医療用漢方にはない貴重な漢方製剤原料の中に牛黄や麝香(ジャコウ)があるが、即効性のある高貴薬として文字通り貴重なものである。
ゴオウの品質問題では、大雑把に言ってオーストラリア産が一番よく、その次がアルゼンチン産、三番目がブラジル産というのが常識である。もちろんいずれも日本薬局方に適合しているものばかりの話である。
貴重で高価でありかつ即効性もあり、広い範囲で応用出来る便利な動物生薬だけに、人気抜群であることは今更ここで述べるまでも無いが、それだけに日本国内ではゴオウ製剤は各種さまざま製造されている。
ところで問題はここからである。面白いことにと言えば不謹慎だから、由々しきことにとしておくが、自社製品はオーストラリア産のゴオウを使用していると主張するメーカーさんがかなり多いことである。
それを真に受けて日本に輸入されるオーストラリア産のゴオウと、各社が主張されるゴオウ製剤に使用されている量を合算して比較すると、まちがいなく実際の輸入量をはるかに上回ることであろう!
ことほど左様に、最終的なところで信用なら無いのが「商売」の世界である。
とは言え、正直なメーカーさんもいない訳ではなく、「当社はブラジル産のなるべくビリルビン値の高いものを使用しており、最低ビリルビン値の基準を30としております」などと断言されるところもある。
これなら信用おけるだろうと、そのメーカーさんの製品も販売しているが、意外に評判がいい。
ともあれ、ゴオウの実際の良し悪しは、もちろん産地の問題もかなり相関関係があるにせよ、ビリルビン値の問題のみならず、最も重要なのは、実際に使用してみて効果が優れているか、劣っているか、結果が歴然と出るだけに、産地の主張やレッテルだけでは計測不能のところがあるのである。