2006年06月15日

「湿温」の代表方剤、三仁湯をエキス剤で代用するには?

●湿温初期に適応する三仁湯をエキス剤で代用するには?
 梅雨から夏にかけて発病しやすい「湿温」に対する代表方剤、三仁湯や藿朴夏苓湯をエキス剤で代用する方法についての情報である。

 三仁湯は湿温初期に対する代表方剤であるが、類似方剤として「藿朴夏苓湯」も忘れてはならない。三仁湯と同様に上焦湿熱に対する治療方剤でもある。両者ともに湿遏衛陽証、あるいは湿鬱肌表証、または湿遏衛気証、あるいは湿熱鬱遏肌表証であり、適応証の違いは藿朴夏苓湯は表湿症状が顕著で化熱症状が弱く、三仁湯は表湿症状とともに化熱症状が明らかで、体内に強い熱感がありながらも体表に触れると熱感はない。

 両者は、湿熱の邪気が上焦を侵襲し、上焦肺衛を鬱阻するとともに中焦・下焦に瀰蔓し、表裏ともに鬱阻して表裏同病を呈したものである。

 本証は梅雨や夏から初秋にかけて発病しやすく、病変過程は比較的緩慢でしつこく、いつまでも持続し「風邪と夏バテが重なったようで、病院治療や薬局の薬を利用しても、いつまでもスッキリしない」といって漢方薬を求めて来局する人の中に適応が多い。

 煎薬を好まない人には、藿香正気散エキスに滑石茯苓湯(猪苓湯エキス)を合方し、さらに薏苡仁エキスを加えれば、かなり代用できるものである。
 とりわけ藿朴夏苓湯の代用方剤としてはピッタリのようで、猪苓湯中の阿膠は滋膩の薬味で一見マイナスのように見えるが、芳香辛散の薬味による肺陰損傷や湿熱傷陰の防止として却って好都合なのである。

 本命の三仁湯の代用とする場合には、藿香正気散をやや少量とし、猪苓湯と薏苡仁各エキスをやや多目にするとかなり代用可能である。

三仁湯(杏仁・白豆蔲・薏苡仁・厚朴・半夏・通草・滑石・竹葉)湿熱邪留気分(湿勝熱微)に対する清熱除湿・芳化淡滲法を体現した方剤。

藿朴夏苓湯(藿香・淡豆鼓・白豆蔲・厚朴・半夏・杏仁・茯苓・著苓・沢瀉・生薏苡仁)湿温による湿阻中焦(湿勝熱微)に対する燥湿芳化・上宣下滲法を体現した方剤。

 以上、漢方薬は漢方医学に中医学理論を導入した中医漢方薬学の中の、

藿香正気散合猪苓湯の応用より。



Posted by cyosyu1 at 00:07