富士山の噴火でできた溶岩トンネルの中でも最古級で、静岡県三島市のJR三島駅北口の地下に広がる「三島風穴(ふうけつ)」が今月下旬にも埋めたてられる。工事を行う静岡県三島市によると、風穴の真上に市道を造るため、推定約3000平方メートルある空洞の半分をセメントなどで充てんし、地盤補強する。風穴に対する学術調査は実施されていないが、溶岩が生み出した貴重な鍾乳石などが残され、火山学の専門家から「工事前に学術調査すべきだ」との声が上がっている。

 三島風穴は、噴火で流れ出た「三島溶岩流」の最南端にあたり、富士山周辺で100以上確認されている風穴の一つ。1万数千年前にでき、総延長は分かっているだけで約300メートル。1953年に発見され、86年に日本火山洞窟(どうくつ)協会(現・富士火山洞窟学研究会)が実地調査した。長年かけて形成された「溶岩鍾乳石」などがそのまま保存され、市街地に残る洞窟としても全国的に希少という。

 かつては製薬会社の敷地内にあり、会社の移転に伴って05年、三島市函南町土地開発公社が公共用地として買収した。市によると、風穴の内部で崩落が確認されたため、道路工事に先立ち、今月内にもセメントと粘土質の資材で充てんする工事を始める。市建設部は「安全を期すのが第一の目的。手当てをしなければ風穴の真上にある既存の道路も崩落する恐れがある」と緊急性のある工事だと説明している。

 一方、今年2月に風穴を調べたNPO法人「火山洞窟学会」(事務局・東京都)の立原弘会長は「埋める前にきちんと全容を調べ、残すべきところは残してほしい。教育的な価値もある」と指摘。山梨県環境科学研究所自然環境・富士山火山研究部の輿水達司部長も「山梨県側の富士山北麓(ろく)では三次元解析など最新の手法を使って風穴を調査している。調査前に埋めるとは信じられない」と話している。【安味伸一】

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