2019年10月16日

アリイ1/32トヨタ'55トヨペットクラウン(昭和30年) 400円

今回紹介するキットはアリイ(マイクロエース)の初代クラウン。元々LSの金型だった物ですね。LS初版当時はプルバックゼンマイが付属していましたが、LSの経営が傾いてくると共に、価格そのままでゼンマイが省かれた仕様が出るようになりました。この改訂は結構急だったようで、スカイラインなどはパッケージに「ディスプレイタイプ」とシールを貼って対応していた記憶があります。

アリイが倒産した各メーカーの金型を再販してくれるのは大変ありがたいのですが、ほぼ全くと言っても良いぐらい金型の管理をしていないようで、年々バリは増え、クリヤーパーツの傷は目立ち、キットによっては金型が破損したりして、ある一定以上の技量がないと完成させられないようなキットも有ります。

コスト削減でタイヤパーツを共有したりしてるのも、キットを組み立てる段階になってから、あららイテテとなる部分です。最新のCADによるバチピタキットに慣れてる人には苦行、70年代辺りからプラモデルを作っている人にとっては日常。昔の大人は平気でコドモ騙していた(←鍛えていた)モノです(笑)。

LSの1/32シリーズは、車の選定センスとメーカーとしての技術力高さにLSの底力を感じますが、中には若干ムムムと思うキットもまぎれていて、個人的にはこのクラウンもムムム側の1台だと感じています。特徴的なグリルの造形などで初代クラウンにしか見えないですし、実車を見る機会が現在ではほぼあり得ないので、この形が初代クラウンの正解。そんな風に刷り込まれいる気がします。

ただ、実車動画やニチモのクラウンパトカーの完成写真と見比べると、ちょいと丸く寸詰まりにディフォルメが効きすぎてるように思います。実車の全長は4285ミリという事ですが、キット全長を袋越しに測った所、バンパー分を考慮してもやっぱり短い感じですね。クラウンとパーツを共有していたマスターのさらにパーツを利用していた、ダルマコロナなイメージに近いです。

初代クラウンと言えば、トヨタがプログレベースで限定生産したオリジン。日本のメーカーで過去の自社モデルをモチーフとした車を生産するのは珍しいですし(海外の名車のモチーフは簡単にいただくのに)、センチュリー並みの手作業での製作の為、20年近く経った今でも中古者の人気は大変高いようです。

近所にこのキットのボディカラーのようなライトブルーのオリジンがあるのですが、それが本当良いたたずまいなんですよねぇ。

アリイクラウン1アリイクラウン2

czmokeido at 11:59|PermalinkComments(0) アリイ | LS

2019年09月30日

アオシマ1/24トヨタNCP160Vプロボックス'14 2000円

今回紹介するキットはアオシマのプロボックス。ライトバン!営業車!!サンバーのスマッシュヒットがあったからこそのキット化だとは思いますが、ハセガワと同じくアオシマの攻めた展開には心が震えます。

そんなわけでプロボックス。キットは2014年に行われたマイチェン後の後期型を再現しています。前期と後期は荷室ふくめて横から見た印象がほとんど変わらないので、通常のマイナーチェンジ程度と思われがちですが、実は前半分のプラットフォームが丸ごと変更されてたり、営業車としてより使いやすくするためにインパネを全面変更したりで、フルモデルチェンジに近いビッグマイナーチェンジでした。

ただこのマイチェンで、従来モデルではそれなりに差別化されていた兄弟車サクシードとの差がほとんど無くなってしまい、エンジン排気量とバッジ程度でしか区別がつかなくなってしまいました。前期型ではなんでそんなところ別デザイン別パーツにしてるの?って凝り用でしたから、ちょっと寂しく思いますね。

もっともキット化したアオシマとしては、デザインに差がないのはバリエーション展開する上で好都合。レギュラー商品はプロボックスでしたが、限定でサクシードもキット化。こちらにはフェンダーカバーがオマケでついて若干お得。ただのパケ替えじゃないぞというところを見せました。

そもそもプロボックスはカローラバンの後継、サクシードはカルディナの後継という事で、サクシードはリアハッチやバンパーの形状変更をして、荷室のサイズを若干プロボックスより大きくしていました。この辺りの差別化は実に妥当。カルディナを営業車として使っていた会社からすれば、後継車が急に小さくなっては困りますから。

よく解らないのが、一見似たような印象のフロントマスクでありながら、バンパーとフロントフェンダーの構成が2車で全く違うんですよね。サクシードのバンパーはサイドまで回り込んだ大型のモノでフェンダーパネルのタイヤより前部分がありません。ブロボックスはこじんまりとしたバンパーなので、フェンダーパネルもタイヤハウスをぐるりと囲む形であります。

キットのパーツ構成を見ると(フレームにフェンダーとバンパーをかぶせる仕様)、アオシマも前期型のキット化をにらんでいたようですが、サクシードの前期はリアハッチ周りが全く違うので(キットリア周りは別パーツ無し)、出るとしてもプロボックスのみになりそうです。その前期型も今のところリリースされていませんので、サンバーほどプロボックスは売れなかったんでしょうかね?

そんなわけで、前期型ではプロボックスとサクシードを作り分けている意味があったのですが、後期型では事実上同じ車。さらにトヨタは全車種を全てのディーラーで買えるようにするので今後兄弟車は廃止な方向。プロボックスとサクシードを統合するのですから、新しい車名は合わせてプロシードでいかがでしょうか?(←いやそれマツダ)

アオシマプロボックス

czmokeido at 23:59|PermalinkComments(0) アオシマ 

2019年09月19日

フジミ1/24BMWミニクーパーMINI COOPER 1200円

今回取り上げるキットはフジミのBMWミニクーパー。ローバーを買収したBMWが、ローバー75の商業上の失敗に懲りてブランドを切り売りした後、満を持して発売し大ヒットさせたモデルですね。

BMWに買収される前のローバーはホンダとの提携も上手く行き、英国病も克服してそれなりの売上を誇っていたはずですが、突如BMWが買収しホンダとの関係を解消させられます。その後発売された75は、FFのBMWとも呼ばれ車としての評価は高かったのですが、ホンダベースではない影響かまた英国病が再発、信頼性や整備性の問題でトラブルが頻発し、ローバーの経営を大きく傾かせます。

結果BMWは上記したようにブランドの切り売りを決定、不採算部門の大本ローバーはタダ当然の値段で投資グループに売却、高級SUVとして評価が高かったランドローバー部門はフォードへ、MGは中国の南京汽車経由で上海汽車に。BMWはミニ、ライレー、トライアンフのブランドを手元に残しました。その後フォードの経営不振などもあり、紆余曲折を経てローバー&ランドローバーはインドのタタ傘下に、先に切り売りされていたジャガーもフォード経由でタタにありますので、はからずも旧宗主国のブランドをインドのメーカーが活用する形となりました。

さてローバーブランドの切り売りをする際に、高価格で利益率が高そうなランドローバーを手放したのは意外でしたが、この時点でX5の開発は進んでいたので高級SUVの共食いをさけたのかもしれません。当時のBMWのウィークポイントは小型車の開発。E36コンパクトを見ると苦労しているのがアリアリでしたから、FF小型車の技術とブランドを持つミニを残したのは当然だったかもしれません。

ローバーの分割を済ませたBMWは満を持して新型コンパクトカーとしてニューミニをデビューさせます。ローバーがイギリス人のモノのままなら生み出せなかったかもしれない、ミニらしさを強調しカリカチュアライズされたデザインは「大きすぎる」などの意見も有りましたが、世界的に受け入れられ見事に成功。以後2度のモデルチェンジ、バリエーションの拡大を果たして、BMWに大きな利益を生み出しています。

そんな記念すべき1台をフジミは手堅くキット化しています。上記したようにとても特徴的デザインの為にどう組んでもBMWミニにしか見えません。評価の高かったオリジナルミニを巧みに現代風に解釈したデザイナーはフランク・ステファンソン。一般的にはそれほど知名度が無いかもしれませんが、実は後にフィアットに移籍して500の市販バージョンの開発にもタッチしています。

大ヒットしたレトロモチーフの小型車、両方に同じデザイナーが関わってるというのも面白い話しですね。

フジミBMWミニ1フジミBMWミニ2


czmokeido at 23:59|PermalinkComments(0) フジミ