの十分な量ではありません。

2020042703

 



















 市販の銀イオン処理抗菌抗ウイルス繊維とこのCD加工繊維を比較すると10回洗濯後の抗菌活性を比較した結果を示します。このようにネット販売されている抗ウイルスマスクは信用できないことが分かります。

2020042704

 



















 銀イオンは抗菌作用とともに抗ウイルス作用を有していることが知られています。しかも、インフルエンザや新型コロナウイルスといったエンベロープを持つウイルスへの抗ウイルス活性を有しています。

2020042705

 



















 自宅で手作りの新型コロナウイルス対策マスクと抗菌抗ウイルス消臭スプレーを作ってみませんか?

 

尚、使った後のこの硝酸銀水溶液は捨てないでください。これも市販の抗菌消臭スプレーよりも高度に効果のある手作りの抗菌抗ウイルススプレーの材料になります。ファブリーズ等に使われているシクロデキストリンを加えて希釈すれば出来上がりです。

 

ここまでの内容でご興味頂けたでしょうか?質問をお待ちしています。

 
 より詳しい情報につきましてはこちらをご参照下さい。
 http://www.cyclochem.com/cyclochembio/research/091.html


月別アーカイブ
プロフィール

cyclochem02

カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ